【D】働きやすい職場とは

長期休暇中の同僚が無事に戻って来てくれ、ようやく僕に心の平穏が訪れました。そして、気が付けば現在の職場で働き始めて3ヵ月が経過していました。今回は、現在の職場で働いて3ヵ月経過してのレヴュー及び「働きやすい職場」について書きます。

以前別の記事にて、僕の現在の契約状況と職場の環境について触れました。

僕は現在、とある会社に勤めるごく一般的な会社員をしていますが、少し変わったところがあるとすれば、2つの営業所に所属をしていることです。

営業所A(仮名):公共交通機関でのアクセス良好、人間関係良好(10年以上の勤続者多数)、仕事内容はシンプル

営業所B(仮名):公共交通機関でのアクセス微妙、人間関係険悪、仕事内容は複雑、意味不明で余分な業務多め

8月後半からしばらく、上記で言うところの「営業所B(仮名)」での夜勤をしておりました。何と、いい歳したオッサンになってから、夜勤9連勤→1日休み→夜勤10連勤というシフトをこなすことになるなんて思いもしませんでした。結構体力的にしんどい部分はありましたが、どうにかやり切ることが出来、結構な達成感に満たされていますが、二度とやりたくないシフトかもしれません(笑)

しかも、体力だけではなくて気力の面でも参ってしまう営業所B(仮名)のみでの勤務だったので、無事に勤務を終えた瞬間は、晴れ晴れとした気分でダッシュで帰宅しました。

そういえばお恥ずかしい話なのですが、僕は営業所B(仮名)ではいじめを受けていました。この件は、別の記事でも少々触れていますが、本来別のチームで別の業務を行うスタッフからの嫌がらせです。僕に嫌がらせをしてくるのは2名、男性スタッフA、女性スタッフBです。(※彼らのイニシャルが偶然にもAとBなので、このままAとBと表記します)

以前のひと悶着があった後、Bがどうやら色々なスタッフに向けて僕の悪口を言いまくっているという噂が回って来ました。複数のスタッフが僕にそれを伝えて来ていたのですが、1つ問題がありました。それは、Bのドイツ語レヴェルがかなり未熟で、何を言っているのか分からないということでした。僕は直接彼女と話した際に「なんとなくこういうことを言いたいのかな」と想像することは出来たのですが、独特なアクセントに加え、ところどころ意味が分からないことを言ってくる印象がありました。また、こちらが言っていることを70%も理解してくれているか微妙という印象を持ちました。

Bがあるとき僕がいる近くで、他のスタッフに大きな声で何やら言っているのを聞いたので、こちらも対抗して「彼女何か僕のことを言っていたようだけど、何て?」と聞いてみると、同僚が「Nachtdienstが何やらって言っていたけど、意味が分からなかったよ」と言いました。彼女は僕のことを名前で呼んでくれず、さらに覚える気もないのかと思われますが、Nachtdienst(夜勤)と言います。夜勤全般のことを言っているのではなく、僕の代名詞として使っていることは、既に周知の事実でした。Nachtdienstという単語は聞き取れましたが、何を言っているのかは本当に意味が分かりませんでした。そんな話をしていると、明らかに怒った感じで「上司に相談する!」と言ってその場を去って行きました。その後会うたびに、彼女は僕にだけ挨拶すらもせず、完全に無視をするようになりました。

一方のAは、非常に攻撃的で「そんなん僕に言われても知らんがな!」ということも含め、何に対してでも僕に文句を言いに来ました。Aはドイツ語能力の面ではBとはかなりの差がありますが、ところどころ意味不明、論理的ではないことを言うのが特徴です。「~だから~である」という構文をよく使いがちなのですが、聞いていて「え?どうしてそういう話の流れになるの?」ということが多い、いわゆる「1+1=2ではない人タイプ」なのです。とにかく僕に文句が言いたいだけ、攻撃して傷つけたいだけみたいな物言いで、それ以外の僕に話し掛けて来る理由が見当たりません。終いには、僕のことを「ドイツ語が理解出来ない奴」と罵って来ました。

