【D】怒涛の退去

Leben

本日、4年半程住みましたミュンヘン市内のアパートを退去しました。平和に退去したかったのですが、最後の最後まで色々とありました。今回は、退去に際して色々起こったことと退去日当日の様子について書きます。

数日前、僕の元に英語による「怪しい電話」が掛かって来ました。夜勤を控えていて寝ていた時間だったので意識はハッキリしていないときでしたが、知らない電話番号の方からいきなり「あなたのアパートの鍵を私に渡してくれ!」と言われてハッとしました。意味が分からな過ぎてまず「あなた誰?!」と言っても、自分の言いたいことを一方的に話し続ける方で「すみません、まずこちらの話を聞けますか?」と言うとブチ切れられてしまいました。アグレッシヴな口調で喚き始めて話にならない感じだったので、失礼ながら相手が何か言っている最中でしたが電話を切ってやりました。するとまたその後も何度も電話が掛かって来て、英語で色々言われたので、僕が外国人だから英語で話されているのかと思い「ドイツ語で話せますか?」と聞くと「私はドイツ人ではないし、ドイツ語は苦手なので英語でお願いしたい!」と言われ、ますます怪しいなという感じがしたのでした。「取り敢えず家主から連絡がないし、誰かも知らない人にアパートの鍵を簡単に渡すことは出来ないですね」と突っぱねると、ずっと僕を無視していた家主がようやく連絡をして来ました。正式な代理人だと確認が取れたところで、その英語話者の方と話をすることにしたのでした。

代理人を名乗っていた男性は、最初の電話では随分感じが悪かったのですが、2回目以降はマイルドな話し方になっていました。まとめると「私はあなたの家主S氏から依頼を受けた者です。彼が多忙のため、ミュンヘンには行けないので、私にアパートの鍵を返却してもらいます。4月23日には5月1日から契約してもらえる人たちの内覧スケジュールを入れているので、あなたには家にいてもらうか、私に鍵を渡して欲しいのです」という内容でした。僕としては退去の連絡をしているにも関わらず、全く家主からの連絡がなくていつ退去出来るのか困っていたし、5月1日から住み始める人を既に募集しているのは朗報でした。同時に「今頃?!遅いだろう!」とも思いました。基本的に家主は、契約期間の空きを発生させないようにするため、早めに次の契約者を探すものです。僕は1月の時点で解約告知を出しており、内覧希望者がいる場合は日にちを指定してくれれば対応すると伝えておりました。僕は1日でも早く退去したいと何度も家主に連絡済みだし、こんな4月の後半の間際に内覧対応は面倒なので「23日ですね?あなたに鍵を渡してしまうので、ではその日を僕の最終退去日とさせてください」と話し、退去日のスケジュールがまとまりました。家賃ダブル払いもいつまで続くのか不安でしたが、鍵を返してしまえばそれ以上は請求されないでしょうし、ようやく安心出来る瞬間が訪れたのでした。しかし、この代理人の男性は僕にとってなかなか厄介な人でした。

僕の家主のS氏は、以前水道の相談をした頃から意図的に僕の連絡を無視しているのだろうなと思える感じがしました。家主本人と少々電話で話すことが出来れば解決すると思われた内容もありました。しかし一貫して無視され続けたので、色々と過去の出来事も思い出されて、段々と怒りが湧いて来て、退去の日程が決まってからはまさに怒りの頂点に達してしまいました。家主には電話やメール、SMSなど可能な限り連絡をしまくり、ようやく返って来た家主からのメッセージには短く「退去に関する内容は全て代理人に相談を!」とのことだったので、代理人宛にメールで、これまでの経緯なども全て書いておきました。するとメールの返信はなかった代わりにすぐに電話があり「私はS氏とは古くからの友人で、今回は友人としてヴォランティアで引き受けたものだから、彼との間の法律的な争いなどについては私は一切責任を負わないし、私に言われても困る!」とのことでした。僕の家主S氏はフランクフルト在住の方で自分が対応出来ないから、ミュンヘン現地の不動産屋さんにでも業務依頼をされたのかなと思いきや、単なるご友人とのことでした。そして、代理人とのやり取りの中で「家主は多忙のためミュンヘンには来れない」ということは嘘で、僕のことを面倒な奴扱いし、やり取りをわざと避けているということが分かりました(爆)こんな誠実ではない人を相手に、しかも代理人を挟むことになるので、後々言った言わないの問題が発生してはいけないなと思ったので、相手が電話を掛けて伝えて来た内容は、僕からメールで要約を送るようにしていました。

鍵の返却の前日、一応僕は過去に不動産屋で働いたこともあり、事務的な作業については知識がある方です。メーターの数値や部屋の状況を記録する書類を用意しました。お互いに争いなく、スムーズに退去を行うために書類を準備し、相手方には「退去書類のご準備をお願い出来ますか?ちなみに私の方でもこのような書類を用意したので、もし内容に問題がなければこれを当日準備しておきますので、署名をお願いします」と家主及び代理人に事前にメールで告知をしておきました。

