ドイツ語の助動詞のsollen(~すべき)とwollen(~するつもりだ)には、使い方によって大きく意味や文法表現が変わる用法があります。今回は、主観と客観について書きます。
まず言葉の定義について、日本語で紹介します。
- 主観とは、自分の好みや自分の考え方、見方を表すもの。
- 客観とは、調査データや数値など、普遍的なもの。
上記の内容を踏まえ、ドイツ語での違いについて述べます。
- Der Kommissar soll zuerst einer falschen Spur gefolgt sein.
- Der Kommissar will sich noch nie geirrt haben.
上述の例文は2つとも「主観」を表しています。イメージとしては、その場所にいない誰かの噂話をする場合を考えると分かりやすいかもしれません。助動詞のsollenなのかwollenが使われるべきなのかの判断は「他人が誰か他の人の様子を~らしいと表現したい場合」はsollenで、「(話題の登場人物が)自身のことについて話していることを誰かに伝える際に~らしいと表現したい場合」「~であると本人が言っていると表現したい場合」はwollenが用いられます。
主観/客観の内容は、本文の内容を見て判断されなければならないものですが、文法的に大きな違いが表れるのは「過去」を表す場合です。
「客観」は完了形、過去形(sollten/wollten)で表すことが出来ますが、「主観」は完了形のみ、語順は
- 能動態では「sollen/wollen + Partizip 2 + haben/sein」
- 受動態では「sollen/wollen + Partizip 2 + worden sein」
となります。
ニュース記事、雑誌等でよく登場する表現で、「(関係者の話では)どうやら~のようである」「(政治家や有名人などが)本人は~と話しているようだ」などという場面で用いられます。