【D】ドイツの小銭事情

先月末頃に、僕がメインで利用している銀行から「5月2日からルールが変わります」とご案内を頂いており、今日から僕にとって割と大きな変化を迎えることとなりました。今回は、ドイツでの小銭取引と小銭事情について書きます。

僕は個人的に、小銭集めが好きです。珍しい硬貨をコレクションしているものと、貯金用の2種類があります。その他仕事用に必要な場合もあり、銀行では小銭取引をこれまで何度か行って来ました。2022年5月2日以降、僕が利用している銀行にて、これまで請求されなかった、小銭の取扱い手数料が発生することとなりました。

お店、レストランのような現金取引があり、釣銭用に小銭をある程度用意しておかなければならない業種にとっては、単なる両替に手数料が請求されるというのは、非常にもったいないものです。随分前から、口座をその銀行で持っている持っていないを問わず、小銭両替手数料を請求している銀行はありましたが、僕がメインで取引している銀行は、手数料が発生しないということで、非常に重宝しておりました。また、両替だけに止まらず、小銭の預入や引出しにも手数料が適用されます。この度のルール変更は非常に残念です。

実際、そんな高額な手数料というわけではありませんが、手数料は「塵も積もれば山となる」で、なるべく避けたいものです。

近頃キャッシュレス化が進んでいるとは言うものの、ドイツではまだまだ現金取引は人気が高いです。僕が初めてドイツに移住した2011年頃は、クレジットカード決済が出来るお店は非常に少なかったと記憶しております。銀行のデビットカードでの決済はかろうじて出来るというお店がちらほらあった程度でした。今現在はカード決済が可能なお店はかなり増えましたが、まだまだカード決済に消極的な会社・お店も多いです。その背景は、カード利用に対しての決して安くはない手数料がお店側に掛かるので、正直あまりカードを利用して欲しくないからということが考えられます。同じヨーロッパ内でも、ドイツ程カード決済に消極的な国は他にはあまりないかもしれません。

ドイツにちょっと旅行でいらっしゃった方、住み始めてからの期間が短い方が、ドイツできっと驚かれるポイントは、

  • カード利用が出来るお店が少ないこと
  • カードが利用出来たとしても「利用最低金額」が設定されていること
  • 現金の高額紙幣の利用を断られること
  • 小銭しか対応していない自販機が多いこと
  • 小銭が必要な場所の近くで両替に応じてもらえないケースが多いこと

かと思われます。これは利用するお店であったり場所等にもよりますが、カード払いが出来ない上に、手持ちの現金が高額紙幣しかなく、それすらも受け取ってもらえなかったり、さらに誰にも両替に応じてもらえず、非常に困った経験をされたという方は少なくないことでしょう。飲み物やスナックの自販機、駐車場のパーキングチケットの券売機等は、小銭のみしか対応していないことはよくあります。そして、それらの利用客の多い場所の近くのキオスクやお店等は、あまりにも両替の問い合わせが多いためか、両替は一切お断り!とするところも多いです。ドイツでは結構小銭の存在は重要!と感じる機会も少なくはないでしょう。

小さな商店で、たった数ユーロの買い物をするのに、500ユーロ札や200ユーロ札を渡すと嫌がられるのは理解出来ますが、一般的に多く流通しているはずの50ユーロ札や20ユーロ札でも利用が出来ないというケースもあります。会計時に支払おうとした際に「もっと細かいお金ありますか?」と問われることは珍しいことではありません。

公共交通機関の券売機は、いまだに釣銭が小銭のみの対応というものも多いため、釣銭をセーブするために、紙幣の上限金額が設定されていることがほとんどです。近距離切符など、概ね10ユーロ以下の切符の購入は、20ユーロ札すら利用出来ないこともあります。券売機内に十分な釣銭がある場合、高額紙幣の利用可能な表示が出現します。「使える!」と思って利用した場合は、釣銭として見事に細かい単位のコインが大量に出て来てしまい、まるでメダルゲームで大当たりをした時のような状態になることもあります。僕は5セント、10セント、50セント硬貨が大量に出て来て、周囲にいた方々から大爆笑された経験があります。

ドイツでは、2022年時点に於いても、大都市においても、現金、特に小銭はまだまだある程度持っておく必要があり、細かい数字にも対応出来る「ちょうど良い金額」の準備も必要ということです。特にドイツにお住まいではない、田舎も回られる旅行者の方々には、特にご注意を頂きたい点かもしれません。

以下は、僕のようにドイツ在住者として、小銭貯金を楽しまれているような方で、小銭が一定以上集まった場合にどうすべきか、ということについて触れます。

ある程度貯金箱にどっしりと小銭が貯まって来た場合は、銀行に預けに行きたいのですが、ドイツでは「小銭対応ATM」は非常に珍しい存在です。僕が利用している銀行では、全ての支店ではありませんでしたが、日本のゲームセンターのメダル預け機のような感じで、硬貨を一気に流し込めるタイプのATMが存在していました。

その機械は僕は個人的に結構好きだったので、過去数年間に渡ってお世話になりました。硬貨を流し込むときの感覚が楽しかったですし、貯金へのモチヴェーションにもなっていました。しかし、そのATMはかなり故障が多く、設置支店がどんどん減って行き、仕舞いには全ての店舗から姿を消してしまいました。かれこれ数年前のことです。現在は、窓口対応のみ、しかも決まった枚数を紙で巻いた状態でしか受け付けてもらえず、さらに本日からは取引時に手数料が発生してしまうのです。預入でも払出でもいずれの場合もです。

それに代わるべく?面白い機械を目にすることがありました。スーパーマーケットの入り口付近に設置されている機械で、集まった小銭を集計し、その金額のクーポン券を発行するという機械です。

小銭貯金で貯めたお金は、本来僕は別に貯金として銀行に預けたかったのですが、大量の小銭をまとめられて便利そうですし、生活必需品の買い物に利用しても良いかなと思い、初めて機械を操作してみました。

面白いことに、「預入金額の9,9%の手数料」が発生するようでした。なるほど!良いご商売!…静かに操作を中断しました。残念ながら、僕はこの機械にはお世話になることはなさそうです。

もしも買い物で小銭を利用するならば、セルフレジの利用が便利かもしれません。全てのスーパーマーケットにあるわけではありませんが、

こういうタイプのセルフレジは、財布が小銭で重くなって来た時に利用すると便利です。こちらの利用には手数料は掛かりません。

さて今後、「小銭貯金」はどうしようか…。

銀行への紙幣の預入や引出しには手数料は発生しないので、貯金箱の小銭はそんなに貯め過ぎず、時々紙幣に交換、ある程度の紙幣がまとまったら口座へ投入。両替をして得た小銭を、必要なときやスーパーのセルフレジで消費していく…という流れを想定しております。

ところで、僕はミュンヘン移住後、現在の職場においてお客様からチップ(主に小銭)をいただくことがあるのですが、普段使う財布のお金と厳格に分けて管理して来ました。今年2022年に入ってから現在まで、450ユーロ程度貯まりました。小銭貯金、恐るべし!決して侮れない額の貯金が出来ており、驚いております。札だと気軽に使ってしまいそうな気がするので、小銭の形で置いておくことは、大きな意味があったのかもしれません。

今日は、これまで長く続けて来た習慣が変わる日となりましたが、キャッシュレス化がまだまだ進んでいないドイツで、小銭とも上手に楽しく付き合いながら、根気よくお金も貯めて行けたらなと思っております。

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