【D】心配される治安悪化

Leben

僕は2025年現在、ドイツ・ミュンヘン在住です。ドイツ国内の大都市と言われる都市の中でも、比較的安全なイメージがあった街が大きく変化しつつあるかもしれません。今回は、ここ最近のミュンヘンの治安悪化問題について書きます。

つい先日、仕事が休みだったのでジムへトレーニングと買い物のため、数時間程出掛けておりました。自宅に戻ろうとした際、これまで見たことがないような大量の警察車両が道路を封鎖しており、自宅アパートへ続く道も封鎖されていました。立ち入りを制限するまさにその瞬間だったのか、テープを乗り越えて進む人たちがまだいるタイミングのようだったので警察官に「家がすぐそこなので入らせてください」と声を掛けましたところ「危ないから下がれ!」と言われ、長時間自宅に入れないという事態に陥りました。その後、建物内から避難するかのように人が出て来るのを確認しましたが、中へ入ろうとする人はいません。そして、近所の道路上には、人がだんだん集まって来て、心配そうにとあるアパートの方向を見る様子が確認出来ました。僕が住んでいるアパートもしくは、その隣接する建物内で何かが起こったかのようでした。

アパート前のバス停のベンチで待機している人に声を掛けると、どうやら武器を持ったテロリストかもしれない男がいて危ないので逃げて来たと教えてくれました。「そんなことが?!」と驚いていると、武装した警官たちが現れ、まさにこれから突入?!という状況でした。僕はその後、しばらく家に入れないなら…ということで、非番ではありましたが職場に向かいました。実は近所のジムに少しトレーニングに出掛けている間、携帯電話は自宅で充電中でした。トレーニングの際には、ジムのWifi環境で音楽を聴いたり、動画を見れるだけの、実質電話としてはかなり機能が制限された状態の古いスマートフォン…しかも電池がかなり消耗された状態のものを持ち歩いているだけだったので、何かあった際の通信手段が欠けていました。取り敢えず職場に行けば、同僚にも安全を伝えられるし、とにかく安心出来ます。そして、職場のパソコンから最新情報も調べられるかもと思い、早々に自宅前から離れました。

職場に着いて早速情報を調べて見ましたが、ついさっき「まさに今の今」起こったばかり、という状況だったので、インターネット上で特を情報を確認することは出来ませんでした。火災や爆発、都心のど真ん中で派手な事件が起こったということであれば、マスコミも迅速に動くことになるでしょうが、ミュンヘン市内のとある住宅街の一角で起こったよく分からない事件で、認知されていなかったのでしょう。一応同僚が僕の状況を上司に伝えてくれ、自宅に帰れないならとホテル部屋を確保しようかなどと動いてくれたようでした。しかし具体的に何が起こったのかを説明して欲しいと言われ、僕自身も結局詳細は分からないままなので困ってしまい「数時間後に一旦様子見で自宅には戻ります」と伝えました。しばらく経ってから様子見で一旦帰宅すると、警察車両が少々残っていたものの、通行止めの規制は既に解除されているようでした。近くにいた人たちに声を掛けて、ここで何があったのかと聞いてはみたものの、誰も様子を知る人はいませんでした。

翌日もインターネット上には情報が出ておらず、事件発生から2日後にようやく一部の情報を得ることが出来ました。以下、バイエルン警察発表記事の引用です。

500.     Polizeieinsatz wegen einer Bedrohungssituation – Ramersdorf

Am Samstag, 29.03.2025, gegen 18:40 Uhr, alarmierte eine 49-Jährige mit Wohnsitz in München den Polizeinotruf 110 und sie teilte mit, dass sie in der gemeinsamen Wohnung einen Streit mit ihrem 54-jährigen Lebenspartner hatte und dieser dabei eine Pistole vorgezeigt hätte. Sie fühlte sich durch diese Situation bedroht.

Sofort wurden viele Einsatzkräfte der Münchner Polizei zu dem Wohnhaus geschickt und es mussten Teile der Balanstraße für den Einsatz bis ca. 20:30 Uhr gesperrt werden. Die Einsatzkräfte konnten die Wohnung lokalisieren und der 54-Jährige konnte in der Wohnung widerstandslos festgenommen werden.

Er war deutlich alkoholisiert. Eine Schusswaffe konnte in der Wohnung nicht aufgefunden werden. Er wurde zu einer Polizeiinspektion gebracht und wegen einer Bedrohung angezeigt. Danach wurde er aufgrund seiner Alkoholisierung vorübergehend in Gewahrsam genommen.

Die weiteren Ermittlungen führt das Kommissariat 26.

