先日別記事にて紹介しました通り、僕は日本人の元同僚たちにドイツ語を教えることとなりました。今回は「朝活ドイツ語サークル」2回目の様子について書きます。
今回は、僕がドイツ語を教える元同僚2人ともが揃った日でした。それぞれ受ける予定の試験のレヴェルは異なりますが、B2レヴェルの試験合格を目指す方がB1レヴェルの復習から始めたいとのことだったので、今回のレッスン内容も引き続きB1レヴェルのもので行いました。以下便宜上、B1レヴェルの試験合格を目指す元同僚をAさん(仮名)、B2レヴェルの試験合格を目指す元同僚をRさん(仮名)と表すこととします。
実は僕が前回のように教材を準備しようとしていたときに、Aさん(仮名)から連絡がありました。「読解や作文は自宅で勉強出来るし、せっかく集まるなら口述試験、会話の練習がしたいです!」とのリクエストがあり、Rさん(仮名)もそれに同意しました。実は僕はあまり気が進まなかったのですが、実際に試験を受けるお2人からのリクエストとのことで尊重することにしました。Rさん(仮名)とは一度ご一緒しておりますが、Aさん(仮名)のドイツ語レヴェルは僕にとって全くの未知数なので、どの程度なのかを見極めるのが僕の中での今回のテーマでした。
telc B1レヴェル及びB2レヴェルの口述試験の様子が知りたくて、僕は複数のYoutube動画を参考にしました。色々見てみますと、Youtubeにはとても勉強になる良教材がかなりありますね!
※僕が個人的に良さそうだなと思った動画は、Aさん(仮名)とRさん(仮名)にも共有しています。
B1レヴェルとB2レヴェルの試験は、似ているような部分もありますがやはり少々異なっております。
まず自己紹介については、B1は設問の1番として設定されていますが、B2レヴェルでは単なる自己紹介は形式的に行うもののポイントにはなりません。サラッと自己紹介を行ったら、自らが選択したお題に沿ったプレゼンテーション(自らの経験談に基づいた内容なので、自己紹介の延長みたいな内容のもの)を行います。
試験対策に関わらず、自己紹介くらいは日常生活でも使えるようサラりと言えるようになっておいた方が良いので、事前に「自己紹介の文章を作っておいてください」とお2人に伝えておりました。
Aさん(仮名)は、かなり気合が入った長めの文章を用意してくれているようでした。チャットGPTが作った文章とのことでしたが、B1レヴェルの試験にしては文章も長く複雑な部分があり、負担が多過ぎる内容だなという印象を持ちました。完璧にスラスラ言えるようにでもなれば良いのかもしれませんが、「一生懸命暗記して来ました感」が出てしまうと、あまり印象が良くはありません。しかも、本人が十分に理解していないB1レヴェル配当ではない複雑な文章を頑張って暗記、いざ試験で言葉に詰まって間違えてしまったらもったいないです。口述試験前に許されている準備時間に原稿を書いてしまって、それを試験中に読むだけと言う状態になってしまっては0点扱いとなってしまうので、その点も注意が必要です。なので、自分で言える範囲のもっと簡単な文章で構わないとアドヴァイスしました。また、チャットGPTとやらは優秀かもしれませんが、ところどころ不自然で意味不明な(恐らく日本語から強引に訳した?)文章があったので、そこは訂正させてもらいました。
テストの雰囲気でお2人に披露してもらおうと思いましたが出来ず、自己紹介の部分はまた次回以降に持ち越すことに致しました。
続いてB1レヴェルの設問2番目の問題「Gespräch über ein Thema」に取り組みました。telc B1レヴェルのモデルテストとしてインターネット上に見つけた問題で、今回僕が準備したテーマは「将来の計画について」でした。パートナー課題でちょうど今日は2人の参加者がいるので、2人にそれぞれ課題の紙を渡しました。
Aさん(仮名)は分からない単語が多くあり、全く意味が分からないとのことで断念、Rさん(仮名)は課題をどう進めて良いのか分からずという状態でした。
まず最初の切り込み方として使い勝手が良い表現は、
Es geht um…です。
課題で実践的に使えるように、前置詞inも用いて
In diesem Artikel geht es um…の形で丸覚えしてもらうことにしました。
ドイツ語での議論が難しいとならば、では日本語で…ということで、僕はそれぞれに書かれてある内容を日本語で説明し、日本語でならどういった議論が出来そうかということでそれぞれの意見を話してもらおうとしましたが、特に思いつかないとのことでした。どう答えていいのか、どう進めて良いのかが分からない感じだったので、一例として僕が色々と課題で紹介されている意見にツッコミを入れてみました。
こういったパートナー課題は、共通のテーマについて「肯定的な意見」と「否定的な意見」の対比を行わせていることが多いです。もしくは全く異なる意見であることが多いです。また、その与えられたテキストの内容に自分自身が賛同出来る立場だったり、賛同出来ない場合もあります。今回のテーマでは、男性の意見と女性の意見でそれぞれ「子供が何人必要か」という意見がある部分があったので、Aさん(仮名)もRさん(仮名)も女性の立場からこの男性の意見にツッコミを入れても良いかもしれないとアドヴァイスしました。
お2人とも日本語であったとしてもすぐに思い付かないと言っていましたが、こういった試験で出て来るテーマはある程度パターンが読めて来るかと思うので、そのうち慣れてくるはずです。
今回気になったのは、語彙の問題でした。話し合いの進め方、課題への理解の点で、まだお2人には口述試験の練習はちょっと早いかなと思ったことでした。
以前僕がお世話になった語学学校の先生が、資格試験の勉強をする際に口述試験のトレーニングなんてものは最後の最後に少しやる程度で良いと仰っていたことが頭の中に蘇りました。まずは読解(Lesen)対策をしっかり行い、語彙を増やし、知っている語彙は作文でも書けるようにもなるし、口頭で言えるようになるという考えが基のようです。今回は、課題の内容も良く分からないという感じだったので、取り急ぎお2人に必要な部分は、もう少し語彙力を上げるところからのようです。
自己紹介の部分に関しては、あまり自信がないようなら早めから対策しておくのは良いかなと思われます。今後会う際には毎回、自己紹介から始めてもらい、スラスラ言えるようになるようトレーニングして行こうかなと考えております。
Aさん(仮名)が、別の用事があると途中で抜けた後、しばらくRさん(仮名)と読解のトレーニングを行いました。この日も時間はあっという間に過ぎ、朝早くに集まって昼過ぎまで勉強していました。カフェの店内は、僕らが一番乗りでガラガラだったのが、気が付けばほぼ満席でにぎやかな雰囲気になっていました。
今回(2回目)を終えての僕の感想は、お2人とも勉強へのモチヴェーションが非常に高く、僕がB1レヴェルやらB2レヴェルの試験合格を志した頃と比べ物にならないくらいです。Rさん(仮名)に関しては、特に伸び幅がかなり大きいと感じました。Rさん(仮名)は現在まだB1レヴェルの内容の復習なので、早々にB2レヴェルの試験対策に突入したいところです。
こうして一生懸命頑張る2人に関われて、僕自身も失われていた自信やまた頑張ろうというやる気を取り戻せそうです。