【D】GOP対策

Lernen

ここのところ冬季鬱気味で、仕事にも勉強にもあまり身が入らない日々が続いております。そして、毎年不思議に思うことですが、12月というのは本当に時間が過ぎるのが早く感じる月です。変に焦りを感じながら、今年の12月も気が付けばもう1週間が経過していました。今回は、ミュンヘン大学GOP対策について書きます。

僕は今年2023年冬学期より、晴れてドイツの大学生となりました。大学で勉強し、卒業するまでには、受講した科目のテストを受ける必要があります。日本の大学とドイツの大学の大きな違いは、テストの受験に関する制限です。日本の大学では、本人の気力・体力、そして財力が続く限り留年は何度でも出来ますが、ドイツではそうはいきません。テストに合格出来なければ退学、さらに、違う大学に入りなおすにしても、今後二度と同じ学部では学べなくなるという恐ろしい制限があります。試験は、最大2回までしかチャンスがないのですが、自分自身の準備が整うまで受けないという選択肢があります。(その分、卒業の時期が延びる場合がありますが…)

ミュンヘン大学(LMU)には、「GOP(ゴップ)」と呼ばれる試験があります。GOPは、Die Grundlagen- und Orientierungsprüfung の略語で、日本語に訳すならば「基礎・オリエンテーション試験」です。この試験は、各学部(副専攻も含む)に於いての基礎の部分を問う試験内容となっており、早い段階で絶対に合格をしなければならない試験です。僕がお世話になっている学部・専攻では、GOPは冬セメスターにしか行われず、受ける機会があるのは1セメスターと3セメスターのみとなっています。そして、3セメスター目の時点で合格出来なければ、強制退学となります。

僕は以前、大学入学早々大失敗をやらかし、必修科目の履修を忘れていました。どうにかそこはクリアしたものの、その際に「12月は絶対に気を付けてね!」と釘を刺されました。GOPは、履修登録同様各自でポータルから申込みが必要で「一切の事後登録は認められない」という厳しいルールがあります。特に、僕にとっての副専攻の法律学は非常にルールが厳しいようでした。

僕の副専攻の法律科目は、モジュール制になっている科目、選択科目になっているものがあるのですが、僕が受けなければならないGOPは2種類あります。何と、GOPで毎年大量の落第生が出ると言われているのです。ドイツ人の学生たちでもたくさん落第するなんて、ドイツ語が母国語ではない外国人である僕なんて、いったいどうなってしまうのか?!と不安で仕方がありません。

現在、一応ドイツ語コースにも参加しており、法律の文章のトレーニングは受けているものの、ここのところ授業での内容も難しくなってきており、ついていくのが大変です。これはどうにかしなければいけない!ということで、大学のすぐ裏にある、専門書が豊富な本屋さんに行きました。

ちらりと立ち読みし、良さそうだと思ったこちらの本を購入しました。自分への「誕生日プレゼント」です(笑)

法律学の試験では、短答式の問題と、「Fallfragen」と呼ばれる論述式問題があります。Fallfrageは60%の比率があるようなので、絶対に落とせない課題です。

僕は現在1セメスター目で、法律科目は民法しか学んでいません。憲法や刑法、手続法等は一切勉強していません。というより、そもそも選択肢として存在せず、履修すら出来ないようになっております。まずは1セメスター目で民法及びドイツ法の基礎を学んで、2セメスター目以降は様々な法律について触れるようなのです。

民法の理論を学ぶ講義と、実際に法がどのように運用されるのかを学ぶ演習科目(Fallfragenをひたすら解く、解説を聞く科目)が強制履修のセット科目となっております。この2科目を受講して、Fallfragenを解いていくのですが、理論の講義を行う先生と、演習科目の先生との見解に違いがあることが多々あります。講義を担当してくださる先生は、やたらとラテン語を使い、意味不明な表現が多かったり、ドイツ人の生徒たちも結構混乱するような言い方をなさいます。一方、演習科目の先生は、20代前半の大学院生の方で、かなり砕けた表現で生徒たちにかなり寄り添ってくれている感じの先生です。演習科目の先生から言われていることは、「あなた方がどの立場を取るかは自由です。評価ポイントは、説得力がある文章が書けているかどうかです!」とのことでした。

思い返してみると、日本の大学の法学部の教授は、非常に癖・思想が強い先生が多かったように思います。授業を聞いていて、例えば、この先生はかなり左寄りの思想だなと思うような先生は、教科書や参考図書として指定する本が、思想強めな自著であったり、同じく思想が強めなその道の権威の本を指定します。そして、その先生の考え方が通説とは異なる場合は、テストで通説を用いて論じたものならば、単位は貰えるかどうか怪しいものです。僕は学生時代、強烈な左翼思想の教授とよくバトルをしたものです。(相手は一応仮にも教授なので論戦には負けましたが、単位はもらえました!)

ミュンヘン大学(LMU)の場合は、GOP採点は外部の機関に任せるということだったので、特定の思想による加点、または学生側が先生の思想に基づいた、お喜びを頂けそうなものを用意する必要はないのだそうです。ただし、首尾一貫とした、説得力を持たせた文章を書くように!とのことでした。

本屋さんで本を選ぶ際、筆記試験に使えそうな文例や、Fallfragenの豊富さ、パッと見た感じの読みやすさを重視しました。面白いことに、授業で使われている例題・課題は全てこの本から引用されている!ということに気付き、即購入を決めました。授業内で理解しきれなかった部分の復習も兼ねて、今日からじっくり、しっかりと読み進めていきたいものです。

ところで、本日で僕は39歳となりました。40歳までにはドイツの大学に入学していたい!という目標をギリギリで叶えることが出来ました。せっかく目標を叶えて大学生をやれているので、ちょっと最近メンタル面でも体力面でもしんどいですが、今一度、もうひと踏ん張り頑張ってみます。

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