某有名メンタリスト様の動画を拝見している限り、Aは「サイコパス」やら「ダークトライアド」の特徴を見事に備えた人物像と言えそうです。時々遠くから僕をニヤニヤした表情で見つめて来る様子は、ホラー映画のワンシーンのようで非常に恐ろしいです。僕がパソコン画面を見ていて、ふと視線を感じる方に目をやると、Aが目をガッと見開きゆらゆらしながら僕を見つめていたりするのです。訳の分からないことをいきなり力強い声で怒鳴ってくることもありました。あまりにも憎悪に満ちた表情で僕を見て来ることが多いので、最初は恐怖でしかありませんでしたが、だんだんこちらも「そんなに恨まれる覚えはない!」と腹が立つようになり、気持ちを切り替えることにしました。

ある時、とある同僚から、AとBが僕がクビになるように画策する動きがあると聞きました。僕がどんなに酷い奴かをまとめた動画を撮影するとの話も聞きました。僕は試用期間(Probezeit)中ということもあり、クビになるリスクは十分にあります。ドイツの試用期間中の労働契約の解約は、雇用主、被雇用側の双方に認められた権利です。契約の解約時の理由については不問です。つまり、僕の上司が仮に僕のことを誤解して「あなたを解雇します!」と宣言されてしまうと、それを覆すことは基本的には出来ません。僕は以前デュッセルドルフで働いていた際、当時の同僚だった日本人女性スタッフたちからいじめられた際、彼女たちの嘘のせいで不当解雇を経験しました。今改めて振り返ってみた結果、あの会社は去って正解だったと思いますが、今の会社はまだ辞めたくはありませんし、こんなAとBに解雇に追いやられるのは許容出来ないなので、彼らに「プレゼン負け」するわけにはいきません。

何やら動画を撮影するとのことだったので、例えば言い争っている僕のセリフを撮影されていて、都合良く編集などされたらたまったもんではありません。Aに聞き捨てならないことを言われた際はこれまでは言い返していたのですが、ぐっと堪えて何も言い返さないようにすることにしました。Aに何を言われても「Alles klar」か「OK」、どうしても受け入れがたいことを言われた際や僕の気分がすぐれない際は、ドイツ人たちがよく言う「んっん~♪(否定する際のキャッチーな言い方)」や、完全無視を決め込みました。僕は夜勤で上司と直接会うこと、話すこともないけれども、彼らは上司とは常に勤務時間が被っていますし、僕が対抗出来る方法は、メールとアポイントを取って直接話すことでした。

僕は最初にメールで、軽く営業所B(仮名)での様子について、そして直接会って話したい旨のメールを書きました。上司からは返事がありませんでした。

ドイツでは「Keine Antwort ist auch eine Antwort.(返事をしないということも返事の1つである)」ということわざがあります。つまり、犬も食わないようなくだらないケンカとでも思われたのか、実はAとBも散々僕の悪口を言っているから「あーやれやれ」とでも思われたのかと色々と想像を巡らせました。

そこで、営業所A(仮名)の上司やら同僚にも色々と相談をしてみました。皆からは笑われ、さらに衝撃的な事実を告げられました。

「まず、君はクビにはならないよ。夜勤スタッフなんてこちらが募集掛けてもなかなか来ないし、人材派遣会社を利用してもすぐ人が入れ替わってしまったり、業務上の問題が多数。人の確保がとにかく難しい!やっと夜勤を専属でやってくれる人が現れたし、安心していたところだ。さらに君は2つの場所で働いてくれていて、自身の仕事をきちんとこなしていて、誰も君の仕事に文句がある人はいない…AとB以外はね!」

