【D】2023年オクトーバーフェスト体験記

Leben

2023年オクトーバーフェストは本日が最終日でした。今回は、最終日の様子と今年のオクトーバーフェストを経験しての感想について書きます。

今年のオクトーバーフェストは、僕がミュンヘン在住者となって2度目のお祭です。昨年は、初日と数日間だけ天気が良い日があっただけで、ずっと天気が悪いという状況でしたが、今年に関しては開催期間中は基本的には天候に恵まれた状況でした。また、昨年と今年の大きな違いは、疫病に関する警戒度合いについてです。昨年の時点で、マスク着用義務やワクチンのパス証明等の規制はなくなってはいたものの、感染率はなかなかな高水準のままでした。今年はもうまるで疫病流行の存在も忘れられたような雰囲気かと思われたのですが、実際はそうではありませんでした。

一部の報道で「疫病再流行か?!」などと不安が搔き立てられるような報道と「危険信号には及ばない」という内容の報道がなされました。どうなるのやらと思っていたところなんと、僕のかなり身近なところで疫病感染者が確認されてしまい、一時期は不安が漂ったのでした。僕の現在の職場では、人数はかなりギリギリで回しているという状況なので、人が1人欠けてしまうだけでも大変な状況でした。しかし疫病感染者が出てしまい、しかも症状が重く出てしまうタイプだったようで、割と長めに仕事を休まなければいけない状況となってしまったのでした。そして、オクトーバーフェストの時期に少々被る感じで長期休暇を申請しているスタッフも数名いた関係で、職場はかなりの手薄状態となってしまったのです。残念ながら、僕のスケジュールは大幅変更となり、連休だった部分がなくなり、急病人の代理勤務をしなければならなくなってしまったのでした。そういうわけで、今年はオクトーバーフェストの時期には、なるべくたくさん参加するという目標を立てていたのですが、思ったよりもあまり多く行くことは出来ませんでした。そして、僕の仕事が夜勤メインということで、オクトーバーフェスト会場に行くならば、仕事前にビールを飲む状態になってしまうので、かなり時間を気にしながら楽しみ、そしてオクトーバーフェスト参加後の勤務はなかなか大変だったのです。あまり酔っぱらわないように、ということでそれぞれ2杯までに留めましたが、勤務がある日は2杯までと己の限界が見えた気がしました。ちなみに昨年は、一緒にいた友人曰く5杯くらいは飲んだそうで、割とふらふらしながら夜勤の仕事に向かった日があったそうでした。「今夜は時間を気にせず飲める!」となったのは、たったの1日だけでした。

今年の開催前からずっと言われたビール代の値上げ問題についてですが、肌感覚としては昨年とほぼ変わらない感じでした。1杯運ばれるごとに、サーヴィス係にチップを渡して15ユーロ、という感じなのは昨年と変わらずです。結局13ユーロ少々と14ユーロ少々でチップを渡すとなると、切りよく15ユーロになろうかと思われます。なので、サーヴィス係の人のチップ分が中途半端に減ってしまうような感じだったのではと思われます。今年非常に気になったことは、サーヴィス係の方々の数が、明らかに不十分だったろうなと思ったことです。僕がこれまで参加したところでは、あんな広い会場の、大人数の中で働いていらっしゃるので、注文から時間がある程度掛かってしまうのは仕方がないですが、1人1人がかなり忙しそうになさっていて、ビールにありつけるまでにも相当な時間が掛かりました。以前はもっと色々な方が巡回しているようなイメージがありましたが、今年はそのような感じではありませんでした。ドイツ全体的に言われている「サーヴィス業の人材不足」をここでも感じてしまいました。

オクトーバーフェスト会場のテントの中の座席を見つけるのは、時間帯によっては困難を極めます。僕は今年は1人であったり友人と2人きりという状態でしたので、席を見つけるのに苦労はしませんでした。ありがたいことに、サーヴィス係の方から声を掛けられて「ここどうぞ!」と案内をされたり、ふらふら座席を探していると「あなたたち日本人?」と声を掛けられて、日本人の方々、そのパートナーの方々と楽しむことも出来ました。オクトーバーフェストの醍醐味は、その場で知り合った人たちと飲みながらわいわい楽しく会話を楽しむことが出来ることです。普段お目に掛かることがないような方々とふいに知り合いになり、興味深いお話を聞けることが多々あるのです。オクトーバーフェストに来るのがずっと憧れで、ようやく今年初めて来られた!という旅行者の方々や、随分長くドイツにお住まいの方々のお話は非常に面白かったです。

オクトーバーフェストで僕が最も気に入っているのは「Oide Wiesn」です。Oide Wiesnは、会場の南部の一画が区切られた状態で、入場料の4ユーロが別途掛かりますが、一度支払った4ユーロでその日は一日中出入りも自由に出来ますし、21時以降は入場料は掛かりません。21時以降に行っても非常に良い感じに盛り上がっており、十分に楽しめました。

ちなみに、今年友人と初めてOide Wiesnに行った日は、あいにく天候が優れない日でした。そして、僕らがチケットを購入して入場しようとした際に、入口で雨宿りしているダフ屋に遭遇しました。「来れなくなった友人たちの分が余ってるから、そこで正規のチケット買うより安くしてあげるし、君たち買ってくれないか?」と言われたのでした。僕はドイツで割とこういったダフ屋行為をする人たちに遭遇します。2人分で5ユーロとのことだったので、即購入を決め、ありがたくお得に楽しませて頂きました。

