【D】ドイツ勤労学生志望の転職活動記

今現在、僕はミュンヘンにて夜勤の仕事をしています。夜勤の仕事をしているのは、僕の夢であるドイツでの大学入学へのための資金調達及び語学学習(クオリティの高い午前中集中コース参加)のため、また、大学に実際に通えるようになってからも仕事を続けながら、経済的に不安にならないように勉強出来るようにという理由からです。今回は、転職活動と転職先の決め手について書きます。

僕が現在の職場を去ろうと思った理由は、別の記事にて少々紹介しております通りです。簡単に一言で申し上げますと、今後の予定を立て辛くする恐れが生じたからです。現在の勤め先での仕事へのモチヴェーションが下がったら、同時に転職へのモチヴェーションが急激に上がります。その勢いで今回は幸運なことに、転職活動そのものはスムーズでした。

目下ドイツでは「人手不足」と色々な業界で言われています。特に酷いのは接客を伴うサーヴィス業、疫病の大流行の影響でここ数年で大打撃を受けた旅行業であったり飲食業、小売業などです。それらは元々そんなに給与水準は高くない業界で、それでも一生懸命働いていた人たちにとって、疫病によって生活の全てを大きく変えられたことでしょう。仕事は好きだったのに…と思いながらも転職を余儀なくされた方々も多かったことでしょう。疫病が収束したところで「またその業界に戻りたいか」と問われれば、どれだけの方がまた同じ会社であったり同じ業界に復帰するのでしょうか。疫病だけでなく、ロシアによるウクライナ侵攻に始まるエネルギー問題、物価の上昇など、世界的にも不安定な状況の中で、今後の先行きについて不安に感じている方々も多いことでしょう。そのため、主に給与水準がそう高くない、サーヴィス業界の多くの会社で慢性的な人不足に陥っているのです。ただし、一見ネガティヴに見える状況も、考えようによっては「活況な転職市場」と言えます。特に、人気があまりなさそうな「ドイツ人がやりたがらないであろう仕事」は、在独外国人にとっては採用されるチャンスなのです。僕は夜勤希望なので、業界や業種はかなり限られてしまいますが、パソコンに保存していたかつての履歴書データを最新の情報へとアップデートし、求職活動を開始致しました。

お気づきの方も多いかと思いますが、近頃はインターネット上で何かを集中的に探し物をしていると、それらしき広告が多く表示されるようになります。つまり日常的に仕事探しをしていると、例え仕事探しのためにインターネットを利用していない別の用事の際にも、求人サイトであったり、求人そのものの広告が多く表示されるようになります。SNSの利用時にも多くの求人広告が出て来て、偶然表示された広告のうち魅力的だと感じた会社2社に応募しました。

すぐに連絡が来ただけでなく、非常にスピーディーな感じで面接がアレンジされ、すぐにでも人を採用したい!という気合が感じられました。今回僕が応募した会社は、ドイツ語と英語必須で、ドイツ語はB2レヴェル以上であることが条件のようでした。ポータルサイトから応募をする場合は、履歴書以外に添付ファイルを送ることが出来なさそうだったので、履歴書と語学証明書とドイツ滞在許可証を1ファイルにまとめたPDFファイルを作り、それを提出しました。僕のような外国人が求人に応募する際に、語学力やきちんとドイツに滞在し、働けるVISAを持っているかは必ず確認されます。出せる資料は先に先方に送りつけました(爆)先日の記事にも書きました通り、ドイツ語能力の証明に関しては、点数が低いのでどうしようか迷ったのですが、結局C1レヴェルの書類を提出しました。「C1パワー」かは分かりませんが、2社から面接のご連絡を頂けました。

面接では、やはり面接官から「英語で話しますか?ドイツ語で話しますか?」と出会った第一声で聞かれました。アジア人の見た目をしているので、この質問はどの場面においても日常茶飯事です。「全てドイツ語でお願いします」と言い、面接及び会社説明等はドイツ語で行われました。僕は以前、DSH試験の口述試験でとんでもないことをやらかしたので、ドイツ語を話す際、C1レヴェルの口述試験で注意すべきことを意識し、ややわざとらしいような表現を使ったりして、面接官を唸らせました(爆)試験での大失敗の巻き返しが転職の面接で出来て、非常に満足しております(笑)受けた会社のうち1社は、ギリシャ人の方が面接官だったので、僕のキプロス在住時のエピソードを語ったり、初級レヴェルではありますがギリシャ語を少々披露し、色々な言語や文化に興味がある旨をアピールしました。

正直よくハッキリとは分からないメールのお返事を頂いたのですが、結果2社ともに合格でした。1社、僕の現在の居住地から近い方の会社からは「良かったら体験入社(Probearbeit)に来てください」と言われ、早速参加して参りました。Probearbeitは、労働契約締結及び入社前にどんな雰囲気かを見る、会社の職場体験のことです。面接では、表面的な内容になりがちですが、Probearbeitでは実際に働く現場、そこで働く人たちと出会えます。僕は実はこれまで生きて来た中で初めての体験でしたが、ドイツでは一般的なようで、僕の現在の職場にも何人か来てくれたことがありました。残念ながら僕の現在の勤務先ではほとんどが「分かりました、もう結構です」とProbearbeitのみで本採用に至らず仕舞いであることが多かったです。ブラック企業であると見抜いて働き始めなかったのは素晴らしい!(爆)そのような感じで、Probearbeitの時点でならいくらでも内定辞退は出来るので、便利な制度です。

僕は実際、Probearbeitを通して、職場の雰囲気が気に入ったということもあり、早速「ここで働きたいです」と意思表示をし、正式採用の連絡、労働契約書の内容確認が行われました。

僕がその会社で働きたいと思った決め手は、下記の通りです。

  • 夜勤(固定勤務、将来変更も可能)であること
  • 現在の職場から大幅給与アップ!
  • 勤続年数に応じて休暇数アップ!(1年目の時点で既に今の職場よりも多い!)
  • 給与体系、昇格・昇給基準、ボーナススキームが明確であること
  • スタッフの国籍が様々で、国際色豊かな雰囲気ではあるがドイツ語がメインの職場であること
  • 同僚たちの雰囲気が良さそうだったこと
  • 上長の仰る「従業員みんなには長く勤めて欲しいので、居心地の良い職場作りをしたい」ということがまさに実現されてそうと感じられたこと
  • ヴェテランのドイツ人スタッフが複数在籍していること

です。人それぞれ重視するポイントは異なるかと思われますが、僕にとって転職とは「まずはお給料を含む待遇の良さ」を求めるものです。また、僕はせっかくドイツにいるので、出来ればドイツ系の会社、せっかく学んだドイツ語が日常的に使われる職場が良いと思っています。使用言語が日本語であったり英語メイン、または英語のみ、ドイツ人がいない外国人のみの会社は、転職の対象から外していました。今回は、これまで多く転職してきた中で「大成功」と言っても良さそうな程の満足度合です。

本日時点ではまだ本契約書の署名は済んでおらず、現職場にはまだ退職希望の旨は伝えておりませんが、もう間もなく僕の人生の新たな章が始まります。今度の職場では長く頑張れますように、気合を入れて「勤労学生」としてバリバリ頑張れますように…。

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