先日受験した試験結果が出ました。何と無事に1次試験(筆記試験)は合格しており、口述試験に駒を進めることになりました。が、僕は盛大にやらかしました。今回は、口述試験の大事故について書きます。
今回僕がDSH試験を受験している、そして集中コース(Stufe6/C1-2レヴェル)でお世話になった、ミュンヘン大学(LMU)及びミュンヘン工科大学(TUM)提携の語学学校は、DSHの試験結果はオンラインで発表されます。前回の受験時もそうでしたし、毎度のパターンのようなのですが、筆記試験が木曜日やら金曜日に行われ、週が明けてからオンライン上で22時頃に結果発表、その翌日の朝の8時半から口述試験の申込及び実施、その翌日には最終合格発表という流れです。夜遅くに試験結果が発表で、しかもその翌日の早い時間帯に口述試験の申込開始って、緊張しがちの人にとっては大変な流れです。案の定口述試験の受験者たちは、せっかく筆記試験に合格しても喜ぶ暇もあまりなく、緊張して眠れなかったという人が多数のようでした。僕は仕事で夜勤がちょうどない日で、しっかり寝ました。今回は僕にとって、夜落ち着けるラッキーなことがあったのでした。
実は昨日、仲良しのクラスメイトが授業終わりに号泣してしまって、その後「一緒にご飯行かない?」と誘われ、一緒にご飯を食べたり、その後「カフェはしご」して結構長い時間を一緒に過ごしました。「ごめんね、あなたの時間をこんなに取ってしまって!でも今は不安で…1人になりたくない!」と、かなり自分を追い込んでしまっているようでしたが、ありがたいことに僕との雑談、主に僕自身の人生のくだらない話で割と笑ってくれ、元気を取り戻してくれたような気がしました。
「あぁ、筆記試験の結果も夜に発表って嫌だよね!何でそんな遅い時間なんだろう!待ちきれないわ!」と、試験合格者発表のページをスマートフォンで開いてスタンバイしていました。僕はその気持ちはとても分かりますし、以前受験した経験があったので「22時ってアナウンスがあるけれど、他のクラスメイトたちにも聞いたところ大体ちょっと遅れるらしいよ。僕の前回は22時15分とかそんな感じだったよ」などと話していました。落ち着かないクラスメイトは、僕と雑談をしながらも何度もページの更新ボタンを押しまくっていました。「そんな、まだまだやってば!」「分かってる、けど落ち着かなくてさ!」とか笑って冗談を言い合っていると、クラスメイトが突然ある瞬間叫び始めました。
「え、嘘っ⁈ちょっと!更新されたわ!」
夕方のカフェ内でなんと、僕ら2人は既に試験結果を見てしまったのでした。お互いの受験番号を見合い、ご近所迷惑確定な大声で叫んでしまったのでした。そして、1次試験を無事に通過出来たので、その後別のカフェにまた移動、クリスマスマーケットの屋台でグリューヴァインを飲んだりして楽しみました。そんなわけで、極端に緊張しがちな僕とクラスメイトは穏やかな夜を過ごせたというわけでした。
本日朝8時半、受付に出向き口述試験の申込をしました。語学学校に直接行くか、電話で申し込むように言われているのですが、僕は語学学校事務所に直接出向き、予約をさっさと取って昨日の先生のアドヴァイス通り、授業に参加する予定でした。先生に試験前に最後に特訓して頂いて、自分の中で完璧な状態にする!…という心づもりでした。
僕は張り切ってオフィスに1番乗りに行ってしまった人みたいな感じになり、受付の方から「あなた1番最初ね!試験は今から20分後に開始です!」と言われてしまったのでした。そして、僕の次にいた人は2番、3番、4番という感じで割り振られていました。
「あの、午後が良いんですけど!」と言っても無駄で、応じて貰えませんでした。そういえば以前のクラスメイトが、語学学校から結構離れた街に住んでいて、朝電話で午後の予約を取ったなどという話をしていたことを思い出したのでした。口述試験の申込開始時間の20分後には試験が開始されるし、確かに語学学校の事務所で直接予約をしに来た、既にその建物にいる受験者から順に順番を割り振った方が良いに決まっています。1番バッターであることが告げられ、一気に緊張感が高まったのでした。
僕が受付をし終えたくらいにやって来た仲が良いクラスメイトは、まさに並んでいた順くらい5~6番目くらいの予約時間でした。
予約を取り終えてロビーで集合・待機していた人たちみんながお互いに「何時から?」と聞き合い、僕が1番バッターであることが分かると結構茶化して来ました。「1番って良いらしいよ!頑張れー!」と言われましたが、僕は授業内で1回練習するつもりだったので、1番が良いとか言った人たち代わってくれ!と言いたかったです(笑)試験のアシスタントさんに名前を呼ばれ、別室にて課題が渡されました。
口述試験の内容は、自分が今後大学で勉強したい内容に関連したテーマの文章(A4サイズ)が渡されます。その内容を10分間で要約、発表します。テキストは時間終了後に回収されてしまいますし、テスト中は読めなくなります。小さなメモ用紙が最初に渡されるので、大事なポイントをそこにメモします。そのメモは試験中に見ることが許されるので、メモをきれいに取ることも重要です。
