【D】ミュンヘンでのワクチン種類変更

Leben

今週より、ミュンヘンの各ワクチン接種センターにてワクチンの種類変更がある旨の発表がなされました。今回はそのニュース内容について書きます。

今回の発表では、バイオンテック(ファイザー)社製ワクチン供給不足により、30歳以上の方々はモデルナワクチンが接種されるとのことです。しかし妊娠中及び授乳中の女性は例外、とされています。30歳以下の人に対しては、バイオンテックワクチンが推奨されますが、本人の希望があればモデルナワクチンも接種可のようです。

バイオンテックワクチンと同様、mRNAワクチンであるモデルナワクチンは、不人気のため大量の在庫を抱えてしまっているようです。実際に、僕が先日ミュンヘンのワクチン接種センターにてブースター接種をしに行った際、接種希望のワクチンの種類(メーカー)ごとに並ぶよう誘導されたのですが、モデルナワクチンの列のみ人が非常に少なかったです。バイオンテックワクチンの列には行列が出来ており、予約をしている人が並ぶ行列が優先されることもあり、予約なしで当日接種センターに行った人たちの行列はなかなか進む気配がない状況でした。特にこだわりのなかった僕は、モデルナワクチンを接種し、ほとんど気にならない程度の待ち時間で済みました。

なぜドイツで特にモデルナワクチンが不人気となったのか、その背景には前保健相のイェンス・シュパーン氏によるメディアでの発言が原因とされています。多くのドイツ人の間で「モデルナワクチンは、防御効果が低いのにも関わらず副反応が激しい」と思われてしまうようになったことで、メディア各誌において、医学界やウィルス学者たちによる大きな反論や批判が巻き起こりました。そして、ドイツは大量のモデルナワクチンの在庫を抱えることとなり、バイオンテックワクチンの在庫不足に陥りました。

「モデルナアーム」と呼ばれる現象であったり、モデルナワクチン接種後の副反応の件数が多く報告されたとの報道はありましたが、実際にモデルナワクチンとバイオンテックワクチンとの間には大きな優劣はないとされています。デルタ種が流行し始めた際は、モデルナワクチンの方が防御効果において優勢であったというデータも報告されていて、モデルナワクチンが忌避されるべき理由はなさそうです。

僕が個人的に気に入っている番組、「extra3」では、度々イェンス・シュパーン氏は話題になっている…というよりもネタとしていじられている感じなのですが、BioNTech-Klopperと表現されていました。

さて、ドイツ語で「Klopper」とは、

der Klopper: Fußballspieler, der hart und rücksichtslos, ohne technisches Geschick spielt.(ドイツ語辞書「Duden」より)

技術的な巧みさがなく無謀で激しいプレイをするサッカー選手、を意味する単語です。その他「喧嘩好きな人」という意味でも使われることがありますが、ここでは「無謀に推し進める人」という意味合いです。

バイオンテックワクチンを推奨しておいて、バイオンテックワクチンの在庫不足、そして在庫が余ってしまった状態でモデルナワクチンを打つように案内するとなると、ばつが悪い状態になってしまうことは不可避です。

ところで昨日、アメリカのノヴァヴァックス社のワクチンがEUで使用承認されました。バイオンテックワクチンやモデルナワクチンに使用されている新技術・mRNAとは種類が異なり、従来のインフルエンザワクチンと同様技術により開発されたものだとのことです。今後流通まで時間が掛かるでしょうが、今後どのワクチンが広く受け入れられ、一般化していくのか、気になるところです。

ところで、疫病に関する7日間指数(7Tage Inzidenz)を見ますと、一時期物凄かった数値が、ここのところ急激に下がっているようでした。非常に良い傾向です。

☆☆☆直近7日間指数☆☆☆

  • ドイツ全体  306,4
  • バイエルン州  276,7

※ロベルトコッホ研究所発表情報を参照(2021年12月21日)

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