嬉しいことに、営業所A(仮名)の皆、そして営業所B(仮名)の上司も僕のことを結構高く評価してくれているということが分かりました。

さらに衝撃的なことに、僕の敵勢力の素性が明らかになりました。Bは僕より少し前に入社しただけでまだ試用期間中であることや、Aは実は以前営業所A(仮名)で働いていたが、あまりにも問題が多いので、人が辞めまくって常に人数不足な営業所B(仮名)に異動させられた、ということでした。Aが人間的に、性格的に問題があるタイプの人であることも周知の事実のようでした。これはもう反撃を開始するしかない!ということで、上司から以前のメールの返信がないまま追撃メールを打つことにしたのでした。

追撃メールを書いてからさらに数日が経過し、ようやく上司から1通、携帯電話のショートメッセージに返信が来ました。取り敢えず対応してくださるとのことだったので、経過を見ることにしました。

まずすぐに分かった大きな変化は、朝スタッフの出勤時間が30分早まったことでした。僕とはチームも業務も異なるので、彼らが30分早く出社するから僕が30分早く帰宅出来る…ということではないのですが、どうやら彼らが「私たちに時間がないから、夜勤スタッフが私たちを手伝うべき」という主張をされていたところが仇となって、彼らの出勤時間そのものが早まったようでした。また、僕をクビに追い込むために他のスタッフたちに悪口を言いまくっていることや、さらによくは分からないが動画を撮影しているらしいという点が上司の逆鱗に触れたようでした。

以前Bからは「私はミュンヘン市からかなり離れた場所に住んでいて、朝この場所に出社するのが大変だ。だからお前が私を手伝わなければならない!」と言われていたので、上司へのメールにはその点も触れて指摘しておきました。Bが僕にアグレッシヴに喚き散らさなければ、僕はきっと自分の業務の手すきの際には、自ら進んでお手伝いくらいはしていたのですが、もう僕から彼女を自主的に手伝うことはありません。以前よりも30分出社時間が早くなってしまったのは「ざまぁ」でございます。

Aは僕の上長でもないくせに、そもそも業務が違うチームであるにも関わらず、やたら僕に向かって命令をして来たり、僕の契約書の内容を確認しろだとか言っていたのが、改めて上司から「人によって契約書の内容は違うし、そもそもあなたが主張している内容は、過去に疫病流行時に人数が本当に足りなくて全員で協力体制を引かなければならなかったときの臨時ルールです。今はあなたのチームには一緒に働くスタッフがいるし、状況が大きく違いますね」と説明を受けたそうでした。僕も結構丁寧に何度も何度も説明したのですが、上長から改めてご説明を頂いたことで、彼らはこれ以上僕へのいじめは出来なくなった…はずでした。

Aは、自分たちの業務を僕に押し付けることが出来なくなったことは諦めてくれたが、今度は僕の仕事への細かい指摘や嫌味を言うようになったのでした。明らかに彼らの業務に関係ないのに、僕が困った表情をしたり、他の同僚に相談をしていたらそれを聞き逃さずに「Problem?」とニヤニヤしながら聞いてくるのでした。意味もなく「上司に報告だー!」などとも言うようになり、とにかく僕が何か困っている場面を見逃さないように注視していたのかと思われます。

営業所B(仮名)は、前から人間関係があまり良くないだとか、長く勤めているスタッフがいないと言われていました。先月には実際、比較的長く勤めていたリーダー格のスタッフたちが一気に退職し、新しく入社したばかりだったスタッフも、入社後1ヵ月も経たない状況で退職してしまいました。せっかく僕にも後輩が出来た!と喜んだのも束の間、また会社での「一番新しいスタッフ」となってしまったのでした。そしてさらに別の人が入って来そうな様子もありません。営業所A(仮名)は、勤続年数が10年を超えるヴェテランスタッフ揃いで、チームワークも完璧です。営業所B(仮名)は、緊急事態に陥った際は営業所A(仮名)からヘルプを要請し、以前は数名が営業所B(仮名)でも勤務していたことがあったそうなのですが、現在は営業所A(仮名)の全スタッフが営業所B(仮名)での勤務を完全拒否しているとのことです。営業所B(仮名)って…何かある「曰く付きな場所」なのかもしれません。

