間もなくドイツでは、公共交通機関のチケット代金の大幅な割引施策が行われる見込みです。今回は「Deutschland Ticket」について書きます。
「Deutschland Ticket」は、ドイツ政府が発表しているEntlastungspaket（経済的支援）の一環で、公共交通機関の利用代金を値下げする施策です。昨年2022年6月から8月末までの3ヵ月間の期間限定で行われた「9ユーロチケット」施策の続きとなるものです。昨年の施策からいくつかの点が見直され、今年2023年5月1日より利用可能となるチケットの価格は49ユーロとなったことから、通称「49ユーロチケット」とも呼ばれます。本日2023年4月3日に発売開始となりました。
通称「49ユーロチケット」こと、ドイチュラントチケットの概要は下記の通りです。
- 2023年5月~12月末日まで有効で、各月49ユーロで購入可。
- 各公共交通組合のHPまたはモバイルアプリにて販売。
- 適用範囲はドイツ国内全土の、特急列車を除く近郊区間列車及び地域間列車、地下鉄、トラム、バス等も含む。
- 定期購入縛り有り（1ヵ月単位で解約可能）。
- 6歳以下の子供は無料、6歳以上は別途チケット購入が必要。
- 個人チケット扱いとなるため、他人への貸与は不可。
昨年の「9ユーロチケット」と大きな違いは主に3点、
- 価格
- 購入方法
- 定期購入式チケットであるということ
です。
価格については、昨年が安過ぎた印象があります。ドイツ鉄道が販売している、優等列車以外のドイツ国内の列車が1日乗り放題になる「Quer-durchs-Land-Ticket」チケットが44ユーロ(2023年4月現在)です。1ヵ月間乗り放題という条件で49ユーロであれば十分お得です。ちなみに、ミュンヘン市内の範囲でしか有効ではない1ヵ月定期券が63.20ユーロ(2023年4月現在)なので、購入価値は既に十分あります。
購入方法については、オンライン限定です。チケットは、原則的にオンラインチケットではありますが、チップカードタイプのものもあります。その場合は、オンラインで購入手続きをしてから郵送で送られて来るので、10営業日程度の時間を要するそうです。僕はカードコレクターなので、敢えてチップカード（フィジカルカード）を注文しました。
チップカード（フィジカルカード）版は、不携帯の時点で罰金対象となります。日々使うスマートフォンに入れていた方が便利かと思われますので、僕のようなカードオタクでない限りは、断然オンラインチケット推奨です（爆）
「9ユーロチケット」との最も大きな違いは、定期購入式であるという点です。購入時に、引き落とし銀行口座情報の入力が必須です。購入は１ヵ月単位ですが、期間限定で持ちたい方は、解約手続きを忘れないようにしなければなりません。解約手続きをしないままでいますと、自動継続となります。目下49ユーロという価格は2023年12月末日まで有効で、2024年1月以降は値段が変わる、または居住地の定期券の契約に継続されるので、注意が必要です。
5月より12月までと8ヵ月間もの間月49ユーロで、ドイツ国内全域の列車が乗り放題とは非常にありがたいです。また以前のように、ドイツ国内の色々な場所を訪れてみたいものです。来月以降が楽しみです。
