僕は目下、特殊な労働契約の関係で2ヵ所で勤務しておりますが、一方の職場で「とんでも事件」が発生致しました。今回は、その事件について書きます。
事件の舞台となったのは、僕が普段勤務している2ヵ所①営業所A(仮名)と➁営業所B(仮名)のうちの、営業所B(仮名)の方です。営業所B(仮名)は、過去に何度も当ブログにて紹介しております通り、何かと色々と問題が起こりやすい職場で、スタッフの入れ替わりが非常に激しい職場です。僕はまだ働き始めて1年半程しか在籍しておりませんが、在籍期間ではもはやヴェテランクラスと言っても過言ではないかもしれません(爆)既に数多くのスタッフが新たに入社しては去っていくのを見送りました。今回紹介するのは、とある新人スタッフが退職までに色々とやらかして来たことについてです。
営業所B(仮名)は、人の入れ替わりがやたら激しい職場ではありますが、とある瞬間から少々落ち着きを見せるようになりました。僕が入社して3ヵ月程度経過してからだろうか、アシスタントマネージャーのポジションに、経験豊富な女性スタッフが入って来ました。彼女は、新規で入社したスタッフではなく、別の拠点からの「異動」という形でやって来たのでした。温厚で、とてもフレンドリーなキャラクターなので、職場にもすぐ馴染み、多くのスタッフや顧客たちに愛されている存在です。そしてその彼女の入社後、数名同様に別拠点からの「異動組」がやって来ました。僕が現在お世話になっている職場のメリットは、ドイツ国内に複数拠点があるので、空きとタイミングが合えば職場を変えることが出来るということです。マネージャークラスになってしまうと、本人の意思とは関係ない異動も考えられますが、一般社員も公募出来る制度があるのは長らく知らなかったので、勉強になったのでした。そして、「異動組」のスタッフたちが増えてからは、人員はやや安定し始めたように思われました。これまで数人の退職者がいましたが、「異動組」の退職者は今のところゼロです。
僕が現在お世話になっている会社では、マネージャーの方針で、業界経験者しか採用されないことになっているという暗黙ルールがあります。社内で採用されている某システムについての見識があるかどうかについては必須ではなく、就職の際のアピールポイントになる程度とのことでしたが、実質そのシステム経験者のみが採用されているという実態がありました。昨年2024年の暮れに営業所B(仮名)で、ほぼ同時期に複数希望退職者が出てしまい、急遽2名の男性スタッフが採用されました。2名ともに業界経験もシステム経験も怪しい状況でしたが、新人スタッフ教育が充実してそうな特別シフトが組まれて対応されました。2名とも外国籍スタッフですが、ドイツ育ちでドイツ語は母国語話者レヴェルで、これまで営業所B(仮名)でカヴァーされていなかった言語が話せるスタッフでした。人当たりも良さそうな、さらに2人ともタイプは違いますが若くさわやかな「かなりのイケメン」で、ある意味期待されていました(爆)
新人2名のうちの1人、スタッフK(仮名)は、最初はかなり印象の良いスタッフでした。僕自身は2ヵ所で勤務している関係で頻繁に会うわけではないものの、そしてシフトが被ることは一切なかったのですが、顔を合わせる度にいつもフレンドリーな印象でした。仕事のやり方について「こうした方が効率的かも!」と積極的に提案していたようで、彼の意見が採用されたこともしばしばありました。あまり顔を合わせない僕にも、何度か「これどう思う?改善した方が良いと思わない?」と直接またはメールで聞いてくることもありました。僕の個人的なその当時の感想は、真面目で、業務に対して積極的だし、色々と気付く子なんだな~程度でした。しかし、僕が営業所B(仮名)に勤務する度に、複数のスタッフたちからスタッフK(仮名)について良くない話を聞く機会が徐々に増えて行ったのでした。