時間となり、課題のテキストが渡されました。タイトルと第1段落を見た瞬間に、これはもろた!と思える感じの内容でした。が、2段落目以降、意味不明な単語や表現が並び、正直どう理解して良いのか分からない内容が続き、一気に緊張してしまいました。そして、独独辞典の使用が許可されているので、気になった単語を調べたところ、さらに不安になってしまう記述で余計に焦ってしまったのでした。これは後から解ったことなのですが、僕は「とある単語」を全く違う間違えた意味に捉えていた、というか本来の意味を知らないで間違えて認識していました。そのせいで、文章の意味が繋がらなさ過ぎてとにかく焦ってしまったのでした。
「準備時間10分間、本当にありましたか?」と言うくらい時間があっという間に過ぎていました。実は、気付かぬところで暗黙の「1番バッター特典」がありました。朝の準備が割とバタバタしているようで、ちょっとおまけで10分少々時間を取ってくださっているようでした。僕が無駄に焦っていたせいで、そのおまけに気付けなかったのですが、落ち着いて取り組めるテキストだったとしたら、気持ちの面ではかなり違ったかもしれません。
試験官として僕を準備部屋から迎えに来てくださった先生は、語学学校内でとても優しい、素敵な先生と有名な人のようでした。僕がその先生に試験会場の別室に連れられてるところを見て、他のテスト順番待ちの生徒たちが「大丈夫、この先生めっちゃ優しいから!やったな!もう合格確定!」などと言って来たのでした。僕はその先生に直接授業でお世話になったことはありませんでしたが、顔見知りの方ではありました。僕と仲良しのクラスメイトと授業が終わった後に、試験対策の居残り勉強をしている時に、何度も教室にひょっこり顔を出され「え、居残り勉強?すごいねぇ!」みたいな感じで何度も声を掛けてくださったので知っていました。試験前に僕の顔を見たときに「君、いつも私の授業が始まる直前まであの教室に残って勉強していたよね!」と声を掛けてくださり「大丈夫大丈夫、リラックスしてね!」と言ってくださり、緊張が一瞬ほぐれました。が、口述試験の試験官は2名です。教室に待っていたもう1人の試験官は、威圧的な雰囲気のあるマダムでした。僕の記憶が正しければ…以前の記念受験で玉砕した際の怖過ぎた試験官のうちの1人でした。
口述試験では、最初にウォーミングアップがてら自己紹介やら簡単なやりとりがあるのが一般的です。一応今回の僕にもその機会は与えられましたが、結構緊張感が走るピリピリした雰囲気であった上に、割と鋭い質問が飛んで来てしまったりして、全然リラックスになりませんでした。
いきなり「さぁ、テキストの要約をしてください!」と言われ、始めようと思ったのですが、自分の中で意味不明な単語、時間内に調べ切れなった単語、文章の意味が繋がらないと思っていた箇所が気になり、黙りこくってしまいました。DSHの口述試験で最もやってはいけないことは「黙ってシーーーンとなってしまう時間」を作ってしまうことです。そして、試験官に話し掛けられるまで一定の時間黙ってしまうこともかなりネガティヴに評価されます。とにかくリアクションを取ること、分からないなら分かりませんと発言するなり、黙りっぱなしがいけないのです。僕は俯いて沈黙を何度もやってしまい、しまいには威圧的な雰囲気がするマダムな試験官から「テキストの要約はもう止め!私たちがこれからする質問だけに答えてください!」と、強制終了されてしまったのでした。質問の答えに詰まり、緊張感からメモの方を見たら「今のこの問いに、あなたのそのメモ関係ないわよね?その紙から目を離して!」とまで言われました。もうこの時点で「合格はないわぁ!」と思ってしまったのでした。
質問の内容はテキストの内容に関係があるような、あまりないような、とても簡単な内容でした。C1レヴェルの試験では割と一般的な「あなたの国ではどうですか?」とか「ドイツではどう?もしくはあなたが想像するにドイツではどうだと思いますか?」「ドイツと比較してどうですか?」というような質問にある程度何でも答えられるようにしておけばカヴァー出来そうです。
ある程度問題なく答えらる質問が来たのですが、極限な緊張状態で僕はさらに色々やらかしてしまったのでした。それは、C1レヴェルの試験では絶対にやってはいけないミスです。
- 同じ単語・言い回しを何度も繰り返し使用すること
- 単文のみで回答すること
- 接続詞がほぼundのみを使用すること
- 課題のキーワードとなる単語の名詞の性を間違えること
試験が終了し、口述試験が行われた部屋を出た瞬間に色々と自分がやらかしたミスに気づいたり、「違う言い方をすれば良かった!」と様々な語彙表現が浮かんだのでした。
ObwohlとかWennとかEinerseits…Andererseits、Nicht nur…sondern…、Je…,desto…など、散々「ポイントアップが狙えそうなネタ」はたくさんあったはずなのに、全てその機会を逃したのでした。これ見よがしにFunktionsverbgefügeも使いまくれば良かったです。緊張から解けた瞬間、アイディアが出るわ出るわ!自分がやらかしたミスにもすぐに気付けました。でも試験終了後ですし、時既に遅し!
