【D】おいでヴィーズン

Leben

2022年オクトーバーフェストは昨日が最終日でした。最終日の様子がどうしても見てみたかったので、行ってまいりました。今回は、最終日の様子と今年のオクトーバーフェストを経験しての感想について書きます。

今年のオクトーバーフェスト期間中は曇りや雨の日が多く、結構寒い日の連続でしたが、最終日である10月3日はきれいな快晴で、過ごしやすい気温でした。以前別の記事でも少々触れましたが、10月3日は祝日「ドイツ統一記念日」で、オクトーバーフェストの開催期間は、この祝日が月曜日に当たる場合は月曜日までの開催となります。不規則なシフト制の仕事の方などでなければ、「3連休の最終日」です。僕は昼過ぎに向かいましたが、かなり大勢の人で賑わっているようでした。

僕はドイツ在住者となって以降、これまでオクトーバーフェストには何度か訪れているのですが、ミュンヘン在住者となってから初めてのオクトーバーフェストである今年、新たに気付いたものがありました。それは「Oide Wiesn」の存在です。

恥ずかしいながら、初めて「Oide Wiesn」という表記を見た際に、「おいでヴィーズン…日本語⁈」と思ってしまいました。近くにHerzlichen Willkommen!(ようこそ!)などと表記がなされていたもので、ほとんど疑いの余地はありませんでした…が、違います!(笑)

Die oide Wiesn(Oide Wiesn)は、伝統的な、そして一昔前のオクトーバーフェストを再現したものです。2010年にオクトーバーフェスト200周年のお祝いで開催されたことが始まりのようで、以降毎年行われているものではないようなのですが、今年2022年はOide Wiesnが開催されました。オクトーバーフェストの会場であるテレージエンヴィーゼの南側の一角に仕切られた場所があり、専用の入口から入場します。

オクトーバーフェストの入場料というものは基本的にはありませんが、このOide Wiesnには入場料が必要です。今年2022年は大人は1人4ユーロでした。入場料を支払うと、腕に巻き付ける短冊が貰えるので、それを身に着けます。尚、21時以降は無料だそうでした。

Oide Wiesnの敷地内に入ると、まるでタイムスリップをしたような世界が広がっていました。僕が初めてミュンヘンのオクトーバーフェストを訪れたのは、ドイツに移住した年である2011年でした。11年前と考えると結構前だなとも思えますが、このOide Wiesnはもっともっと古い時代の世界を表しています。昔のお祭はこんな感じだったのか、と歴史を感じながら、貴重な展示品や催し物を楽しみました。

ビールや食事が楽しめるテント内では、生演奏が行われているという点は、通常のオクトーバーフェストゲレンデと同じではありますが、演奏されている曲が伝統的な曲であったり、ダンスステージが用意されてありました。ダンスステージでは、伝統的な踊り(男性と女性のペアダンスや、鞭を振り回し音を奏でるダンス等)が披露されたり、一般の方々が自由に踊ることが出来るようになっているようでした。

ビールを注文しますと、陶器のジョッキで提供されました。通常のビールジョッキ1リットルでも結構重いのですが、このジョッキはさらに重かったです。サーヴィス係の方々はこんな重たいジョッキを複数運ぶわけですから、すごいなと感心致しました。

Oide Wiesnの敷地は3,5ヘクタールもあるそうで、色々見て歩くだけでも十分楽しめました。大行列であったため試しませんでしたが、木製のボウリングがあり、非常に盛り上がっているようでした。紐を引っ張った先で動くからくりが非常に面白かったです。

全体的に小さな子供連れの人たちが多く、一方悪ノリ、悪酔いの大人たちはほぼ見受けられず、Oide Wiesnの敷地内は非常に治安が良さそうな印象を受けました。正直僕は落ち着いたOide Wiesnの雰囲気が好きで、入場料を支払ってでもこちらでゆっくりビールを飲みたい、と思いました。今年初めて存在を知り、また毎年行われていないというこのOide Wiesnにやって来ることが出来、その良さを知れて幸運でした。次の開催時にもまた是非来たいものです。

