こんな酷く面白い経験をしたのは、初めてかもしれません。今回は僕が体験した、空港での悲劇体験について書きます。
先に簡単にオチを言いますと、ちゃんとした時間に空港にも行ったのにも関わらず、飛行機にも乗れず、旅行そのものが出来なくなってしまったという話です。
今現在勤めている会社で、上司から年内に休暇を使い切ってくれとのお達しと、僕のチームのスタッフが近日中に1名退職するということで、休暇日程の調整が行われました。別にどうしても行きたいというわけではなかったのですが、テキトーに申請した休暇日程で、日本行きのチケットが安かったので購入していました。僕は今年は既に2回日本に行っており、ヨーロッパ生活を始めてから異例の年3度目の日本行き!ということで心が躍っておりました。
通常、1年のうちに3度も日本に行くなんていう贅沢は考えられません。しかしそれを可能にしてくれたのは、格安の中国系のエアラインのお陰です。前回日本行きに利用しましたのは、中国国際航空(CA)で、なかなか良い印象を持ちました。
↓僕のYoutubeチャンネルにて、旅行動画を公開しております。よろしければ動画も併せてご覧ください。
今回の休暇で利用しようと思ったのは、中国東方航空(MU)でした。中国東方航空は、中国国際航空と並んで格安で、欧州在住者の間でしばしば話題になる航空会社です。「安かろう悪かろう」と言われたり「案外良い!」と言われたり評判がまちまちな航空会社です。僕にとっては純粋に興味があったので乗ってみたかったのと、テキトーに申請した休暇の時期がちょうど最安値だったようなので、迷わずチケットを購入したのでした。
まず、値段がかなり魅力的で、往復で618ユーロでした。預け荷物2つも込みなので、欧州在住者にとってはかなりありがたいところです。
前回は名古屋(NGO)行きだったのですが、今回は関西(KIX)行きです。値段だけで比較すると前回の航空券の方が大分安く見えるものの、名古屋から関西への移動のことを考慮すると今回のチケットも結構安くお値打ちなのです。そして、中国東方航空は、僕がメインでマイレージポイントを集めているスカイチームの一員の航空会社なので、かなり魅力的なのです。
今回は中国東方航空のチケットを購入したわけですが、中国東方航空自体は目下、ミュンヘン空港(MUC)には就航していません。所属アライアンスであるスカイチームのコードシェア便を利用して行きはパリ空港(CDG)、帰りはアムステルダム空港(AMS)を経由するルートの航空券でした。
今回の事件は、1便目のエールフランス(AF)便がきっかけで起こりました。僕が空港に向かう途中に、携帯電話のショートメッセージが届き「あなたの便はキャンセルされました」と連絡があったのでした。ドイツでは昨日からいきなり雪が激しく降るようになり、天候が影響でのフライトキャンセルかなと想像しました。(実際は、ミュンヘン側が原因ではなく、パリ側が原因とのことでした!)
今回は、僕は格安料金比較サイトに表示されたとある旅行会社からチケットを購入したので、まず空港に向かう列車の中から旅行会社のカスタマーセンターに電話をしました。すると「私たちのシステム上、あなたのフライトはキャンセルにはなっていないようです。取り敢えず空港に向かってください!そして、当日に何か変更があった場合は私たちは対応出来ず、空港にあるチケットオフィスの方対応となりますので、そちらで話をしてください」と言われたのでした。確かに、僕も元旅行代理店勤務ですので、そんな対応にもなるだろうなということは予想出来ました。
空港に到着し、ターミナルのチェックインカウンター近くのチケットオフィスと思われる場所に行きました。すると、奇妙なことを言われたのでした。
「あなたのチケットは中国東方航空のチケットで、私たちは対応出来ない。他のエアラインだったら私たちの方で代替便手配が出来るが、中国東方航空とは委託の関係にないので、自分で中国東方航空に電話をしてくれ!」
と069から始まるフランクフルトオフィスと思われる電話番号を渡されました。電話をすると、非常に感じの悪い女性が出て、僕が話している間に電話をガチャ切りして来ました。すぐに掛け直してもしばらく誰も応答しなくなりました。
そうこうするうちになぜかKLMオランダ航空(KL)から「代替便のお知らせ」のメールが届いたのでした。実質エールフランスと同じ会社だから不思議ではないのですが、この状況に於いてはややこしい!(笑)メールによると、ルフトハンザドイツ航空(LH)のソウル(ICN)便に搭乗出来るとのことでした。僕はソウル経由で大阪に飛べることになったようでした。ターミナルが違うので、割と急ぎ足で移動しました。
ルフトハンザドイツ航空のセルフチェックインを試みましたが出来ず、チェックインカウンターに直接向かうことにしました。するとそこでもとんでもないことを言われたのでした。
