【D】試用期間中の解雇宣告

Leben

職場にて、衝撃的な知らせがありました。今回は「試用期間中の解雇」について書きます。

まず最初に申し上げておきたいのは、今回職場で解雇されたのは僕自身ではありません。僕よりも後に入社したマネージャー格のとある男性スタッフが、上司からいきなり解雇を言い渡されたそうでした。

僕が夜勤の仕事に向かった際、僕と入れ替わりのスタッフがかなり興奮気味というかお怒りの様子でした。「グループチャット見たか?!」と言われたのですが、僕はそのグループにはそもそも入っていなかったので知らないと伝えました。マネージャーから「本日付でもう彼は従業員ではなくなった」とのメッセージが投稿されたとのことでした。以前別の記事でも紹介致しましたが、僕は現在特殊な労働契約を結んでおり、2ヵ所で勤務をしております。そのうち、今回の解雇劇があったのは「営業所B(仮名)」の方です。僕が入社してからまだ半年少々しか経過しておりませんが、既に複数の退職者がいて「人が長く留まらないところ」という印象がありました。解雇者が出たのは今回初のことです。僕のメインの所属である「営業所A(仮名)」は勤続歴の長いヴェテラン揃いですから、まさに僕が勤務する2つの場所は、真逆な環境です。結構人が足りていない状態で、休暇のプランが困難を極めている中、別に重大な犯罪事件を起こしたわけでもないスタッフの即時解雇ということで、職場は騒然としました。

随分とお怒りな同僚は、今回解雇を言い渡されてしまったスタッフとは同じ国籍で、仕事の上での関係も良好で、さらにプライヴェートも仲良くしているという間柄でした。なので、そんな仲の良い、懇意にしていたスタッフがいきなり解雇とのことで動揺が隠せない様子でした。プライヴェートで飲みに出掛けた際、少々仕事の話になり、その際に仕事量が多過ぎて大変だと言うことを聞かされたようでした。話を伺うと、確かに僕が聞いてもおかしいなと思える箇所がありました。それは、その彼が入社する前は、書類仕事の一部だけを扱う専用ポジションのフルタイム勤務スタッフがいて、そのスタッフのポジション名が「オフィスアシスタントマネージャー」でした。そのポジションにいた女性スタッフは、書類仕事がメインだったので、ホームオフィス勤務もしていて必ずしも出社が強制されてはいませんでした。しかし、その女性スタッフが退職後に「フロントオフィスマネージャー」という肩書で入社した男性スタッフは、ホームオフィスは一切許可されず、オフィスの事務仕事と現場仕事など、多数のポジションを任されたり、かなり多くのことを要求されているようでした。その彼は、僕よりも大分年齢の若い30歳ですが、業界経験自体は長く、僕も彼と少々時間が被って仕事をした際は、多くの面で学びを得ることが出来た程、しっかりしているし信頼の出来るスタッフだなと思えました。経験者採用ということで、いきなり高いポジションで雇われていましたし、期待もされていた部分は大きかったかもしれません。僕は夜勤スタッフなので、彼と一緒に働くよりも引継ぎを受けることが圧倒的に多かったのですが、少々仕事面の細かい部分で気になるところはあったものの、非常に優しくてさわやかな好青年で、さらに親日で僕には結構印象良く接してくれたスタッフでした。そんな彼がいなくなったということで、非常に残念な気持ちになりました。

遅番の同僚は「彼は本当に業務量が半端じゃない量だったけど、文句も言わずしっかり頑張っていたし、誰も彼のことを悪く言う人はいなかったはず!新しいスタッフが増えてもなくて人数もギリギリな状態でクビだなんて!」と怒っていました。そう、僕もそうかなとは思ったのですが、少し覚えがあります。実は、今回解雇になったスタッフが、とあるドイツ人上司にとても嫌われているという噂を結構前から聞いていました。具体的には何が気に入らないかは知りませんでしたが、ドイツ人の同僚たちの間では有名なようでした。僕が今回思ったことは、彼の「Probezeit(試用期間)」が満了してしまう間際に急いで解雇したのかなと思われました。

