【D】DSH聞き取り試験対策~メモの取り方編~

Lernen

試験の日が近づいて参りました!

今回は、DSH試験聞き取り(Hören)試験対策について書きます。とりわけ、メモの取り方について紹介致します。僕はこれまで数多くの語学学校、先生たちにお世話になりました。自分の経験も踏まえ、当記事をご覧くださった方に少しでも役立つよう、まとめます。

まず、聞き取り試験の問題形式は、DSH試験が実施されている大学により異なります。当記事をご覧の方で、今後どこかでDSH試験を受けられるご予定の方は、まず必ずご自身が受けられるDSH試験の問題形式をご確認なさることを推奨致します。問題形式に関する情報や過去問は、その大学や提携語学学校HPであったり、DSH対策コース等の授業に参加することで手に入ります。僕の場合は、ミュンヘンでの受験ですので、下記に紹介する形式と、実際受けられる試験と異なる場合があることのみ、ご了承ください。

まずこれはドイツ国内共通事項なのですが、DSH試験の聞き取り試験は、他の語学資格試験と大きく異なる点があります。それは、CDやらテープなどの音源を聞き取るのではなく、試験官が実際に読み上げる声を聞き取るという点です。授業、講義を受けているような感覚の聞き取り試験なのです。途中書き取り用の小休止(15分程度)を挟み、計2回音読されます。当日当たる試験官の声が通りやすいかどうか、発音がしっかり分かりやすい方なのか、という点については運ですが、音源を聞き取るタイプの試験よりも、実際に目の前にいる人が音読してくださる試験の方が、抑揚が付いていたり、答えの部分となる部分を強調してゆっくり読んでくださったりということもあり、比較的易しいかと思われます。試験の部屋の周辺がやかましくなった場合なども、臨機応変にご対応頂けます。

ミュンヘンでのDSH聞き取り問題の形式は、小問題が概ね7~8問と、Textweitergabe(Zusammenfassung)の課題があります。Textweitergabe(Zusammenfassung)とは、要約で、テキストの内容を一切知らない人に内容を話すとすれば、どのように伝えるのかの内容をまとめる課題です。「なるべく正確に」「より多くの情報というよりも、しっかり要点をまとめて」伝えることが重要視されます。問題により、そしてテキストの長さにより異なりますが、概ねポイントは12~13程度押さえられればあまり問題はありません。文章でストーリーを書くような感じではなく、箇条書きのような答え方で問題ありませんし、意味が合っていれば聞こえてきた単語や表現をそのまま使用する必要はありません。

では実際に有効な、メモの取り方について書きます。メモは、試験日当日に渡される指定の紙上で行われる必要があります。それ以外の紙、ノート等の持ち込み、使用、持ち帰りは認められません。メモ用の紙はA4サイズのものが5枚ホッチキス止めされたものが渡され、1人その1冊のみ使用可能です。

まず最初の手順として、これは多くの語学学校の先生がアドヴァイスなさることでしょう。メモ紙に問題の番号を振ることです。そして、対応する番号の場所にメモをしていきます。紙が配られたら、まず問題の番号を記入…と、その前に僕から1点付け加えです!問題によって、単語一言で答えられそうな箇所、年号の数字やら聞く前から何となく予想が出来そうな単語など、短い言葉を答えるのみというような問題箇所があったりします。そういう簡単な問題の箇所に多くのメモスペースは必要ありません。まず問題文の設問をさっと読むことから始めることを推奨します。質問の内容が、「どのように」であったり、説明を求められるような、元々解答用紙にもそれなりのスペースが取られている問題、配点が高めな問題は、その問題の箇所は広めにスペースを取るようにして、白紙に番号を振って行きます。メモ用紙が配られてすぐに番号を等間隔に振っていくのは、後にカオスになりがちなのであまりよろしくありません。

先生からのアドヴァイスで、僕がとても素晴らしいと思ったのは、下記の2点です。

まず1点目は、人名や、何度も出てくる単語はイニシャルなどの略語、記号を設定しておくことです。問題文を読みながら、多分こういう単語が聞こえてくるはず、と予想します。まるで速記のメモをするような要領で、単語を素直に聞こえたものを書き写すのではなく、自分の中で簡略化していくのです。1回目に聞いて聞き逃した箇所で答えのなんとなくなイメージが出来たら、2回目で挽回します。