「あなたの最終目的地はソウル?大阪までの便は予約されていませんし、しかもソウルまでの便が予約されているだけでチケットは発券されていません。一度チケッティングカウンターに行ってください!」と言われ、チェックイン出来なかったのでした。
ターミナル内をかなり歩き、サーヴィスカウンターに立ち寄りました。状況を調べてもらうと、これまたとんでもないことを言われたのでした。
「他社のチケットを私たちがどうしろと?確かに記録を見ると弊社ソウル便が予約はされているけど、発券はされていませんね。発券がされていなければあなたは当然搭乗出来ません。発券の業務は、チケット元が予約と同時に行わなければならなくて、私が代わりに出来る内容ではありません。しかも…上海便?オランダ便?ちょっと!あなたの記録の中に複数便が予約されてあってワケが分からないんだけど!どういうこと?これ、何がしたいの?どうなってるの?とにかく、チケット発行元に電話するなりしてよそで解決してください、さようなら!」
と、突っぱねられてしまいました。言い方や態度に難はあったものの、このルフトハンザドイツ航空カウンターの女性が仰ったことはごもっともな内容だと思われました。僕が知らなかった事実も新たに告げられ、既にかなりカオスな状況でした(笑)
ルフトハンザドイツ航空のソウル便の連絡をして来たのはKLMオランダ航空だったので、僕はKLMのウェブサイトにログインし、メールのリンクからチャットサーヴィスを開始しました。すると、「チケット番号を確認したところ、あなたの航空券は中国東方航空のものです。自分で中国東方航空にコンタクトしてください」との返答でした。
「この代替便案内のメールは、あなたの会社からあったのですが?」と言っても「分かりません。チケット番号から察するに、中国東方航空のもので、このチケットに関しては私たちに何も変更を加える権限がありません。とにかく中国東方航空にコンタクトしてください!」
との返答で、何も話が進みそうもありませんでした。
中国東方航空に代替便の発券依頼をしようと再度電話すると、今度は非常に感じの良い雰囲気の女性が出てくれたのですが、また困ったことを言われてしまいました。
「本来、便をキャンセルしたのはエールフランスでしょ?これはエールフランスが対応しなければならない事案です!アグリーメントがない?!そんなことはありません!このような事態が起こった際は協力関係にあります!それにあなたが今電話している私たちはフランクフルト空港(FRA)のオフィスで、担当外です。ミュンヘンから出発出来る便の手配は、ミュンヘン空港のスタッフが行うべき業務内容なので、私たちに出来ることはありません。エールフランスに対応してもらってください。このルフトハンザドイツ航空のソウル便も私たちが予約した便ではないですし。今回、あなたは旅行会社からチケットを購入されていますね?旅行会社に相談してみては?今回のような件では、私たちは100%の金額の払戻に対応可能ですから、旅行会社に連絡してキャンセルして、高くはなるけど再度日本行きの航空券をあなた自身で買い直してください!」
と、自身でエールフランスや航空券を購入した旅行会社に連絡するように言って来たのでした。今回日本へは緊急の用事で行くわけではないですし、当日発券の高額な金額の航空券を買い直すという選択肢はありません。ちなみに、格安サイトで調べたところ、まだその時点でも当日発券可能な大阪行きフライトは、エミレーツ航空(EK)が最安値で1400ユーロ程だったようでした。
僕はまだ空港第2ターミナルにいたので、またエールフランス側の別ターミナルに移動しながら、再度旅行会社に電話をしました。旅行会社の電話もかなり混み合っており、かなりリズミカルな保留音が延々鳴り続けました。やり切れなくなったので途中リズムに合わせて踊り、周辺の人たちを笑わせておきました。正直言って、僕のこんなカオスな状況をコールセンターの人は対応したくないでしょう。電話に出てもらえても、何度も電話をたらい回しにされました。さらに、オペレーターが変わる度に「個人情報保護の観点から、あなたのお名前、生年月日、メールアドレスを答えてください」と言われまくり、5回目くらいから「あなたたちが勝手に社内で何度も電話転送してるんでしょ?何回言わせるの?」とやや切れ気味で対応してしまいました(爆)
旅行会社側の主張としては「私たちは航空会社からの指示がないので、別便の手配、再発券が行えません。今回の旅行は全キャンセルということで良いですか?しかしそれも状況確認が必要なので、今この場であなたに全額返金キャンセルが出来るかどうかは約束出来ません。何故なら、あなた自身が遅刻してフライトを逃した可能性もあるからです!」と、これまた不可解な内容だったのでした。