Oide Wiesnは「伝統的なオクトーバーフェスト」をテーマにしているので、流れる音楽もフォークソングがメインです。メイン会場のテントはどちらかと言うと、クラブ感覚のような盛り上がりで、主に若者が椅子や机の上に立って踊って一気飲みしたり、とにかくはっちゃける感じなのですが、Oide Wiesn内は客層が全く違う感じがします。観光客たちよりも、きっとバイエルン地元民であろうドイツ人たちが多いような印象で、落ち着いていて、割とお行儀良く演奏を楽しみながらビールを飲むという感じです。かわいらしい遊具が多いのも特徴で、子供たちの姿が多く見られました。確かに、小さな子供を連れての場合だと、絶対Oide Wiesnだろうなという気はします。ヨーロッパの子供たちは非常に成熟が早そうなので、少し大きくなったらOide Wiesnのこの雰囲気では物足りず、刺激的な絶叫マシーンなどや、テンションが高過ぎる酔っ払いたちと遭遇する外部の方が良くなるのかもしれません。現在の僕はと言いますと、断然Oide Wiesn派です。この落ち着いた雰囲気がたまりません。Oide Wiesnの存在を知り、実際に来るのは今年で2回目ですけれども、既にかなり気に入っています。「毎年やっていない」と言われており、その認識だったので、昨年に引き続いて今年も開催されていたのはとても喜ばしかったです。

Oide Wiesn内には4つのテントがあり、どのテントも非常に魅力的で気に入っていますが、最も僕が印象的で気に入っているのは、Museumszeltです。僕と友人が訪れた時間は結構空いており、座席の確保もそう難しくはなく、サーヴィス係の方にすぐにビールが注文出来、ビールも早く手に入りました。ちなみにここのテントで提供されるビールは、Spatenです。

音楽隊の方々の生演奏は、テント内のメインステージのみで行われるのではなく、客席の近くまで来てくれて演奏することもありました。僕らが着席していた座席のテーブルの上に立って演奏する方もいらっしゃいました。直近生演奏は、言うまでもなくなかなかな大迫力でした!(笑)

そんな中で、僕や友人がアジア人の見た目で珍しかったのか、多くの方々が話し掛けてくれました。

僕はてっきり、演奏隊の皆さんはずっとオクトーバーフェスト期間中はミュンヘンに滞在されて何部かライヴをされているのかと思っていました。しかし、僕らが話した方々は「僕らはバイエルン州の端のかなり田舎の村からバスで片道2時間、今朝ミュンヘンに着いて、今夜演奏後にはまた帰るんだよ」と教えてくれました。オクトーバーフェスト期間中のミュンヘンのホテル代はかなり高額ですし、バイエルン州内の方々であればわざわざミュンヘンには滞在されないかもしれません。しかし、聞いている限りかなりのハードスケジュールです。それでも演奏家の方々にとって、このオクトーバーフェストのステージで演奏出来るということは素晴らしいことであり、かなりの気合が感じられました。そして、大きな晴れ舞台で見事な演奏をして、会場の皆さんを楽しませてくださいました。

僕にとって非常に残念だったことは、演奏の合間に演奏隊のリーダーと思われる男性の方々の「語り」があったのですが、普段聞きなれない割と強烈な方言で、何をおっしゃっているのかよくわからなかったことでした。友人は「多分半分くらいは分かった」と言っていたので、バイエルン弁を多少普段から聞きなれている人はやはり違うな!と差を見せつけられてしまったのでした。

僕の当面の目標は、バイエルン弁に多く触れて「概ね」理解出来るようになることです。僕にとって外国語であるドイツ語の勉強を長くしていて、C1レヴェルのクラスにも参加し、ドイツ語をある程度理解は出来るようになった…と言えるレヴェルには到達出来ました。どの言語もそうですが、自分が実際に暮らしている地域に方言がある場合は、その方言が魅力的に感じます。特にバイエルン弁はかなり独特で、他の地域に住むドイツ人たちの間でも理解するのが難しいと言われています。標準ドイツ語を話すドイツ人からは「あれはドイツ語ではない、バイエルン語だ!(笑)」と言われる程です。そんなバイエルン弁を、日本人の僕がきちんと聞き取れたり理解出来たり、使いこなせたらカッコ良いかもしれません。僕が関西弁を話す外国人に親近感を持つように、僕もバイエルン弁を理解してバイエルン人たちに親近感を持ってもらえるのかな、という期待もあります。

今後は、バイエルン出身者たちの友人や知り合いを多く作り、バイエルンの言語や文化や歴史など、色々と深く知っていくことを目標に「オクトーバーフェストガチ勢」を目指して行きます。

 

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ところで、これから僕にとって「夢のドイツ大学生活」が始まります。大学生活が始まる前に、回数はそう多く来れはしませんでしたが、オクトーバーフェストを楽しめて大満足でした。非常に面白いことに、オクトーバーフェスト会場を歩いていたら、語学学校での元クラスメイトたちとばったり出会うこともありました。クラスを終えてから会うこともなかったのですが、久々に元気そうな姿を見れて嬉しかったですし「大学頑張ってね!」とエールをもらえました。僕がお世話になったクラスで知り合った人たちは、ほとんどミュンヘンを去ってしまう予定の人が多かったので、彼らがミュンヘンを去ってしまう前にお会いすることが出来て良かったです。

来年はきっと、大学生活1年(2セメスター)を終えたところで、新たに大学で出来るであろう友人たちとビールでも飲みに来れていたら良いな…と期待しておきます。

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