気分はかなり落ち込みました。頭を抱えながら、授業に参加するために教室を訪れました。
クラスメイト達は討論の課題中で、何やら楽しそうな雰囲気でした。1人だけお通夜のような雰囲気の僕が教室に入り、先生から「試験の予約はいつ?何時?」と聞かれ、「もう試験は終わりました。昨日より酷い状態で、確実に落ちたと思います!」と告げて、先生やクラスメイトたちを驚かせてしまいました。
現在お世話になっている語学学校のクラス、クラスメイトたちは、結構雰囲気が良くて僕は大好きなのですが、どうしても好きになれない人が1人だけいます。彼女は、明らかに普段から僕のこと、主に年齢のことや、ドイツ在住歴がこのクラス内で最も長いくせにやら色々攻撃的な発言をして来ます。僕が誤回答した際には、意地悪なことを言ったり、やたらマウントを取ろうとしたり、とにかく馬鹿にする発言ばかりするのです。朝駅やら学校で出会っても僕にだけは挨拶もろくにしないのに、試験が終わって落ち込んでいる雰囲気の僕に色々質問を投げ掛けて来たのが嫌でたまりませんでした。ちなみにその僕が苦手だと思っている女の子は、今回DSH受験をしていません。DSH受験もしていないし、今後も受ける予定もない彼女が僕に色々質問して来たのは、とにかく僕をイジリたかったんだろうなとしか思えませんでした。普段こういうタイプの人間は気にしないように心掛けていますが、落ち込んでいるときに攻め込まれると正直しんどいものです。何とも言えない疲労感に襲われました。
一方、口述試験の午後の予約が取れているクラスメイトたちは、僕自身の反省点をメモに取っては「私たちもその点には気を付ける!とても勉強になったわ!ありがとう!」と前向きに言ってくれましたので、何だか心が救われた気がしました。
先生からは「あなた、授業中はとても流暢に話すのに…信じられません。ちなみに試験官は誰だったの?」と言われました。僕は試験官だった先生の名前は分からなかったので、特徴と僕が感じた印象だけ言いました。「1人は確実に分かったけど、もう1人…威圧的な怖い雰囲気の女性??優しい雰囲気の人ばかりでそんな同僚なんていないわよ!(笑)」と言われてしまったのでした。僕の感じ方の問題でしょうか、2回も口述試験でお世話になりましたが、あの空気感は慣れる気がしません。例えるならば、企業の入社面接の「圧迫面接」の雰囲気です。特に笑顔もなく、ただ上目遣いで睨んできて、鋭い質問をしながら手元のメモ紙にサラサラ何かを書いている…という状況をご想像ください。とにかく緊張感が凄過ぎて、僕の悪い面がかなり出てしまった口述試験でした。
試験官は、語学学校の先生のみで構成されているので、長くこの語学学校で勉強した生徒にとっては「顔見知り」が増え、その点は有利かもしれません。前回の受験時もそうでしたが、「口述試験の試験官が前のクラスでお世話になった先生だったし緊張しなかった!」という声は多く聞きました。
今回の口述試験は明らかに受かった気がしないし、また来月から始まるコースを申し込もうと思いました。そして年明け直ぐに再チャレンジ!と心に誓いました。
ところで、僕が唯一クラスメイトで苦手とする女の子が面白いことを教えてくれました。「まぁあなたの口述試験、受かってるんじゃないの?先生から聞いたけど、筆記試験の点数が良かったら、口述試験で失敗したとしても底上げの点数があるらしいし!」と。そんな制度が…あるのでしょうか⁈都市伝説的な話ですが、DSHは総合得点評価ですし、もしかしたら奇跡が起こったりするかも?しかし、今日の口述試験の出来が酷過ぎたので、あまり期待はせずに結果を待ちます。
最終結果発表は、いよいよ明日です。今回は、DSH2回目の受験にて、一応筆記試験で結果を残すことが出来ました。まずは自分に「今回はお疲れ様でした!前回よりもスコアは良くなったし、次また頑張ろう!」と言い聞かせました。
新年早々また集中コースに申し込もうかと思いましたが、銀行口座を見てさらに気分が落ち込みました(爆)お給料日が待ち遠しいものです。