記号や略語は、男性と女性の比較の話だとすると、男性マーク♂や女性マーク♀を使用したり、人は棒人間マーク、量が増加した場合は↑、減少した場合は↓、変化がない場合は→、否定的な表現は×と書くなど、とにかくメモ紙に書く文字量を減らします。結構長い単語や言い回しを殴り書きしていると、後から自分の文字が読めないということが頻繁に起こるので、記号や略語を使ってスッキリさせておくと、試験中に緊張したとしても、後からスムーズに記憶を呼び起こしやすくなります。また、動詞や形容詞、長い名詞は、最初の数文字だけで全部は書かない、自分だけが分かる記号を駆使して、ひたすらメモをして行きます。

例: Gesundheit/gesund→Gesund/gesun

※語尾のheitはメモに書かなくてもあとから想像出来るので省略。何度も出てくる単語の場合は、2回目以降はもっと略した語にするのもアリ!

ただ、これは慣れるまでに時間が掛かるかもしれません。実際、僕自身もかなり時間を要しました。とにかく問題を解きまくり、概ね「試験で出て来がちな単語」の予測が付くようになってきたら、自分自身のヴァリエーションも増えていると思われるので、後に楽になって来ます。初めてこの方法を先生に教わり「ちなみに、これが私のメモです」と紹介を受けた際、暗号のような感じで意味が分かりませんでしたし、衝撃的でした。あくまで先生のやり方はそうでした、というだけで、自分なりにイメージしやすい略語や記号を駆使し、「早メモ」を取れるように試験までに準備しておくと良さそうです。

尚、メモ用紙は試験終了時に回収されますが、「別に試験官はあなたたちのメモの内容に興味はないし、採点対象でもありませんので、別にドイツ語でなくともあなたたちの母国語で書いたメモでも構いません。むしろ母国語で書いた方があなたたちにとって楽ならばそうすべき!」というアドヴァイスを頂きました。先生曰く、中国人たちはやたら中国語でメモしているようです。漢字って大変ではないだろうか、と思われますが、中国人たちは圧倒的に漢字メモなのだそうです。

ちなみに、僕は先日Labyrinthという単語のスペルをすぐに書けず、ひらがなで「らびりんす」と書きました。DSH受験では辞書の持ち込みが許可されているので、余った時間で調べ直すことも可能です。その他、試験中に初めて聞く自分が知らない単語で、答えに関連しそうな場合も、聞こえた音をそのままひらがなやカタカナで走り書きしておくと良さそうです。

また、紙に番号を振る他に、紙を縦にも折っておいて1回目と2回目で聞いた情報を書き分けるという方法も有効です。例えば、1回目で聞けた内容は紙の折り目の左、2回目で聞き取れた内容は右に記載、1回目の内容を補うようにする方法です。1回目に聞き逃してしまったような内容でも、2回目には落ち着いて聞き取れることがあるので、1回目のメモが既に解読不能になっている場合は、きれいな字で書き直しておくという作業も有効です。

1回目で重要な箇所を何となくでも全て聞き取れれば2回目は余裕ですが、そういった場合でも、1回目で何となく聞こえた「シグナル」を2回目では意識してしっかり集中して聞くことが大事です。

シグナルの典型例は、問いに「Bitte nennen Sie 3 Beispiele」とある場合に、「Zum Beispiel」やら「3Varianten」などの明らかに今からその問いの部分に入りますよ、という導入の表現が聞こえた際です。そのような言葉が聞こえてきた場合は、その設問の箇所の音読が始まる合図(シグナル)なので、集中して取り組みます。

また、

  • nicht… sondern
  • nicht nur… sondern auch
  • weder… noch
  • wenn…,
  • nicht, kein、ohneなどが同じ文章内に2度出てくる「二重否定表現」
  • 動詞に否定的な意味が含まれるもの(ablehnen,absehen,vermeiden,widersprechenなど)
  • 形容詞/副詞に否定的な意味が含まれるもの(unklar,unsicherなど)

などの表現が聞こえた際も要注意です。特に否定表現の箇所は、設問で問われやすいのでこれらの表現の前後は特にしっかりと聞き取り、メモを残しておくようにすると良さそうです。

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