ドイツでは、試用期間中は双方自由に労働契約を解約することが出来ます。理由は問いませんので、何故かと理由を問われた場合に、答える必要もありません。会社側からの解雇という形になる解約の場合は、重大な法律・法令、または会社の就業規則違反、目に見えて成績や勤務態度などが悪いなどでない場合は、後腐れなくさっと終わります。実際は、上長の立場から「このスタッフが嫌いだから」という理由で解雇されることは珍しくありません。なので、お互い言いたいことやら本音を言わないまま、立場が弱い方が解雇される結果となるので、割とモヤモヤして終わるのです。僕の過去の出来事のように、あからさまに誰かと関係が悪い状況で解雇ということは、珍しいケースです(爆)特に、ドイツ人が…と言うよりか、ヨーロッパ系の方々は普段は上っ面良く、本心が分かりにくい感じで接している人たちが多いので、突然の解雇は割と寝耳に水という状況であることが多いかもしれません。僕は少々前に、偶然ドイツ人のとある上司がそのスタッフのことを嫌っているという話を耳にして、意外過ぎてビックリしてしまったのを覚えています。今回、ジェネラルマネージャーではなく、そのドイツ人のマネージャーが解雇宣告を言い渡したとのことだったので、職場では様々な憶測が飛び交う事態となりました。

職場での人間関係というのは、本当に重要な要素です。僕自身もこれまで、数度上司やら先輩から嫌われて解雇をされた経験があります。僕は残念ながら、結構立場のある人(特に日本人の「自称体育会系」の学生時代のノリが忘れられない中年男性と、日本人の「自称サバサバ系」の年上の陰険な女性)からは嫌われていじめられやすいキャラクターのようです。営業の仕事をしていた際は、営業成績は決して悪くなく、これから大きなプロジェクトを始める!という準備が整い始めたところで解雇、僕の立ち上げ掛けていたプロジェクトは見事に他のスタッフ(しかも憎たらしかった奴)に奪われるということも経験しました。非常に悔しかったですし当時は辛かったのですが、今思い返して見れば、人間関係が良くない職場には長くいなくて良かったです。とは言え、いきなり解雇になるというのは非常に精神的ダメージがあり、屈辱的なものです。「何で自分が?!」「自分ってこの世の中で必要とされていないのでは?!」と落ち込みやすいものです。若かりし頃は、僕自身もかなり悩んだり落ち込んだこともありました。

しかし、時が心を癒してくれますし、後々納得出来る瞬間はきっと訪れます。心地良いなと思える職場、良い人間関係を持てる場所は、世の中にはいっぱいあります。ご縁がない場所での出来事は、執着せずにサッパリ忘れられたら素敵ですね。

今回解雇されてしまった男性スタッフは、仲が良かったスタッフたちに対しても多くは語っておらず、彼がどう思っているのかは分からないそうでした。ある意味諦めがついているというか、業務が多過ぎたことや休暇の申請が認められなかったりと不満はあり、職場への未練はなさそうな雰囲気だったとのことです。彼には家族もいる状況ですし、自分から辞めますと言ったのではなく、割といきなり解雇を言い渡された状況なので、僕は誠に勝手ではありますが心中お察ししますという感じです。ただ、彼は業界経験も長く、ミュンヘン及び近郊には人脈もあるようです。さらに業界的にはかなり人不足と言われているので、きっとすぐに新しい職場は見つかることでしょう。ドイツの素晴らしいところは、試用期間中の契約解除は、必ずしも悪印象にならないことです。転職回数が多くても、仕事は決まります。むしろ、知識や経験が十分にあるならば歓迎されることでしょう。

今回、僕にとって好んではあまり行きたくない職場「営業所B(仮名)」から、割と好きだったスタッフが解雇ということで、非常に残念な気持ちにはなりましたが、今後彼が彼らしく働ける素敵な場所に出会えますよう、心から願っております。

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