第1ターミナルのエールフランスのカウンター近くには、直近のパリ便に乗るはずだった人たちが並んでいました。僕が乗る予定だった便の後の便もフライトキャンセルされたようでした。僕は電話をしながら行列に並んでいて、旅行会社側の主張が聞けたところで、ちょうどカウンターから「次の方!」と呼ばれたので、電話を切りカウンターに向かいました。
すると「このカウンターではチケット業務は行っていません。今日ミュンヘンで足止めを食らった人のホテル手配や荷物のクレームのみで、チケットに関する問い合わせは全部電話で!はい、これ電話番号ね!」とかなり雑な感じで対応されたのでした。
僕は紙に書かれたエールフランスの電話番号に電話をし、状況を説明、ソウル便を至急発券して欲しいと伝えました。すると「あなたは電話をする場所を間違えているわ。あなたがチケットを購入したは当社ではないでしょ?中国東方航空にコンタクトしてください」とまた言われたのでした。
中国東方航空のフランクフルト空港オフィスの方に言われた内容が結構しっくり来たので、
「中国東方航空の人とも話しましたが、フライトキャンセルしたのはエールフランスで、エールフランスがミュンヘンから大阪に行ける便を手配しなければならないことになっていると言われたのですが?」と言うと、「それはその話をした彼女が間違っています。今回の責任は中国東方航空側にあり、私たちはこのチケットについて何の変更を加える権限もないんです。ミュンヘン空港にはオフィスないんでしたっけ?じゃあ電話するしかありませんね。それでは、素晴らしい一日を!」と強制クロージングされたのでした。話し方や声の感じはフレンドリーだったものの、なかなか酷い対応でした。
もうこれを最後にしようと思い中国東方航空に電話するも、誰も電話に出なくなってしまいました。そして、僕に代替便としてメール案内が来ていたルフトハンザドイツ航空ソウル便のチェックインクローズの時間が来てしまいました。
あぁ、もう終わった!
と、僕は落胆しながらも淡々と予約していたホテルやらイヴェント事をキャンセルし、帰路に就きました。
ケータイを見ると「今日あなたは当社にコンタクトされましたね?是非フィードバックを!」と、旅行会社やら航空会社からメールが複数来ていたので、全て「☆1」と「酷い対応をされた!」と回答しておきました。すると散々やり取りをした旅行会社と思われる電話番号から電話がありました。
「あの、この低い評価の理由は?何かお手伝い出来ることは?」と言われたので、僕の予約記録見てください!あなたたちに何も出来ることはないと言って電話を切ってやりました(爆)物凄いタイミングで、まさかのマーケティング電話でした!(笑)
今回僕が予約したチケットはやや特殊な形態で、旅行業界用語で言うところの「切込み」が行われています。中国東方航空のチケットに「切り込まれた」セグメントのエールフランスが第1便で、フライトキャンセルを起こしたことが事件の始まりでした。
ミュンヘン空港にエールフランスも中国東方航空も直接のオフィスを持たず、責任者が不在の状況です。そうなった場合に、委託を受けている空港カウンタースタッフが確認するのは、チケット番号とそのチケット発行元航空会社のアグリーメントですが、中国東方航空がミュンヘン空港から直接飛んでおらず対応自体がレアケースだったものと思われます。この航空会社はアグリーメントがない、確認のしようがないなどと言い、きっと確認するのが面倒だったのでしょう、対応を丸投げされました。
せっかく早々に代替便のお知らせメールが来ていたにも関わらず、その便のチケットが発券されていないというなんとも残念な、そして不可解なことが起こっていました。発券に関しての問い合わせをしようにもエールフランス、中国東方航空、格安航空券発行元旅行会社のこの全者に「私たちに責任や権限がない」と言われたらい回しにされ、本当に困り果てました。
全て口頭でのやり取りでしたし「こう言われた」と言ったところで証明も出来ず、さらにどの会社の誰が正しいことを言っているのか分かりませんが、とにかく僕は楽しみにしていた日本行きの旅行をキャンセルせざるを得なくなってしまいました。単にお金が返金されるだけでは悔しいので、今後はメールや問い合わせフォームを使い、このようなことが起こった場合の責任の所在を明らかにしてもらおうと考えております。
今回エールフランス/KLMオランダ航空が、僕に代替便のお知らせメールを送っておきながら、何故かチケットが発券されていなくて飛行機に乗れなかったこと、電話をしても「知らん」とその責任を負ってくれなかったことを強めに追及する予定です。後日返答が参りましたら、当ブログにて紹介予定です。ご興味のある方は是非、続きもお楽しみに。
楽しみにしていた日本行きが叶わなかったのはショック過ぎましたし、空港をあれこれ歩きながら、電話でもあれこれたらい回し対応をされてどっと疲れました。色々と悔しいですが、せっかくの休暇期間ですし、どうにか楽しく過ごして気を紛らわせたいものです。