今年2023年10月中旬、大学入学時から始めていましたドイツ語コースは、本日で全ての授業を終えました。今回は、クラス終了後レヴューについて書きます。
このコースは、週2回(月曜日と水曜日)の18時から20時までの「Cum Tempore (c.t.) 」で、オンラインで行われました。そもそもミュンヘンの大学生の参加を前提としたコースなので、Cum Temporeが採用されているのでしょうか。僕の学科ではそんなに遅くまで授業はないし、さらにこのコースはオンラインコースですし、問題なく参加出来ました。
ところで、僕はオンライン授業にはどうも抵抗があり、最初からオンラインコースだと分かっていたらもしかしたら受講しなかったかもしれません。申込時、更に言うと入金後に「このクラス案内には書いていませんが、授業はオンラインのZoomで行われます」と後出しじゃんけんのような感じで言われてしまったのでした。キャンセルするのも勿体ないし、オンライン授業のことをただ忌み嫌っているだけも良くないし、何より大学の授業で今後オンライン授業もあるだろうし、苦手を克服するという意味でも良さそうかなと思って腹を括りました。
面白いことに、参加者はミュンヘンの大学生(LMUやTUMなど)に限らず、外部の方々、ミュンヘン及びその近郊在住ではない方も複数見受けられました。現役の大学生だけでなく、現在学術研究機関などで働いていらっしゃる方など、国籍も年齢も分野も様々なアカデミックな方々が参加するコースでした。講師の先生は初回時に「オンライン授業だからこそ可能なこんなメンバー!」とやや興奮気味に仰っていました。
今回のクラスでは、僕にとっては珍しい!日本人のクラスメイトが1名いらっしゃいました。その方は、とある超有名一流大学での研究者の方で、物凄い経歴をお持ちの方でいらっしゃいました。日本人同士だからと言っても、交流やら会話は授業中も一切なく、互いの連絡先の交換等もないままクラスは終了しました。もしかしたらオンラインではなく、直接顔を合わせるコースだったら状況は違ったかもしれませんが、何せ次元が違い過ぎるお方だったので、僕なんかがお友達になれるか分からない雰囲気のお方でした(爆)
今回のコースの担当をしてくださった講師の方は、語学学校「dkfa」の直接の先生ではない外部講師のHerr Dr. Weidlichさんでした。彼の肩書は、一般的な「ドイツ語講師」ではなく、「Lektor und Korrektor für Texte(文章の編集・校正者)」です。つまり「文章・物書きのプロ」です。面白そうな方が講師の方だなと、クラスが始まる前からかなり楽しみでした。
クラスはオンラインコースなので、授業の際にはカメラをオンにしてくださいと言われましたが、僕は自分のパソコンにカメラがないので、断りました。長く愛用しているノートパソコンの方にはカメラは付いていますが、過去にZoomでカメラをオンにしたところ、負荷がかなり掛かるのか知りませんが、僕の映像だけ乱れやすくなったりすることがあったので、そのパソコンをそもそも利用しませんでした。他の学校などのオンラインコースでは、カメラを絶対にオンにしてくださいという指定がある場合があるようですが、僕が今回参加したコースはそうではありませんでした。そして、授業終盤に授業内で行われた筆記テスト中も僕はカメラはなし状態でしたが、その点について特に何も言われることはありませんでした。僕は全員の顔を見ていましたが、クラスの参加者の中で、僕の顔を知る人は誰もいないままクラスは終了しました(爆)
クラス名にもある通り「Wissenschaftliche Schreiben」のコースなので、大学生・大学院生が論文やレポートを書くことに重点を置いたコースでした。また、クラス名にある「C1/C2」は、語学レヴェルを表しているわけですが、C1レヴェルから頑張ってC2レヴェルを目指しましょうという意味合いとのことでした。最近ドイツ語の最高レヴェルであるC2レヴェルの勉強を始めた僕なのですが、C2レヴェルとは、学術研究で用いられるような小難しい表現を読んで理解出来たり、ある程度使いこなせたりするレヴェルと言えそうです。文法の知識に関してはC1レヴェルまでですべて終了し、C1とC2レヴェルの差は「細かいミスがより少ない」「より正確にニュアンスを伝える」「より豊富な語彙量」と言ったような精度の高さにあります。クラスではC1との表記もあることから、先生からは再度これまでに習ったはずの文法の解説を受けまして、「Schreiben(筆記)」のクラスらしく、とにかく作文の宿題が多く出されました。
