【D】緊急荷物引取り

今回は、僕の身に起こりました「ちょっとしたアクシデント」について書きます。

僕は、キプロス暮らしを経験後にドイツにまた戻って来た際、とある友人宅にしばらく住ませてもらっていました。彼は、僕のドイツ暮らしの割と初期の段階に知り合った人で、非常に長い付き合いの貴重な友人の1人です。無職で家無しの状態から、今現在の生活を建て直すまで、彼の支えがあったお陰であり、非常に感謝しています。このことは大前提です。

しかしそんな彼から先日、突然面白い「無茶ぶり」とも思える連絡がありました。

「今月中に、荷物を全部引き上げてくれる?」と。

実は友人宅にまだ一部僕の荷物を預かってもらっていて、それを緊急で引き取るように言われたのでした。

僕は現在、ミュンヘンで暮らしていますが、アパートが小さ過ぎて、さらに収納が一切ない物件で困っております。住所が必要だったので取り急ぎ契約しましたが、また早い段階で引越しを検討しております。荷物は当然早めには引き取りには行くけれども、せめて語学の試験が終わって落ち着いてから…という算段で、友人も理解してくれていたはずでした。あわよくば、収納のしっかりしたアパートに引越しが決まってからなら最高のタイミングだなと思っておりました。友人が新しい恋人(結婚予定)と暮らし始めることになるのは知っていましたが、その恋人と一緒に住み始めるのは、どんなに早くても今年2022年の秋以降と聞いていましたので、のんびりと考えてしまっていた自分がいました。

友人から連絡があった「今月中に」と言われたのは、厳密には先月(3月)でした。しかも言われたのは25日…あと6日?!という状況でした。さすがにそれは無理ですと断りますと「じゃあ4月の頭、なるべく早く!」と言われ、仕事のシフト表がもう出来上がった後で、「本当に緊急で!」と言われ非常に困りました。職場の誰もシフトを代わってくれなかったので、友人の希望日からは遅れましたが、たまたま連休だった4月8日と9日であれば荷物を引き取りに行ける、と話したところ仕方なく承諾してくれた感じでした。

夜勤の仕事が終わってすぐの時間のICEに飛び乗り、久々の鉄道旅を楽しみました。行きは列車、帰りは片道レンタカーという旅程です。鉄道チケットは、値段が安くなく、結構な痛い出費となりましたが、鉄道ファンとして純粋に移動を楽しみました。本当は、試験が終わってからのんびり旅行気分を堪能したかったのですが、仕方ありません。

レンタカーは、以前勤めていた会社での、スペイン出張の際にはよく利用していましたが、実はドイツではほとんど借りたことはありませんでした。なのでほとんどサーヴィスや値段の相場など、知らないことだらけでした。色々調べてみると、大手のレンタカー会社は、結構色々な場所に営業所があり、車の種類も豊富なようでした。そして、「片道利用」のオプションを付けても、値段もそんなに驚く程の値段ではなさそうでした。クレフェルトの友人宅近くにも1件某大手レンタカー会社のオフィスがあり、僕のミュンヘンのアパートの近くにも車の返却場所があり、かなり便利そうでした。前日にインターネットで予約しようとしましたが、たくさん車の種類がありそうで、値段も手頃だということを確認しただけで、予約を完了せずにいました。

ミュンヘンへの移動日当日の朝、レンタカー会社に行くとちょっとした行列がありました。自分の番になると「予約しました?」と聞かれ「実は昨日予約するのを忘れて、今朝急いでしようと思ったらオンラインでは予約出来なくなっていたのでここに直接来ました!」と話すと「君に貸せる車はないよ!今日から学校が春休みだし…今朝から多くの問い合わせがあってね!」と言われたのでした。ドイツの学校の春休みは完全に意識しておらず、盲点でした!ここで車が借りられないでは、僕がわざわざクレフェルトまで来た意味は完全になくなります。

「どうしても今日中にミュンヘンに荷物を運ばないといけなくて…御社の大きな営業所はここの近くだとどこですか?」と聞くと、「君はMT車の運転は出来るの?」と言われたので、MT車でも構わないと話しました。すると「ちょっと時間をもらえれば、さっき戻って来たばかりの車を一応貸せるけれど…」とご提案をくださったのでした。さらに、インターネットで見た値段よりも安い値段でした。

用意された車は、スペイン出張時代に何度もレンタルした乗り慣れた車種で、懐かしさを感じました。コンパクトカーだったので、荷物が全て入りきるかどうか微妙な感じでしたが、唯一利用可能な車を即決でレンタルしました。

