先日起こったすったもんだ劇の末に、思わぬ展開が待ち受けていました。今回は、KLMオランダ航空サーヴィスエージェント詐欺事件について書きます。
僕は先週の金曜日、楽しみにしていた日本行きの旅行をキャンセルせざるを得なくなってしまいました。納得が行かなかったので、チケットを予約した旅行会社及び航空会社に苦情メールを書きましたところ、旅行会社からは今週月曜日に早々に連絡があり、その後迅速にキャンセル処理がなされ、クレジットカード宛への返金もすぐに処理されました。クレジットカードの減額・相殺明細はすぐに確認出来、今月分の支払いが確定していた額からも早速差引きがなされていました。
返金処理がとても早くスムーズに行われましたが、僕にはお金が戻って来ることよりも心待ちにしているものがありました。それは、航空会社からの回答です。トラブル発生時の責任の所在について明らかにしたく、かなり長いメールを送信していました。問い合わせからちょうど1週間経過し、ようやく回答が来たと思ったら、とても絶望的な内容でした。
es tut mir leid, dass Ihr Flug von München nach Paris am 22. November 2024 annulliert wurde.
Da die Verspätung bis zu Ihrem Endziel weniger als drei Stunden betrug, haben Sie keinen Anspruch auf eine Entschädigung gemäß EG-Vorschrift 261/2004.
Vielen dank für die Treue. Wir freuen uns, Sie bald wieder an Bord unserer Flüge begrüßen zu dürfen und hoffen, dass auch in Zukunft alles zu Ihrer vollsten Zufriedenheit verläuft.Mit freundlichen Grüßen
(※担当者氏名省略)
Air France Kundenservice
僕が長々と書いた質問等に一切答えず、「目的地到着まで3時間以内の遅延は補償対象外」とのまるで的外れの回答を送って来たのでした。そんなことは聞いていないし、目的地まで3時間以内の遅延どころか、最初の1本目のフライトが原因で旅行を全キャンセルせざるを得なかったこちらの身からすると、非常に神経を逆撫でするような対応に思えました。
しかし、このような回答になったのは、KLMオランダ航空(KL)及びエールフランス(AF)のウェブサイトの仕様の問題もありそうです。まず、苦情を申し立てる際に「どのフライトに関しての問い合わせか」と、フライトを選ぶ必要があります。驚くべきことに、僕にとって問題となった1便目のエールフランス便が選択肢として表示されなかったのです。僕が苦情を送ろうとしたタイミングで、何故か代替便として手配されていたアシアナ航空(OZ)ソウル(ICN)発関西(KIX)行きの便しか選べなかったので、仕方なくその便を選びました。正直、苦情を送りさえすれば、内容で判断してくれると思っていました。しかし、僕のメッセージを受け取って返信を送って来たスタッフがあまりにも頓珍漢で、アシアナ航空のステータスしか見なかったのでしょうか。そして僕が無事に代替便で日本に向かったとでも思ったのでしょうか。あまりにもシンプルかつ的外れな文章で、驚くと同時に呆れてしまいました。
これまでのことを色々と思い返して見れば、そういえばドイツ語スタッフはそもそも人数が少なく返信が遅い上、対応も非常に悪いです。ドイツ在住者でも、ドイツ語サイトからドイツ語でカスタマーサポートに連絡するのは推奨致しません。個人的に、英語でメッセージを送ることを推奨致します。
今回のドイツ語での酷過ぎる返信を目の当たりにしたお陰で過去の経験を思い出し、対応可能人口が多いであろう英語でメッセージを書き直すことに致しました。経験上、マイレージ会員ステータスがかなり影響します。次は何日目で返信がもらえるでしょうか。再度英語にてクレームを書き、送信することに致しました。
今度はどんな人が読んでも読みやすいようにと、時系列で箇条書き、細かくポイントをまとめた書き方に変えました。質問事項も、この部分は必ず答えてください!と強調して書き、証拠となりそうなメールや書面を添付して送信することにしました。
送信まであと1歩!というところで、ウェブサイト上で送信エラーとなりました。あとワンクリック!というところでなかなか前に進みません。時間を置いて、何度試しても無駄でした。痺れを切らし、僕はSNSの力を頼ることに致しました。
近年KLMオランダ航空やエールフランスは、SNSチームに力を入れていらっしゃるようで、24時間のサポート体制をしきりに宣伝しています。実際、僕が空港で困った際は全く役に立たなかったわけですが、ウェブサイト以外のクレームの送り先を聞くだけなので、何かしらすぐ答えてくれるだろうと期待しました。
僕がSNS上にて航空会社をメンションすると、すぐに複数のアカウントから返信を頂けました。(※注:全て詐欺アカウントでした!)