予め最初のクラス内にて予告があったのですが、作文の宿題は全部で9回分あり、最低5回分はオンラインポータル上から提出をするように求められました。課題のテーマは、学術研究論文では欠かせない「Definition(定義)」「Einleitung(序論)」「Gliederung(文節構造)」「Argument(論)」「Vergleich(比較)」と、その他自分自身の学部・研究分野についてであったり、最近話題のテーマということで「KI(künstliche Intelligenz )」の内容の課題もありました。
課題は、提出からほんの数日の間に先生から添削されたものが返され、10点満点で評価されます。また次の授業内では、先生が選抜した参加生徒のうちの誰かが書いた文章が紹介され、その文章について参加者からコメントをするということもありました。僕が書いた文章は何度かクラス内で晒され、他の生徒から少々辛口コメントを貰うこともありましたが、活発な議論に参加出来、授業内では少々貢献出来たのではないでしょうか。
僕は残念ながら、ついうっかり&夜勤疲れで宿題を後回しにした結果締切期限を過ぎてしまったこともあり、全ての課題を提出することは出来ませんでしたが、ほぼ提出しました。本当は全部やりたかったのですが、色々ありまして出来ませんでした。
提出した課題の評価は、10点満点中9点がほとんどでした。僕が取った最低点は8点(1回のみ)で、最高点としては1度だけではありますが、10点満点を頂くことが出来ました。割と高得点を頂けているのですが、僕が素晴らしい文章を書けていたかと言うと、実際はそうではありません。最初の課題で9点という評価だったので喜んで添削されたファイルを開くと、ビッシリと添削されまくっていました。そして割と辛辣なコメントも並んでおり、「あの、この課題で僕は10点満点中9点頂いて良かったのですか?もしやここに書かれてある9は、悪い方から数えて2番目だったりします?」と思ってしまいました。ドイツの「Notensystem」では、成績の評価は1が最高レヴェルを表しますので、その可能性を一瞬疑ってしまいました(爆)間違いなく、僕は9点を獲得出来ていて、その後もほとんど9点でした。
今回の授業に参加して良かったなと思えた点は、先生の授業内での説明の分かりやすさ、そして課題の添削については、こちらの文章をしっかり読んで頂き、非常に細やかなアドヴァイスを得られることが出来たことです。これまで僕は、色々な語学学校の授業に参加して来ましたが、作文の課題でしっかりとしたアドヴァイスをくださる先生はほんの少数派だったように思います。そして、語学試験の合格を目指すクラスでは、先生の採点は、文法や単語が正しく扱えているか、暗号のような印を付けられて終わりと言う感じです。今回お世話になった先生は、結構内容もしっかり読んでくださった上で、単なる文章の採点だけではなく、一歩踏み込んだ内容で、さらに「あなたが書いたこの文章でも意味は何となく分かりますが、きっとこういう説明をされたかったと思われます」「この表現ではなく、こういう書き方をしてみてください」などと、具体的な例文まで示してくださいました。
逆に、僕があまり良く思えなかったことは、オンラインコースだという点、そして課題をオンラインテキストで提出することでした。
昨今蔓延した疫病の影響で、ホームオフィスやらオンラインコースが活発となりましたが、僕はオンラインコースって本当に自分に向いていないなと思うことが多々ありました。インターネット接続が悪かったり、パソコンの調子が良くなかったり、変な更新プログラムがいきなり作動して参加が遅れてしまったり、課題が上手く提出出来なかったり、イライラしてしまうことが多々ありました。そして、やはり目の疲れ方が普通じゃないような気がしてしまったのでした。僕が気に入らなかった部分は、この授業の内容に関してではありません。僕の単なる「オンラインコース嫌い」です(爆)オンラインコース自体が全く平気である方であったり、むしろお好きである方には理解し難い部分かもしれませんが、僕は個人的に何となくやはりオンラインコースが好きではなく、苦手意識は残念ながら克服することは出来ませんでした。ただ、最後にZoomを利用したオンラインコースを参加した際よりも、ストレスは減った気はしました。授業に参加するパソコンも、今回は授業への参加は100%自宅のデスクトップパソコンからだったので、動作の面では比較的安定していたし、授業に参加する際にきちんと机に座っていて、ダラダラしませんでした(爆)