もう1名の新人・スタッフR(仮名)は、とあるヴェテランスタッフが辞めてしまったあとの穴埋め要員だったのに、実はシステムが一切使えない状態だったため、彼のために特別に長い研修期間が設定されました。夜勤希望スタッフだったので、夜勤担当の僕はもちろん、他にも経験豊富なスタッフ勢ぞろいの営業所A(仮名)で勤務日が設定されて、営業所A(仮名)スタッフ総出で研修サポートしたりもしました。スタッフR(仮名)に関しては、人当たりは一見良さそうではあったものの、遅刻常習の上、やる気がなさそうであまり業務中の態度が良くなさそうであるだとか、質問してくる内容が酷く、研修に携わった営業所A(仮名)のスタッフたちからの評判はあまり良いものではありませんでした。
スタッフR(仮名)が一通りの業務を覚えて、ようやく1人立ち出来る!という状況になった際に、営業所B(仮名)内の1人ポジションにアサインされるようになりました。基本的に彼が働くポジションは1人態勢なのですが、営業所B(仮名)のスタッフたちと度々口ケンカをしているようでした。最初に大きな問題となったのは、同時期に入社したスタッフK(仮名)とでした。スタッフR(仮名)とスタッフK(仮名)はまさに犬猿の仲だったようでした。
スタッフK(仮名)は、最初は非常に真面目でさわやかな好青年という印象だったのですが、実はとても自信家で、高圧的で偉そうな物の言い方をする人だったようでした。同じような時期に入社した、年齢も近い同期のような存在であるスタッフR(仮名)に対して、研修期間が長かったことを「俺なら2日で覚えられる内容」と馬鹿にしたり、彼自身が汚した箇所の掃除を命じたりしたようでした。僕が営業所A(仮名)でまったりと夜勤をしていた日に、営業所B(仮名)で夜勤をしていたスタッフR(仮名)から「侮辱された!」と怒りの長電話を受けることがしばしばありました。スタッフR(仮名)から聞かされた内容は、日に日に酷い内容になっていくのでした。イジメというか、聞き捨てならない内容も多く含まれたので、僕は「スタッフK(仮名)がそんなことを言ったの?即マネージャーに報告して!」とアドヴァイスしましたが、「他のスタッフと問題を起こしたって、俺がクビになったりしないかな?Probezeit(試用期間)だから慎重にならないと…」と何やら心配していたのですが、そんなことは関係ないし、事実なら大問題な発言だから即報告するように言いました。僕から他のスタッフにも伝えたところ、周囲のスタッフたちも大きな衝撃を受けたような反応でした。
僕が特にビックリした内容は、スタッフK(仮名)が「俺はここのマネージャーだ!俺の言うことを聞け!命令だ!」とスタッフR(仮名)に対して命令口調で話しているという点についてでした。スタッフK(仮名)は、スタッフR(仮名)と同時期に入社したいわば新人社員です。マネージャーやマネージャー候補採用という話も聞いていません。2人ともかなり若くて(※スタッフK(仮名)の方が年下)、お互い未熟な点はあるだろうに、スタッフK(仮名)はスタッフR(仮名)に対してかなり一方的に威圧的で支配的な態度だったようでした。他のスタッフたちから聞く話が結構とんでもなかったのですが、この話が一番衝撃的でした。スタッフK(仮名)がまさかそんなキャラクターだったなんて、と驚いていたのも束の間、僕自身も一度嫌な経験をする羽目になりました。とある日、僕が夜勤を終えて帰る頃に、スタッフK(仮名)が朝番出社で遅刻、謝罪も悪びれる様子もなく「5分待てる?すぐ来る!」と言ってロッカールームに行き、トータル5分では済まないなかなかな遅延をかましてくれました。引継ぎ事項を説明するときに、話を遮って別の話題でかなり上から目線で偉そうな口調で話して来たのでした。そして僕が発行した請求書や経費精算の方法について色々指摘をし「その処理で合っているけど?」と反論すると、いきなり激昂して「お前は馬鹿だ!」「常識的に考えろ!それにこの俺がやり方が間違っていると教えてやっているんだ!」などと言ってきたので、夜勤疲れもあり面倒だったので議論はせず「その処理で合っているし、問題だと思うならマネージャーに報告してください!あと出社時間は守りなさい!さよなら!」と即職場を後にしました。