「私のアカウントをフォローし、ダイレクトメッセージにてあなたの名前、フライトのリファレンス番号、電話番号及びメールアドレスを教えてください!」
とのことで、一番早く連絡をくれたアカウント宛に自分の個人情報をシェアしました。(※注:自分の個人情報を明かしても問題なさそうなアカウントでしょうか?送信前に今一度ご確認ください!)
「ありがとうございます、次に通話可能な担当者からコンタクトがあります!」
とあったので、僕は書面で回答が欲しい旨を強調しました。電話では別に話したくないと伝えたのですが、対応がWhatsappとのことで電話を一度受けなくてはならなくなりました。
僕に一番最初に連絡をくれたのは、KLMオランダ航空のエージェントと名乗る電話番号が+254の番号の方、つまりケニアからの電話番号の方でした。(※今後被害者を出さない為、晒します!同一人物によるアカウントです!)
ご本人様には大変申し訳ないのですが、独特の訛りのある英語と、非常に聞き取りにくい声の方でした。それでも、一生懸命ご対応くださっている感じと、どこか優しく人を安心されるような話し方が印象的でした。一通り僕の苦情の内容を理解し「この度は迷惑を掛けて申し訳ございません、これからフォームを送るので、そちらに必要事項を記載してもらえますか?返金手続きに必要です」と案内くださいました。一度何やら確認をすることがあるとのことで「再度連絡する」と言われ電話を切られました。数分後、再度また同じ担当者と話をすることになりました。(※その時はすぐに気付きませんでしたが、再度連絡があったのは違う電話番号からでした!)
「先程はどうも!今フォームを送信しました!電話はこのまま通話状態にしてフォームに入力が完了したら教えてください!」
と言われ、通話をしながら携帯電話から必要事項とされる内容を入力しました。
僕としては、今回はただ航空会社に文句を言いたかったのと、空港で経験した各社からの「たらい回し」の責任の所在を明らかにして欲しい!というメールを送信したいだけです。実際、航空券は格安航空券を販売している旅行会社から購入、そして先日早々に返金処理がなされているので、KLMオランダ航空に「返金」を要求することはありません。そもそも、支払いを行っていないところから、クレジットカード宛にお金を「返金」なんて不可能です。僕のクレジットカード情報を教える理由がありませんし、送られてきたフォームにはあろうことか、クレジットカードのセキュリティコードまで記載するようにとありました。これはさすがにおかしい!と思い、質問をしました。
「全て記載してください!返金の為に必要です!」
僕はセキュリティコードを抜かして、送信ボタンを押してやりました。すると、電話の向こう側から「カード情報が無効だ!」との声が聞こえてきました。僕はすぐさま「御社宛に直接クレジットカードで支払っていないのだから、返金なんて出来ないんじゃないですか?」と言ってみました。すると担当者は「他のカードを試してみたい!番号とセキュリティコードを今口頭でお願い出来ますか?」と聞いてきたので「僕はクレジットカードは1枚しか持っていないし、そもそも、支払いに使っていないカードの番号やセキュリティコードをあなたに言うのはおかしい!」と言うと「クレームフォームを本社に送るためには必須なんです!クレジットカードの有効性のチェックが必要なんです!」とよく分からないことを言って来たのでした。僕はしつこく「御社宛にクレジット決済していないのだから、僕のクレジットカードにお金を戻すことは出来ませんよ?」と言いましたが引き下がりませんでした。
しばらくすると「じゃあ違う方法を思い付きました!今からあなたのメールアドレスにコードが届くので、そのコードを教えてください!その方法を試してみましょう!」と提案されました。
メールを開くと、何やら「Remitly」だとかいうサイトに僕がメンバー登録をした旨のメールが届いたのでした。すぐさま複数のメールが一気に届き、案内や広告っぽいものもあった中、僕がこれからどこかに送金する内容のメール、送金の際に必要となる数字が書かれたメールがありました。僕はこのRemitlyなるサイト及びサーヴィスは存知上げませんでしたが、すぐさまペイパルやらトランスファーワイズのような、簡単に国際送金出来るサイトであると認識しました。
「あなたへの返金額が計算されました!この額が返金されるので、すぐにコードを教えてください!」と、馬鹿げたことを言って来ました。結構前の段階から怪しさを感じていましたが、ここまで来ると「詐欺行為確定」です。
「僕がこれからどこかにケニアシリングで送金する画面にしか見えませんが?確認ですけど、あなたって本物のKLMオランダ航空のエージェントで良いんですよね?これ、詐欺ですよ!」
