僕が以前お世話になっていた語学学校「Deutschkurse bei der Universität München」には、ミュンヘン大学(LMU)生向けの魅力的なコースがあります。今回は、そのコースについて書きます。
僕は以前、この語学学校では「大学に入学するための準備」のコースで、DSH試験合格を目指すクラスに通っていました。今回当記事で紹介するのは、「その後」のコースについてです。DSH試験に合格し、大学に進学が決定した後に、まだドイツ語が不安だという場合にはさらに「Deutsch im Studium」というプログラムに参加することが可能となります。コースのレヴェルについては、上級コースのみではなく、ドイツ語の初級コースも準備されています。それは、大学の授業が英語で行われる学部・学科の生徒、短期留学生が、ミュンヘンの大学に通いながら、せっかくだしドイツ語の勉強もしてみよう!という場合に参加出来るものなのです。
- Kurs1 Survival German A1
- Kurs2 Basic German A2
- Kurs3 Deutsch für Uni und Alltag A2
- Kurs4 Deutsch für Uni und Alltag B1
- Kurs5 Wissenschaftsdeutsch mündlich und schriftlich – Referieren und Präsentieren B2
- Kurs6 Wissenschaftliches Schreiben – Seminar und Abschlussarbeit B2
- Kurs7 Wissenschaftsdeutsch und wissenschaftliches Schreiben C1/C2
- Kurs8 Deutsch für Studierende der Rechtswissenschaften B1/B2
パンフレットには一部記載がなかったため、受付の方に伺って初めて知ったのですが、コースは全てオンラインコースだそうです。
これらのコースにはそれぞれ設定されている「参加条件」をクリアする必要があります。実は、僕がこの語学学校のDSH集中コースに参加していた頃から、パンフレットを見ては気になっていたクラスがあったのでした。それは、
- Kurs8 Deutsch für Studierende der Rechtswissenschaften B1/B2
です。このクラスは、LMUの法学部生及び交換留学生などが対象となっていて、一般の方がいきなり申込むことが出来ないクラスです。法律学の用語や文章はかなり特殊で、母国語話者にとっても難解なものです。本来法律用語は、大学に入って授業の中で学んで行くべきものなのかもしれませんが、「語学としての」特別コース、しかも外国人向けのものが大学の講義向けに用意されてあるというのが画期的だなと感じました。このようなコースは、まず一般的な語学学校では用意されていることはないでしょう。専門領域に関する内容の授業については、かなり高額な金額を払ってプライヴェートレッスン…でもやってくださるところがあればまだ良いですが、実際に法律学に関するマニアックな内容を教えられる先生自体もかなり少ないものと思われます。
僕自身は、日本の大学で法律学を勉強していたということ、実際にドイツに来る初めてのきっかけとなったのは、お世話になった大学の先生の「研究」を見に来るところからでしたので、法律学には非常に興味があります。ドイツに来てから法律事務関係、役所の手続き関係の仕事に従事したこともあり、さらに「いつかまた勉強したい!」と思う気持ちが芽生えたのです。
残念ながら、今年僕はLMUの法学部生にはなれませんでしたが、副専攻(Nebenfach)にて法律学を選択しました。語学学校の受付にて「Immatrikulationsbescheinigung(学籍取得証明書)」を提示し、一応クラスの参加条件としては認められ、晴れて今月からは非常に気になっていた法学部生向けドイツ語コースに参加出来ることとなりました。
そして実は、もう1つ気になっているコースがあります。それは、
- Kurs7 Wissenschaftsdeutsch und wissenschaftliches Schreiben C1/C2
です。この学校が提供している全てのコースの中で、唯一「C2レヴェル」に対応しているものです。ドイツ語のC2レヴェルのクラスは、一般の語学学校でお目に掛かることはほとんどありません。まず、C2レヴェルを目指す人がそう多くなく、生徒が集まらないという理由でクラスが開講されません。また、C2レヴェルはドイツ語最高レヴェルということもあり、クラスで教えられる先生もかなり限られます。そもそも一般的な語学学校でのクラスの「ゴール」は、日常生活で使えるような一般的な内容についてであり、C2レヴェルは、逆に日常生活ではほぼ出会うことがないようなかなりマニアックな表現について多く学ぶものです。C2レヴェルの試験に関しても、まず試験代が高額であることと、一般的な生活や就職活動等に於いては「(C2レヴェルまでで)なくても良い」資格です。試験に挑戦される方は、言語学者として実力試し、語学好きな方の学習の証として受けらえる程度のものかと思われます。
この度僕は、日本語にて敢えて言うならば「言語学部独文学科」のようなところの学生になりました。C2レヴェルにはいずれ到達したい!という目標は以前から持っていましたし、マニアックな領域に浸かって行くべく、今回
- Kurs7 Wissenschaftsdeutsch und wissenschaftliches Schreiben C1/C2
- Kurs8 Deutsch für Studierende der Rechtswissenschaften B1/B2
の両方に申し込みました。幸い、クラスの曜日がずれていたので両方一気に受講することが可能だったのです。このコースは、1セメスターにつき1度しか行われないものです。年に2回しかチャンスがなく、今月から始めれば12月中には終わりを迎えます。
ずっと憧れたコースを、今年2023年で終わらせる!そして、僕の人生の中でこれまで長かった「語学学校生活」をこれで最後にします。これから始まる大学生活と並行して、気合を入れて「最後の語学学校生活」を楽しんでいきます!