先日の授業内の小テストにて、我ながら結構恥ずかしい間違いをしてしまいました。自分への大きな反省の意味も込めまして、今回は「n-Deklination」について書きます。
先日の別記事にも書きましたが、「n-Deklination」とは、
日本語でドイツ語を勉強されたことがある方には「男性弱変化名詞」と呼ばれているもの、と言えば分かるかと思われます。ドイツ語での文法用語では「n-Deklination」と呼ばれます。無理矢理日本語訳するならば「n-語形変化」でしょうか。男性名詞の単数1格(Nominativ)以外の語尾にnまたはenが追加されます。例外で中性名詞であるdas Herzも同様の変化をします。語尾にnまたはenが付くと、ぱっと見複数形と見間違えそうな紛らわしさがありますが、冠詞を見て、文法上単数形なのか複数形なのかを見極めます。
さらに、n-Deklinationが起こる名詞には次の3つの原則が当てはまります。
- das Herz(中性名詞)を唯一の例外とし、男性名詞のみで発生する。
- Nominativ(1格)単数形以外の語尾は、必ず(e)nとなる。
- 複数形でウムラウト変化しない。
ということです。
単数形男性名詞を複数形に変化させる際に、ウムラウト化現象が起こる単語はn-Deklinationしない、という原則は、テストの答案で迷いそうになった際に大きな手助けになりそうです。
また、n-Deklinationが起こる名詞の概ねの傾向としては、
- 語尾がeのもの
- 語尾がandのもの
- 語尾がantのもの
- 語尾がentのもの
- 語尾がistのもの
- (概ね)職業を表すギリシャ語由来のもの
- その他(Mensch、Nachbarなど)
というものが挙げられます。残念ながら全てルール通りではなく、例外も存在します。自分自身に関係がありよく使う単語、ドイツ語の教科書やら試験でよく出て来る単語はしっかりと覚えておきたいものです。
☆☆☆覚えておきたいn-Deklination頻出単語☆☆☆
語尾がeのもの
- der Experte
- der Insasse
- der Junge
- der Kollege
- der Kunde
- der Laie 素人、アマチュア
- der Neffe
- der Zeuge
語尾がentのもの
- der Patient
- der Präsident
- der Student
語尾がistのもの
- der Journalist
- der Polizist
- der Terrorist
(概ね)職業を表すギリシャ語由来のもの
- der Architekt
- der Automat
- der Biologe
- der Diplomat
- der Fotograf
- der Soziologe
- der Therapeut セラピスト
その他
- der Asiat アジア人(男性)
- der Herr
- der Mensch
- der Nachbar
- der Prinz
- der Soldat
特殊な例外(Genitivで+s) 例:des Namens
- der Buchstabe 文字、綴り、スペル
- der Gedanke 考え、思考、思いつき
- der Name
- der Wille 意思、意向、意図
- das Herz
この内容は、Aレヴェルの授業で習うものかと思われますが、Cレヴェルのクラスに参加している人たちでも結構間違える人が多いものです。
レヴェルに関わらずではありますが、n-Deklinationが出来ていないと、筆記試験では容赦なく減点対象となりますので注意が必要です。せっかく素敵な文章を書いたとしても、このような細かいミスで減点されるのはもったいないものです。
尚、DSHや一般的な語学試験の採点指標として採用されている採点基準では、同じ作文の中で同じ単語のn-Deklinationを複数回間違えた場合、WH判定(Wiederholung:繰り返し)がなされます。この判定は、何回間違えたとしても「1回の間違え」として数えられることを意味しています。ただし、別の単語の間違いは、当然別のカウントがなされます。なので、n-Deklinationが発生する男性名詞を複数、作文中に多用する場合は特に注意が必要です。