その日の夜、再度営業所B(仮名)での夜勤中に、朝のことを思い出して腹が立ったのでマネージャーやアシスタントマネージャーに報告をしました。スタッフK(仮名)は、あまりにも問題行動が多く、他のスタッフたちも手を焼いているし、スタッフK(仮名)のせいで辞めたいと言うスタッフが数名現れたようでした。僕としては、スタッフK(仮名)は試用期間中の新人だし、彼がクビになれば良いのにと言うと、営業所B(仮名)の常勤メンバーたちが「実は…スタッフK(仮名)はマネージャーのお気に入りっぽい感じがするんだよね。結構特別扱いされているし、僕らの前で何度もスタッフK(仮名)はこれまで出会った中で最高のスタッフだ!なんて言っていたよ」と呆れ顔で教えてくれたのでした。マネージャーの前だけ「良い子ちゃん」を演じていたのだろうか、なかなかな難敵に思われました。
しかし、事態は急変し、突如スタッフK(仮名)の「Freistellung」が発表されました。「Freistellung」は、別の語では「Suspendierung」と言われることもあるのですが、いわば出勤停止のことです。
Freistellung (Suspendierung) bezeichnet im Arbeitsrecht die einseitige Anordnung des Arbeitgebers oder eine einvernehmliche Vereinbarung zwischen den Parteien des Arbeitsvertrages, einen Arbeitnehmer von der Pflicht zur Erbringung seiner Arbeitsleistung dauerhaft oder zeitweise zu entbinden.
僕の知識・経験上、職場から「Freistellung(Suspendierung)」が言い渡されるときは、解雇されるときとの認識です。「あなたは〇月×日を以て解雇されます。本日からその日までは出社義務はありません」と言う文言で通知されることが多いようですが、「出社義務はない」と言いながら、実質的には「もう通知されたこの瞬間以降会社に来るな、仕事をするな」という内容なのです。僕自身もかつて喰らったことがありますが、告知日に会社からの貸与品の返却命令が出て、職場のカギやパソコン、情報などを盗んだり、悪意を持って操作される恐れがあると思われるところへのアクセスが全て遮断されるのです。スタッフK(仮名)も同様の状態のようでした。
スタッフK(仮名)はProbezeit(試用期間)満了間近ではあったものの、ギリギリ期間中だったので、彼の試用期間満了日を以て契約終了ということになったようでした。スタッフK(仮名)は、自分がそのような事態に陥ったことがまるで信じられないといった様子で、出勤停止状態にも関わらず職場に現れては、マネージャーやら他のスタッフたちに対して「どうして俺が?!」と騒ぎ立てたそうだったのですが、誰も特に相手にしなかったそうでした。スタッフK(仮名)は、給料の心配をしたのか、契約満了日まではせめて働きたいと申し出たそうでしたが、その必要はないとマネージャーから帰宅を命じられたようでした。
後日スタッフK(仮名)の父親が、営業所B(仮名)のマネージャーを不当解雇及び息子が職場で酷い目に遭ったとして、弁護士を立てて訴えると騒ぐ事件があったようでした。ちなみにスタッフK(仮名)の父親は、別拠点ですがミュンヘン市内の同じ会社の人間とのことで、社内では一時騒然となりました。スタッフK(仮名)を気に入って贔屓していたマネージャーもまさかの事態で、非常に困惑していたようでした。
営業所B(仮名)のスタッフたちは冷ややかで、マネージャーがスタッフK(仮名)に何やら特別扱い(?)をしたことや、普段から他のスタッフたちの前で「スタッフK(仮名)は最高だ!」などと言って、間接的に他の頑張るスタッフたちを傷付けていたことが面白く思っていなかったようでした。弁護士を立てて訴えられる騒ぎになったところで「ざまぁ」と思ったスタッフも少なくはありませんでした。試用期間中に解雇されたことについて、訴訟を引き受ける弁護士がいるのかどうかは怪しいところではありますが、他拠点のヴェテランスタッフのパパが登場することで、事態はどのようになるのやら…。