営業所B(仮名)での慢性的な人不足が原因で、本来は経営側の事務仕事をするはずの上司も普通に現場仕事をしなければなりません。そして僕とシフト交代の際に出会うようになって、口頭で色々と話すことが出来ました。

上司から「その後談」として聞いた衝撃的だった内容は「Aはあなたとは一切ケンカをしたこともなければ、問題もない。Bとはいつもケンカしていて、Bも彼(僕のこと)の悪口ばかりを言い、そちらが問題なんだ!と。Aはあなたに別に嫌がらせをするという感じではないかもしれません」とのことでした。

驚くことに何と、AはBを売ったそうなのでした。事実とは随分違う感じだったので、否定をしておきました。上司は、Aが営業所A(仮名)から異動を命じた本人ですし、Aが原因で退職したスタッフがいるということ、Aがやや問題アリな人物であることは把握していらっしゃいます。

上司からは「またAやBとは改めて話します。契約上、あなたが彼らの業務をやらなければならないということはありません。もうその誤解は解けているはずなんですが、同僚として最低限のリスペクトを持って接することが出来るようにならないといけませんからね。あなたはいつも業務について気づいたことをすぐに報告してくれるので助かっています。私のメールの返事が遅いかもしれませんが、いつもきちんと見ていますからね。…ところで!次はいつ休暇取りますか?」

と、話の方向が一気に変わりました。

上司からは会社からの福利厚生の提携ホテルのクーポン券を渡され、「年内の休暇プランまた出してくださいね!日数使いきってくださいね!休暇は大事!」と笑顔で言われたのでした。

僕はあまり長期休暇については興味はありませんでしたが、同僚の休暇中に営業所B(仮名)にて随分とストレスを溜め込んでしまい、僕もこれは仕事から離れる長めの期間が必要と思うようになったのでした。ネガティヴな話題から、「休暇命!」なドイツ人上司からの見事な話題の転換でした。

これまでの職場では、残念ながら上司やら先輩社員からにひょんなことから睨まれて、気が付いたら僕が全責任を押し付けられてさらにクビ…という悲惨な展開になることがしばしばありました。今回は、様子から察するにそのようなことはなさそうだということが分かりました。営業所A(仮名)も営業所B(仮名)も、上司や優しい先輩スタッフたちが、何かあれば僕のことを守ってくれそう…という力強さも感じました。僕にとって、職場で最も重視する点は人間関係です。「この人たちと一緒に働きたい!」と思えるかが非常に重要です。残念ながら、人と人とが関わり合うところで「全員と仲良く」ということは難しいものです。直接関わり合う機会の多い人と信頼関係が築け、心地良く働けると感じることが出来れば、それで十分です。そして次は給料面や待遇についてなのですが、この面では、僕がこれまで働いてきた仕事の中では最高水準なので、満足しています。休暇がしっかり取れて、さらに上司が休暇をきちんと取るように促してくれる職場なんて、素晴らしいですね。

僕にとって幸運なことは、契約上特殊で2ヵ所で勤務していることです。営業所B(仮名)が嫌で仕方がないと思っていましたが、2つの勤務先を行き来し、気分転換は味わえていて、退屈せずに長続き出来そうという気がして来たのでした。

2021年8月にミュンヘンに来てから、早いもので現在の職場は3社目です。現在営業所B(仮名)の朝番スタッフ2名と関係をややこじらせてはしまいましたものの、彼らとは業務が一切違い、本来であれば絡むことはない人たちです。何より、僕自身の仕事内容は楽しく、比較的自由度も高いので、大学生活と上手く両立出来るように今後も頑張って行きたいと思っております。こちらから「この職場を去りたい」という意思は今のところ皆無です。ドイツ移住後かなり長い年月を掛けて「働きやすい場所」「長く頑張りたいと思える場所」に出会えたかもしれません。

取り敢えず、試用期間満了の11月末までは気を抜かずしっかり頑張ります!

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 外国語ブログ ドイツ語へ
にほんブログ村

 

タイトルとURLをコピーしました