また、課題については、勝手にスペルミスやら文法ミスを指摘するソフトが起動したり、パソコンでの作業ということもあり、どうも結構魔が差してしまうことが多々ありました(爆)ドイツ語での作文に行き詰った際に翻訳ソフトを頼ってしまって、そのお陰で比較的良い点数が頂けてしまった部分があるので、自分の実力でしっかり頑張り切った!と言えない惜しい結果となってしまいました。これは僕自身の甘さが原因であるのですが、参加型の授業であれば、先生や他の生徒の目もあり、授業中の課題には辞書を使ってしっかり調べたり、横着しなかったのかなと思えました。一方で、課題で「KI(künstliche Intelligenz )」について述べる際に、多くの生徒たちから「ChatGPTを愛用している!」との声が聞かれましたし、翻訳ソフトも普段から多用しているとも聞きました。今回のコースの課題は、皆さん真面目に取り組まれたのでしょうか。ちょっと気になってしまいました。
ちなみに先生は「これ明らかにあなたの文章じゃないなと判断した場合は、採点しませんからね」と仰っていました。僕は多少魔が差したものの、KIに全部課題をやらせてそれをコピー&ペースト!はしませんでしたし、出した課題に関しては全て採点頂けました。
オンラインコースという形態への文句はありますが、「オンラインコースで良かった!」と思えたこともありました。それは、パソコンさえ起動すればすぐに参加出来る状態になることです。僕は夜勤の仕事をしながら大学生をしているので、どうにか寝る時間を確保しなければなりません。月曜日は大学の授業は1限しかないので、昼前には自宅に戻ることが出来ました。オンラインコースが行われる夕方の時間までは自由時間です。課題をやったり寝るには最高の時間なのですが、ここのところ疲れが溜まっていたのか、寝過ぎることが多々ありました。昼前に帰宅して、ご飯も食べずに寝て、起きたらオンラインコース開始ギリギリ時間で、お腹が空き過ぎて大変!先生が多く話されている間に麺を茹でて、他の生徒たちが当たっている間に食べながら授業に参加することも多々ありました(爆)
僕にとって、授業の時間帯がしんどかったかもしれません。以前参加していたDSH試験対策の夕方コースの際もそうだったのですが、僕の生活リズム・夜勤との相性は良くなさそうだなと思われました。僕の身体のリズムとしては、夜勤を終えて、休憩せずそのまま授業!という流れが良さそうです。そのお陰で大学の授業には参加出来ていますが、語学学校の授業はそこから時間が空いてしまうので、休憩時間を確保出来るという意味では良かったかもしれませんが、授業が終わった後夜勤の時間までは中途半端な感じで時間が余り、時間管理の難しさを感じました。また、授業がある曜日に夜勤の仕事がある・ないで生活リズムが大きく変わりますし、授業の期間中に自分の「ベストな状態」を見つけることは出来ませんでした。授業の回数、期間がもうちょっと長ければ、気付けた部分もあったかもしれません。
僕自身の生活リズムが特殊で、自分自身の気力や体力の限界の問題があり、課題も全て出せず、100%の力を出し切れず終いでした。とても悔しい部分があるのですが、全ての授業に参加し終え、一応の達成感を感じることは出来ました。肝心の、授業の内容としては非常に良かったと思いますし、結果的には参加して良かったコースだと思えました。今回の授業の参加者たちを見ていても、非常にレヴェルの高い方々ばかりで、授業のクオリティも高く保たれている気がしました。僕はミュンヘン在住でLMUやTUMに通う生徒が参加するコースであろうと当初予想していましたが、実際はそうではありませんでした。ドイツ語の筆記の力を伸ばしたいという方が何か良いクラスはないかとお探しであれば、是非このコースへご参加を!と僕から推奨出来る内容でした。僕は個人的に、ドイツ語の小難しい表現に対する抵抗も大分少なくなり、もう少しトレーニングをして、ドイツ語C2レヴェルの試験を目指そうと思えました。
以前別の記事にても紹介しておりますが、実はまだ他のオンラインコースにも参加しております。今回この時期に同時に参加している2コースで「僕の人生最後の語学学校生活」と決めていました。これまで週3回、夕方のオンラインコースに参加していたところ、週2回コースの方がこの度終了となり、残るは週1回コースの1本となりました。身体の負担がかなり減りそうで、既にとても嬉しく思います。
別のコースの残りの日々も、しっかりと気合を入れて頑張って行きます!