【D】ドイツ語・因果関係の副文と名詞化

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名詞化(Nominalisierung)は、C1レヴェルのクラスのある意味「目玉」です。今回は、名詞化のうち「因果関係文(Kausalsätze)の名詞化」について書きます。

まず、因果関係文(Kausalsatz)とは、その名の通り因果関係を表す文章で「~だから~である」という理由であったり根拠を述べる文章を言います。ドイツ語では従属接続詞のweilであったりda、zumal等が使われ、副文で表されることが多いものです。

Weil es regnet, bleibe ich zu Hause.

雨が降っているので、家にいる。

という場合の、Weil es regnetの部分が副文になっているものを名詞化し、1文にまとめます。

Wegen des Regens bleibe ich zu Hause.

wegenやaufgrund(ともに2格接続)を使って因果関係・理由を表す部分を名詞化をすることにより、1文にスッキリとまとめることが出来ます。名詞化を多用することにより、非常に複雑な長い文章になってしまうこともありますが、副文がいくつも重なった文章だと非常に読み辛いものがあります。今回のような因果関係を表す部分は、割とシンプルにまとまることが多いです。文章を読む際も、自分自身が文章を書く際も楽になるので、是非覚えて身に付けておきたいテクニックです。

wegenや、aufgrundで書き換えるのが一般的ですが、文脈によってヴァリエーションがいくつも存在しますし、テスト対策に覚えておいた方が良いものがあります。

☆☆☆覚えておきたい表現☆☆☆

  • wegen
  • aufgrund/auf Grund
  • dank ~のお陰で(皮肉を込めて悪い意味でも使用可)
  • mangels ~の欠如により
  • vor
  • aus

vorとausについては、感情であったり現象によって生じる因果関係を表す際に利用出来ます。2つの利用方法の違いは、自分の意思でコントロール出来るものと出来ないもの、として区別されます。

vor Wut errötten

怒りで顔など肌が赤くなる…というのは、血圧が上がって生じる体の現象で、「自らの意思でコントロール不能なもの」として、vor~で表現されます。

Sie konnte vor Sorge nicht einschlafen.

彼女は心配で眠れなかった。

心理的な要因、生理的現象を表すような場合は、「自然と当然そうなってしまうこと」としてvorで表現します。

一方ausは、「自らの意思でコントロール可能なもの」を表現する際に用いられます。

Aus Liebe zur Musik studierte er Klavier.

彼は音楽が好きでピアノを専攻した。

Aus Liebe zu…の表現は非常に使える表現です。

vorなのかausなのか、どちらを使うべきか迷った際は、動詞がヒントになる場合があります。身体の反射的な反応であったり、生理現象はvorが使われます。

  • Vor Angst zitterte er.
  • Aus Angst sagte er nichts.

授業中に先生の説明でちょっと納得が行かなかったのは、子供が遊びで上手く行かなくて泣くという行為について「感情でコントロール不能なもの」扱いされたことでした。赤ちゃんが泣くという行為なら分かりますが、何歳かも言及されていない子供についてでしたし、文脈から「vorなのかausなのか」とクラスメイトでも意見が割れ、結局両方どちらでも正解となりました。

行為者、シチュエーションによって、使い方に注意が必要なようです。

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