と言うと「誤解だ!もし私があなたに詐欺を働けば、私は仕事を失ってしまう!そんなことはするはずがない!どうか私を信じてください!あなたにメールが来ているので、コードを共有してください!」と言うので、「馬鹿!詐欺師!」と言って電話を切ってやりました。
残念ながら、氏名、住所、電話番号、クレジットカード番号(セキュリティコードは無事!)など、僕の個人情報は詐欺師の手に渡ってしまいました。よく分からないサイトにまで登録をされ、困ったものです。取り敢えず、クレジットカードはカード番号だけでも決済出来てしまうサーヴィスもあるので、こちらもすぐに対応をしなければなりません。僕はカード会社の24時間デスクに即連絡し、事情を説明、カード番号変更を伴うカード再発行手続きを依頼しました。幸運にも、連絡時どこにも不正利用の履歴はなかったそうです。
続いて、よく分からないRemitlyなるサイトにも連絡をすることに致しました。ライヴチャット機能があり、まるで日本語にも対応してそうなウェブサイトでした。日本語なら安心!と一瞬思いましたが、日本語対応スタッフは出てはくれず、英語で言いたいことを伝えておきました。
「自分自身で御社のサイトに登録をした覚えがないのだが、いきなり会員登録完了、これから送金する、送金の為に必要なコード等のメールが連続で送られて来ました。1つ心当たりがあって、KLMオランダ航空のエージェントと思っていた人と話している流れで、どうやら彼が不当に僕のお金を盗み取ろうとしています。ただちに僕のメールアドレスで開設されている口座と、お金を受け取る側の口座を凍結してください!詐欺です!」と伝えると、非常に迅速に対応してもらえました。
今後僕は利用することはなさそうなのですが、Remitlyなるサイトは結構優秀なセキュリティレヴェルのようでした。僕が促されるがままに入力してしまったフォームは、どうやらRemitlyなるサイトの口座開設にリンクされたフォームだったようでした。僕がドイツのIPアドレスから口座開設をした直後に、ケニアのアンドロイド携帯からのアクセスがあったようで、警告が作動していたようでした。そのこともあり、ライヴチャットの担当者はすぐにコンプライアンス部署に連絡を入れてくれたようで、無事に取引中止及びアカウントの停止確認メールが届いたのでした。
航空会社に苦情メールを送るだけだったはずが、こんな詐欺未遂事件に巻き込まれるなんていう、非常に貴重でエキサイティングな体験をしてしまいました(笑)当然、KLMオランダ航空のヘルプデスクには「詐欺未遂に遭った!」と報告を入れました。しかし、僕が連絡したエージェントも信頼に足りる人なのかどうやら、分かりませんが取り敢えず熱が冷めないうちに報告を入れておきました。(※注:僕が報告を入れたアカウントも詐欺アカウントでした!)ちなみにドイツの警察には連絡はしません。なぜなら「実害が出ていないから」です。個人情報が悪用された事実はありますが、これだけでは取り合ってもらえないでしょう。今後何かしらの被害が出てしまったら対応することとなりそうです。
KLMオランダ航空のX(Twitter)やWhatsappサーヴィスは、正直どこの誰かも分からない人からいきなり連絡が来て「あなたの個人情報をダイレクトメッセージで送ってください!」からやり取りが始まり、よく考えたら怪しさ満点です。ちなみに、僕が間抜けなのがいけなかったのですが、航空会社を語るSNSアカウントはほとんどが詐欺のなりすましアカウントで、航空会社とは一切関係ありません。ちなみにKLMオランダ航空は、情報発信専用アカウントのみ本物で、カスタマーサポートアカウントのようなものは目下ないそうです。つまり、全て詐欺だったわけです。何やってんだ、僕は(笑)
詐欺の手口として「返金します」と言って逆に送金リンクを送り付けるのは、日本でもある「税務署から還付金を受け取れるので、コンビニのATMに行ってください!」に通じる何かを感じてしまいました。よくよく考えたらおかしいけど、口車に乗せられて信じてしまう人が騙されるのです。僕はクレジットカードの特性を知っていたし、この手の詐欺師は得意分野です(爆)今のところ実害は出てはいませんが、今後何も問題が起こらないことを願うばかりです。何か起こりました際は、徹底的に戦います!当ブログ記事をここまでご覧くださった皆様は、どうかお気をつけくださいませ。
航空会社へは、公式ウェブサイトからコンタクトすべきで、余計なことを考えるべきではありませんでした。本日はずっとエラー続きでしたが、公式ウェブサイトにてメッセージが遅れるようになるまで、リトライします。