案の定、車のトランク、後方座席、助手席にたっぷり荷物を詰め込みましたけれども…残念!全ての荷物は入りきりませんでした!段ボール箱はいくつか捨てて、袋に詰めて足元のスペースに押し込んだり、あらゆる手は尽くしました。

友人からは「車が小さいね!一度に全部運べず残念だけど、まぁこれで十分!」とOKを頂けました。友人からは「残りのものは別にもうそんな邪魔じゃない程度だし、いつでも良いよ。それにしてもまさかこんなに早く来てくれるとは!別に婚約相手との同棲はまだまだ先だし、そんなに急ぐ必要なかったのに!」と言われ、驚いてしまいました。

僕はドイツ語のC1レヴェルの試験を、今月下旬に控えております。「あれ?!友人のお願いを激しく聞き間違えた?何年も会話する仲の友人の、いわば聞き慣れているドイツ語を!いや、そんなはずはない!確かに彼は、どんなに遅くても4月の頭までにどうしても理由があって物を緊急で引き取ってくれと言ったような…」ともやもやしながら、口論は避けたかったので、車で早々に去りました。

これまで色々と自分を助けてくれた友人には、本当に感謝しています。しかし、気まぐれな人の「いつでも良いよ」「大丈夫」という言葉に甘えてはいけないなと、そこで痛烈に感じたのでした。

試験を申し込んでからというもの、仕事場でもプライヴェートでも、色々とアクシデントがあり、勉強時間が十分確保出来ないこと、精神的・体力的な限界が近いかもしれないと、焦りや苛立ちを感じていた日々でした。その中で最も酷いなと思ったのが、今回の突然の友人からの「至急、荷物を引き取って欲しい!」というお願いでした。あまりにも急で「このタイミング」は本当に勘弁して欲しかったです。きっと思い付きで言ったのでしょう。僕は彼の「超気まぐれな性格」をすっかり忘れていました。

ところで、今回の件で思い出したことがありました。ドイツ在住者Twitter界隈で大きく話題になった…と思われる、とあるYoutuber及びインフルエンサー女性の投稿です。

ドイツ人の恋人と同棲していたところ、日本一時帰国中に、いきなりその彼と連絡は取れなくなるは、アパートは解約されているは、荷物は行方不明…という状況だったそうです。

そんな彼女の投稿に対するリプライは、同情するものが多くあったものの、結構冷ややかに「海外あるある」「ドイツ人あるある」「アジア人女性あるある」などとも書かれたものも見受けられました。

僕は経験不足なのかもしれませんが、「海外あるある」だとか「ドイツ/ドイツ人あるある」だとか思えるほど、こういった事例を多く見聞きしたことはありません。間違いなく言えることは、非常に気まぐれな人とのお付き合いは要注意、ということで、別に国籍や文化云々の話ではないように思われます。

しかしとある一時期、僕が夜勤をしている際に「家出少女」のような女性を複数見かけることがありました。仕事柄、声を掛けないといけないので話を聞くと、「彼が新しい女を作って…私はいきなり一緒に住んでいたアパートを追い出された!行くところがないの!」「私の状況を理解しろ!ここのロビーで携帯の充電をしながら待機することは悪いことか?!この人でなしが!」となぜか僕が怒鳴られたこともしばしばありました。相手の男性の国籍やら人となりは知る由もありませんが、ドイツ国内やらヨーロッパでは割と「あるある」なのでしょうか。

ちなみに、彼女の「その後」はと言いますと、無事に気になっていた荷物と出会えたそうです。荷物を預かってくれたご友人に助けられたそうで、良かったですね!そして、この荷物の少なさ!天晴です!

今回、友人には本当に驚かされました。しかし、かなり久しぶりにドイツ国内で車を運転し、良いリフレッシュにはなったかもしれません。久々過ぎる運転で、レンタカーを借りてすぐの場所でエンストをしてしまい「自分、大丈夫かいな」という不安はありましたけれど…(爆)片道650kmという長距離でしたし、かなり疲れましたが、それでも十分楽しめました。ミュンヘンで暮らし始めてから、自分の家の近所の、まだ知らなかった場所を車で通り、色々な発見もありました。「久々のドライヴ休暇」をして楽しんだ日、と思うことにします。

今回運び切れなかった荷物は、テストが終わってすぐくらい、割と近日中にまた引き取りに伺います。一応大部分は運び終え、友人の了承ももらえましたし「試験前のあれこれ」は、これにて一旦終了しました。これで勉強に集中出来る…はずです!(笑)

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