ドイツ語の前置詞には、格支配があります。今回は、その中でも珍しい⁈Genitiv(2格)支配の前置詞について書きます。
まず、とても代表的でよくテキストに登場するものから紹介します。
- während:~の間に
- wegen:~によって、~が原因で
- aufgrund:~によって、~のために
- infolge:~によって、~のために
- trotz:~にも関わらず
上記の前置詞は、C1レヴェルの授業の文法部分でも「Nominalisierung(名詞化)」で多く登場します。記述試験の際は、副文で単語数を稼ぐという戦略もありますが、名詞化の要素を取り入れることで、文章がすっきりとコンパクトになります。さらに2格支配の表現は、役所や弁護士からの手紙であったり、あまり一般的な会話等では使われないのですが、知識のアピールポイントとして、試験では加点ポイントとして期待が出来そうです。
駅や列車内のアナウンスで、aufgrund der Bauarbeitやaufgrund der technischen Störungというのはよく聞くので、ドイツで生活をしていると割と馴染みがある表現かもしれません。
「aufgrund + 2格」は、weil,da,zumalなどを使って副文を作る表現に書き換えることが出来ます。副文を登場させ過ぎると、同じような言い回しばかりのくどい文章になってしまうので、レパートリーとしてはやはり覚えておいて、そして使いこなせるようになっていて損はないです。
その他、2格支配の前置詞は下記の通りです。
- abseits:
- angesichts:
- anhand:
- anlässlich:
- anstatt:
- anstelle:
- außerhalb:
- dank:
- diesseits:
- entlang:
- im Falle:
- inmitten
- innerhalb:
- jenseits:
- mangels:
- mithilfe:
- mittels:
- statt:
- ungeachtet:
- unweit:
- zufolge:
- zwecks:
ちなみに教科書によっては、
- laut:~によると、~によれば
も、2格支配前置詞であると紹介されていることがあるようですが、現代では3格支配前置詞として理解されているようなので、筆記や口述試験で2格支配として利用すると減点対象となってしまうようです。この点については、C1レヴェルでお世話になった全ての先生に話を伺いましたが、全員同じ回答でした。
laut einer Studieやlaut einer Forschungなど、女性名詞の単数形で用いられる際は、2格も3格も同じ形なので問題ありませんが、その他の品詞・複数形の場合などには注意が必要です。