ついに、待ちわびていた情報が明らかになりました。今回は、「9ユーロチケット」について書きます。
まず「9ユーロチケット」とは、以前の別の記事でも紹介しました、ドイツ政府が発表しているEntlastungspaket（経済的支援）の一環で、公共交通機関の利用代金を値下げする施策です。急激な物価上昇に対応するため、エネルギー資源の節約、環境に優しい公共交通機関の利用を奨励する目的で発表されました。1ヵ月当たりの公共交通機関の定期代金が9ユーロになることから「9ユーロチケット」と呼ばれています。
いつどのタイミングで、どのように導入されるのかなど、ドイツ全国各地の公共交通組合との長らく協議が行われ、この度明らかになりました内容は、下記の通りです。
- 2022年6月~8月末日まで有効で、各月9ユーロで購入可。
- 2022年5月下旬より、各公共交通組合の券売機またはモバイルアプリにて販売。
- 適用範囲はドイツ国内全土の、特急列車を除く近郊区間列車及び地域間列車、地下鉄、トラム、バス等も含む。
- 定期券の定期購入縛りなし。
- 6歳以下の子供は無料、6歳以上は別途チケット購入が必要。
- 個人チケット扱いとなるため、他人への貸与は不可。
- 購入者はドイツ国内居住者に限定されない。
当初は、住まいの地域限定であったり、9ユーロ販売期間後も、定期券の購入を前提とするような話がありました。この条件であれば、ドイツに旅行で数日滞在されるだけのような方であったとしてもかなりお得なチケットで、購入は必須と言っても過言ではありません。
参考までに、ミュンヘン中央駅〜ミュンヘン空港ターミナル駅間は、片道12.3ユーロ（2022年5月現在）です。片道区間で元が取れてしまいます！
これまでドイツ国内では、特急列車を除く全国乗り放題のチケットは1人40ユーロ程度で販売されていたことはありましたが、1ヵ月間という長い期間をたったの9ユーロで利用出来るのは非常にありがたいものです。
地域間列車(Regionalbahn及びRegionalexpress)を利用すれば、乗り換え回数は多少発生するものの、かなりの長距離の移動も可能です。特急列車が利用出来ないが全国利用可能という点では、日本の「青春18きっぷ」のような感じです。1ヵ月9ユーロ、3ヵ月たったの27ユーロでドイツ国内の旅が堪能出来るのは非常に魅力的です。
これを機に、鉄道や地域の公共交通機関を利用して、色々なところに繰り出してみたいものです。