当日、代理人の男性は約束した時間からかなり遅刻して現れ、何事もなかったかのように内覧者の案内をしていました。正直、話したり行動を見るたびに非常にイライラしてしまう男性でした。僕とのやり取りを終えてから内覧者対応すれば良いのに、と思いましたが、家主が所有する同建物内の他の部屋のアテンドに行ってしまったりと、僕にとって無駄な時間がかなり発生しました。ここでケンカをするわけにも行かないので、かなり我慢しました。やっと戻って来たかと思ったら、すぐにアパート内の様子を写真や動画などで撮影し始め、まぁ問題なさそうだと記録した後にいきなり鍵を渡せと言われ鍵を渡すと、外に出て行こうとしました。僕が準備した書類を事前にメールを送ったが内容を確認してくれたか、ということと、こちらで予めプリントアウトしたものを見せると「そんなものにはサインしないよ!私は法的な問題に一切関わらないので!」と一方的に突っぱねて来ました。「え、あなた代理人では?」と言いましたが、何やら色々とゴネ始めたのでした。

僕の立場としては「それでは今日はあなたには鍵は渡せません!」と言うことも出来ました。しかし、ここで変に揉めて退去日が遅れるのも嫌だったのと、写真や動画はお互いに撮影するという話になったので、こちらも可能な限りの証拠となりそうな写真や動画、音声などを記録させてもらい、鍵を渡して完全退去する道を選びました。僕がしぶとく代理人にお願いしたのは「では用意した書類にサインをしてくれないならそれで構わないので、今日2026年4月23日に住居の状況を確認後、全ての鍵を受け取ったという旨のメールを書いて欲しいです」ということでした。その点についてはOKということでした。代理人は書類への署名は一切拒否!という感じでしたが、僕の要望は一応聞いてくれそうということで少し安心出来ました。

最後の最後に、玄関の電気が切れてしまい「破損かも?」と疑われました。「あれ、今朝まで点いたのに?!」と言い、あくまで破損ではなく消耗品のランプが切れただけであると強く主張しておきました。僕が住んでいた4年半、そういえば電球を一回も交換しませんでした。電球が寿命を迎えるにしても、あまりにもすごいタイミングで力尽きてくれたものでした(笑)単なる球切れなのにも関わらず、「玄関の電気機器破損の恐れあり」とマークされてしまうこととなったのでした。

僕はドイツ国内で何度も引越しをしましたが、今回はかつてない程雑な感じで退去をしました。人間的に信用出来ないオーナーとの契約終了の瞬間だったので、これまで以上にしっかりと細かいところも詰めておきたかったのですが、かなりいい加減な代理人によって全てこちらの計画を壊されました。代理人はドイツに何年暮らしていらっしゃる方なのかは知りませんが、「ドイツでは~」と色々と僕に謎の上から目線の口調で、正しくない情報を与えて来ました。最後に自己紹介を、ということで「僕は過去にドイツ国内で不動産業者として働いたこともあるし、仕事でもプライヴェートでもドイツに住む日本人の入居・退去を手伝って来たし、あなたよりきっと色々詳しいはずです!」と釘を刺しておきました。すると代理人からは「今後母国の日本でも頑張ってね!成功を祈っています!」と意味不明な別れを告げられ、その日の全てのやり取りが終了しました(爆)今後何も大きな問題が起こらないこと、無事に保証金が返却されることをただただ祈るばかりです。

本日アパートを引き払った後、勤め先の主催のパーティーに参加しました。このタイミングで他都市の他拠点に異動するスタッフがいたので、そのスタッフのお別れ会も兼ねていました。僕が遅れてパーティーに参加したところで、同僚たちと「引越し」をテーマに色々と話し合うことになりました。

普段から仲が良い同僚たちにはアパートの話は色々しておりましたが、僕の身に「つい先程」起こった内容を話すと、同僚たち全員から「あり得ない!」と呆れられました。特にドイツ人の同僚たちからは「書類の準備もしない、サインもしてくれない代理人なんて無効だろう!鍵渡さずにすぐ帰すべきだったな!」「そもそも家主がかなりいい加減で信頼出来ない奴だな!こちらもそれなりの対応してやれば良かったのに!」と強い口調で言われましたが、僕としてはそのアパートを1日でも早くさっさと出たかったのと、署名の代わりにメールをくれるという約束だったので、それで承諾しました。実際、英文ですぐにメールを送ってくれたので、これで僕は正式に当該アパートを退去した客観的事実が出来ました。それで僕は満足だと言うと、同僚たちからは「それは通常の方法ではないし、納得行かない!話を聞いていて色々あり得ないと思った!」と何故か同僚たちがかなりお怒りのようで、その後他の同僚たちの過去に経験した「退去時のトラブル」「家主とのトラブル」をテーマに色々と議論が白熱したのでした。

同僚たちからは色々と言われましたけれど、そして僕自身も思うことはありましたけれど、ついに退去をしました。これで晴れて二重拠点生活が終わり、アパート家賃の二重払いも終了です!敷金(Kaution)の返却や、最後の共益費の清算等はどのみちしばらく時間が掛かるものです。なのでまずは、本日ようやく離れたかったアパートを退去出来たことを純粋に喜ぶことにしました。

同僚たちがやたらと白熱議論をしている横で、僕は「これから新しいアパートでの生活が始まる!」と、今後のことが楽しみで、非常に心が躍る気がしたのでした。


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