URL:https://www.polizei.bayern.de/aktuelles/pressemitteilungen/082700/index.html

日本語にて要約をすると、49歳の女性が、共同生活をしていたパートナー54歳の男性とアパート内で口論となり、その際に男性からピストルを見せられたとして恐怖を感じ110番通報したとこのことでした。ピストルは見つからなかったそうですが、男性は脅迫行為で起訴されたとのことです。男性は酩酊状態で、一時的に拘留されたようです。

こうして概要を見てみると、非常に大したことが無い事件だったように思えるのですが、警察車両があまりにも多量で、何かとんでもない大事件が起こってしまったのでは?と心配になる程でした。結局武器も見つかっていないとのことで、単なる男女関係のもつれ、痴話喧嘩が大げさな方向に発展してしまっただけだったのかもしれません。

僕が個人的に気になってしまったのは、ミュンヘン市内の事件の多さでした。自宅アパート周辺の事件の詳細を知りたくてバイエルン警察のホームページを確認していたとき、ミュンヘン市内では日々かなり多くの事件が起こっていて、随分物騒なことが日々起こっていることを目の当たりにしました。僕自身はミュンヘン市内の狭い範囲で日常生活を送っており、特に気にならなかったというか、直接関わったり目の当たりにしたものではない事件が多かったので知らなかったのですが、大なり小なり日々事件は起こっております。残念ながら、ミュンヘン市であったり、バイエルン州だけの問題ではなく、ドイツ国内全体として年々事件数は増加傾向にあるようです。

ニュースを見ていると、ミュンヘン中央駅及びその周辺での事件数が増えており、ドイツ国内での「最も危険な駅」ランキングの上位にランクインしてしまっている状況です。警察官の動員数が増えているとの報道が確認出来ます。

僕は現在2ヵ所の職場に通っており、そのうちの1つに向かう際はミュンヘン中央駅を経由します。目下僕は夜勤の為、夜出社の際、仕事を終えて帰る際の早朝の時間帯にミュンヘン中央駅付近にいるわけですが、僕がミュンヘンに移り住んだ頃(別の仕事で夜勤に従事していた頃)と比べても明らかに雰囲気が変わりました。大きな声で口論する人たちや、殴り合いの大喧嘩をする人たち、原因不明ですが流血している人の姿を見る機会が増えました。僕がミュンヘンに移り住んだ頃(2021年)の時点では、まだ酔っ払いが転がって路上で寝ているだけ、自分で勝手に転んでけがをして血を流しているだけ、という状況がちらほらあった状況でしたが、現在は「事件系」という印象が強い、明らかに誰かに刺されたであろう人の姿を目撃することも増えました。ミュンヘン中央駅周辺は、アフリカ系及び中東系のドラッグの売人が多く、旅行者をターゲットにしている人たちの姿も多く見受けられます。僕自身もある時期よく「ニーハオニーハオ!チンチャンチョーン!」という感じで声を掛けられたものです。アジア人を馬鹿にする言葉なので無視していると、本人たちはキャッチーな挨拶のつもりだったのか、その後普通に「(違法薬物で)何か欲しいものある?」と声を掛けて来るのです。結構ぐいぐいアグレッシヴに絡んで来られたのですが、無視し続けているうちに絡まれなくなりました。もしかしたら、頻繁に同じ時間に同じ場所にいるので、認知されたのかもしれません。

僕が見つけた対応策は、面倒な輩とはなるべく目を合わせずに、完全に無視することです。何か一言でも話してしまうと、しつこく粘着されることがあります。相手を刺激することなくあくまで平静を装い、周辺に気を配ることも重要です。なるべく周囲の誰かに気付いてもらえるように、人通りの多い場所に早々に移動すると安心出来ます。中途半端に会話したり、刺激してしまうと、相手は刃物などの武器を持っていることが多いので、襲われる危険性が上がってしまいます。変な輩に声を掛けられたらなるべく戦わずに、無視してサッと逃げるのが賢明かと思われます。

ここ最近の傾向として、人々が攻撃的になっている点が挙げられるようです。些細なことがきっかけで殴り合いになったり、刃物で切り掛かったりという事件が増えているようです。僕はよくアフリカ系の人たちから、通りすがりにいきなり差別発言をされることが多いのですが、言い返さずに無視しています。見た目からして、力も身体能力も自分自身よりも優れていそうな人が多く、まともに戦って勝てる気もしないので、そもそも戦いを挑みません。彼らは力が強いだけでなく、かなり高い確率で刃物を所持しています。ドイツ国内のニュースで、刃物が関係する事件が増加していると多く報道されておりますし、僕自身も何度も刃物を持っている人たちの姿を目撃したことがあります。何かこちらが言い返したところで、逆上して襲われる可能性があります。歩いているだけでいきなり差別発言をされたり、ウザ絡みをされて、悔しい気持ちや腹立たしい気持ちを感じても、そこはぐっと堪えて無視、考え得る最悪の事態を回避することに努めています。

☟刃物を使った犯罪に関するニュース

ここ最近ミュンヘン中央駅周辺は、警察の見回りも非常に強化されているようで、身体検査をされている人の姿も多く見掛けます。僕は個人的に「夜でも安心して歩ける街・ミュンヘン」と長い間思っておりましたが、ほんの数年の間ででも大きく様変わりしてしまったようです。基本的にバイエルン州では、夜お店が閉まるのも早く、ドイツ全体と比較してもバイエルン州は比較的治安が良い方だとは言われてはいますが、深夜や早朝の時間帯は危険度が上がってしまうので、なるべく外を出歩くのは控えた方が良いかもしれません。

中央駅周辺にホテルを予約している旅行者の方々は、特に夜間や早朝の時間帯はご注意ください。

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