ちなみに後日分かったことですが、スタッフK(仮名)が解雇されるに至ったのは、スタッフK(仮名)の傲慢な態度のようでした。マネージャーが他のスタッフの目の前でも過剰にスタッフK(仮名)を褒めまくり、スタッフK(仮名)自身も積極的に色々な業務に手を出すようになり、他のスタッフの業務を横取りするようになったそうでした。ドイツ語が母国語ではない外国人スタッフが多い中、ドイツ語レヴェルが群を抜いていたスタッフK(仮名)は、マネージャーやアシスタントマネージャーがやる書類業務にも口を出すようになっていったのでした。「今後この業務に関してはやり方を変えます!分からない人は教えるので、私の指示に従ってください!」などというメールを全スタッフに送る機会も増えました。そして思い上がった彼は「もう俺実質マネージャーじゃん?給料アップと他のスタッフたちよりも上の立場であることがしっかり分かる美しい肩書を付けてくれ!」とマネージャーに言ったことが解雇原因とのことでした。そして、他のスタッフから横取りした業務はどれも完璧ではなく中途半端で、後々問題になることもあったようでした。
一方、スタッフR(仮名)は、スタッフK(仮名)の「Freistellung」が発表された数日後、試用期間満了間際のタイミングで解雇されました。スタッフR(仮名)も「どうして俺が?!」「スタッフK(仮名)と違ってみんなとは仲良くやってたのに?!」とショックを受けていたようでしたが、彼が解雇された理由は非常にシンプルで、ただただ業務態度が良くなかった上に、散々注意されても改善されなかったミス連発が理由でした。スタッフK(仮名)から屈辱的な命令されたトラウマから、職場の掃除が嫌になってしまった彼は、別のスタッフから「帰る前にそこを片づけて!」と言われた瞬間に激昂し、マネージャー勢を巻き込んで「俺は掃除係ではない!契約書にも掃除しろとは一切書かれていないからやらない!」と主張したようでした。外注の掃除専門スタッフがやって来ますが、彼らが掃除をしてくれる時間と範囲は限られています。それ以外の部分で各自スタッフが自分で利用した部分は、各自で掃除するなりそれなりに清潔に保つというのは、契約書に業務内容として「掃除をすること」と具体的に書かれていなくても当然期待される内容です。
ほぼ同時期に入社した2名が、ほぼ同時期に解雇されたといったことは、これまでにはありませんでした。2名ともに、なかなかお目に掛かることがなさそうな強烈なキャラクターの若者でした。彼らが在籍した約半年間、思い返して見るとなかなかハチャメチャな、決して退屈することがない出来事が多かったように思われます(爆)
当ブログ別記事にも書いておりますが、試用期間中や契約更新前には問題発言や問題行動と思われる行動があると、解雇されるリスクが非常に高いです。なので、自分自身の価値の見極めは非常に重要です。今回解雇された2名は、自分は全く悪くないという自信に満ち溢れており、反省の様子は一切ありませんでした。さらに周囲が理由を直接教えてあげなかったそうなので、本人たちが何がいけなかったのか分からないまま解雇されてしまったようでした。ただ一方で、人手不足で困っている職場なのに解雇されたということは、自身に何か余程の原因があったから解雇されたという想像は出来ようと思われます。まだまだ将来がある若い人たちなので、反省すべきところは反省して、今後に活かして欲しいものです。
究極に人不足で困っている職場に採用された「期待の新人だった若手たち」が、一気にまたいなくなってしまいました。このタイミングで、これまで長く勤めたパートタイム社員の方の退職も決まっており、新人採用の話も聞いておりません。また営業所B(仮名)は人手足に陥ります。
これまでも色々とありましたけれども、今後どうなる営業所B(仮名)?!