Oide Wiesnを堪能した後は、オクトーバーフェストゲレンデへ繰り出しました。日中天気が良く暖かかったのですが、冬が近づいていることもあり、暗くなってから気温が落ちるのも早かったようです。しかし最終日ということもあってか、多くの人々でにぎわい続けていました。

元同僚と一緒に、Hofbräu Festzeltに行き、ビールと食事を楽しみました。

実はちょっと小腹が空いたという状況だったので、同僚とは、「1皿をシェアしましょう」という話をしていました。注文する時に、1皿で、フォークだけ2つ頂戴と言ったのですが、周囲が騒がしくてきちんと伝わったか怪しく、サーヴィス係の女性がやたら指で2!2!と合図をして来たので「もしかしたら2皿持って来るかもね」と冗談で言っていたらそのまさか!2皿運ばれて来た上に、会計時に金額を案内されてすかさず「プラスチップな!チップ!」という感じで、非常に強い圧を加えられたのでした。迫力のある非常に怖い感じの女性でしたが、気が付いたら同じテーブルでお客から奢ってもらったであろう酒を飲みながら、楽しそうにしていらっしゃいました。

オクトーバーフェストのサーヴィス係は非常に忙しく大変な仕事かと思われますが、その分のお給料やらチップ額は相当な額だそうです。聞くところによれば、オクトーバーフェストの開催期間の約2週間で半年分のお給料相当額が稼げるそうです。ドイツではチップは強制ではありませんし、いくら払うべきというルールが明確にあるわけではありませんが、こういう催し物の場合は、より良いサーヴィス係の方には、チップはしっかり弾みたいものです。

食事やビール、そしてテント内の雰囲気を楽しんだ後は、色々なテント巡りをしました。残念ながら人が多過ぎて通路で音楽鑑賞のみ、またその通路すらも突然警備員の方に「ここで立ち止まらないで」と注意され、長く過ごせる居場所が見つけられないままさっさと出ざるを得なかった場所もありましたが、それぞれの雰囲気だけは楽しめました。

演奏されている曲はどこのテントもほとんど同じですが、テント内の雰囲気が大きく違いました。もちろん、テントによって提供されるビールも、料理も異なります。色々訪れてみて「自分のお気に入りの場所」を見つけ出すのも面白そうだなと思いました。

ミュンヘン在住になったし、オクトーバーフェストには開催期間中たくさん行く気でいたものの、結局今年は実現出来ず仕舞いでした。ミュンヘン在住歴の長い方々の中には「オクトーバーフェストは観光客向けのお祭だし、別に1~2回行けば十分で飽きる」と言う方々もいらっしゃいます。僕は、今後もミュンヘンで暮らしていけるなら、また次の、その次も、色々巡っては楽しみたいなと思いました。レダーホーゼを身に着け、徐々にバイエルン民らしさに磨きをかけて「オクトーバーフェストガチ勢」に仲間入りを目指します(爆)

目下発表された情報によると、今年2022年のオクトーバーフェストの来場客数は約570万人、約560万リットルのビールが売れたそうでした。疫病の影響による不催行を2回乗り越えて実施された今年のオクトーバーフェストは、疫病流行前の2019年度と比べると、来場者数も売上数も大幅に減ってしまったようでした。

今年はいわば強行開催、という感じでしたが、疫病はまだ完全に封じ込められてはいません。今後疫病への不安や各所で行われている規制などが一刻も早くなくなり、通常通りの開催が出来るようになってくれることを願うばかりです。

疫病の心配がなくなったら、そしてロシア戦争がなくなり、旅行がしやすくなったら、その頃はどうぞ皆さん、ミュンヘンに「おいでヴィーズン!」

☆☆☆直近7日間指数☆☆☆

  • ドイツ全体  374,0
  • バイエルン州  534,5

※ロベルトコッホ研究所発表情報を参照(2022年10月4日)

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