【D】価値の見極め

僕現在、同じ会社ではありますが2ヵ所のオフィスで勤務しております。その職場にて、またまた衝撃的なことが起こりました。今回は「自身の価値の見極め」について書きます。

以前別の記事にて「試用期間中の解雇」について紹介致しましたが、今回はそれに似た内容です。有期雇用契約を結んでいた同僚が契約更新されず、実質的な解雇になってしまったという話です。個人的に素晴らしい同僚だと思っていた人でお互い仲良くしていましたし、実は結構前から色々と相談も受けていた仲だったので、そんな方が会社を去らなくてはいけなくなってしまったと聞いた時はショックでした。しかし、そうなってしまった要因は簡単に想像出来てしまいました。それがまさに「自身の価値の見極め」です。

ヨーロッパで働き始めて、僕は「言うべきところ・譲れないところはしっかり言う!」「交渉ごとは割と強気で行くのがちょうど良い!」「自分を安売りしない!」という点を学びました。特に若かりし頃は、物事や世間のことをよく知らず、都合良く使われるだけの存在でした。自分にはどんどん仕事の役割が増えて行くのに給料だけは上がらず、自分よりもどう見てもパフォーマンス面で低い、やたら病欠(ズル休み)するわ、言い訳や人の足を引っ張ることばっかりしかしないような人が、実は自分よりもかなり良い給料をもらっていたということがふとした瞬間に分かってしまってショックを受けることもありました。日本で会社員をしていたときに「いきなり上司を呼びつけて給料交渉をする」ということをしたことがないし、どうやってやれば良いのかなど、想像すらつかずに分からないことだらけで失敗も多く経験して来ました。僕の場合は失敗の経験がほとんどで、転職をする機会が圧倒的に多かったのですが、自分なりに色々と経験値を積み上げて来て「今だ!」とタイミングも見極められるようになって来たと実感しています。僕のようにあからさまないじめなどによる不当解雇や、職場環境が合わずにただただ辞めたいと思って行った転職はともかく、「出来ればずっとこの会社で長くお世話になりたい!」と思っている場所であれば、一層交渉術や自分自身の価値の見極めが重要になって来ます。

過去の記事にて紹介しておりますが、僕が現在勤務している2ヵ所の職場は、同じ会社で多少の違いはあるものの基本的に同じ業務をやっているはずなのに、本当に対称的な職場環境です。

  • 営業所A(仮名):公共交通機関でのアクセス良好、人間関係良好(10年以上の勤続者多数)、仕事内容はシンプル
  • 営業所B(仮名):公共交通機関でのアクセス微妙、人間関係険悪、仕事内容は複雑、意味不明で余分な業務多め

僕が職場に関する記事を書き始めてから随分経ちましたが、その後も状況は相変わらずです(爆)「問題の」営業所B(仮名)では、その後も激しく人員が入れ替わり、僕の宿敵は辞めずに残っている状況で、一度は解決したと思われる問題も相変わらず存在したままです。

営業所B(仮名)が恒常的な人手不足に陥っているところに、ようやくマルチポジション候補の頼もしいスタッフが入ったと思ったらとある事情で解雇されました。これまで大人しくしていたスタッフへの風当たりが強くなり、我慢の限界が来たと大波乱が起こったりしたのでした。そして、休暇シーズンに突入し、ギリギリの人員でどうにか耐え忍ばなければならない時期に差し掛かったのに、問題が色々と起こりまくりで各スタッフたちのストレスは計り知れない状態になっているのでした。

そんな中、非常に安泰だった営業所A(仮名)にも、白羽の矢が立ってしまう事態になってしまったのでした。営業所A(仮名)はいわば精鋭部隊で、問題が起こることはほとんどなく安定しています。長期休暇を取るスタッフがいて、ギリギリの人員で業務を回さないといけない状態なのは同じですが、ある時からより状況が悪い営業所B(仮名)をサポートする業務が追加されてしまうことになってのです。営業所A(仮名)のスタッフたちは「本当に営業所B(仮名)ってないわぁ!」と口々に文句を言いながらも、営業所A(仮名)の人たちの間では普段経験しないであろう珍しいハプニングばかりが起こるので、時には全員で爆笑しながらネタにしています。

営業所B(仮名)に出向をしなければならないスケジュールが組まれる際は、やはり若手社員が頼られやすいです。どうしてもスケジュール上難しい時は、マネージャークラスの方々も応援に行くこともあります。僕が営業所A(仮名)での勤務の日にいきなり「普段から両方で働いている君の方が営業所B(仮名)には詳しいだろうからシフトを代わって!」と強引に変更されることもしばしばありました。僕にとってオアシスである営業所A(仮名)の勤務日が減って非常に悔しい思いをしましたが、慣れない営業所B(仮名)でさらに夜勤となれば、営業所A(仮名)のスタッフが気の毒だし、ここは僕の出番だなと文句を言わず引き受けて来ました。このように営業所A(仮名)の多くのスタッフたちが、文句を言いながら、本当は嫌だと思いながらも協力をしてきた中、とあるスタッフが「営業所B(仮名)は本当に嫌なので、もう二度と行きたくない!」とマネージャーに相談したそうなのでした。マネージャーは「分かりました、どうしても営業所B(仮名)は嫌で、営業所A(仮名)のみでの勤務が希望なのですね」と確認をしたそうで、合意を得られたそうでした。

事態が一変したのは、営業所B(仮名)に新人が入ってきたが、そのスタッフがまさかの2週間で解雇になってしまったタイミングでした。営業所B(仮名)のスケジュールが激しく狂い、営業所A(仮名)スタッフへの応援要請が激しくなったのです。上司から「本当に1日、あと1回だけで良いから!どうか…」とお願いされたものをきっぱり断った同僚の契約延長がされないことが正式決定し、実質のクビになってしまったのでした。

実はもうあとすぐで契約更新という時期で「契約は通常であれば問題なく更新されるもの」「余程のことがない限り契約更新を断られることはない」とスタッフの誰もが思っていたところで、契約が更新されないという状況に陥ってしまったのでした。本人はかなりショックを受けていて、理由が何でなのかが分からなくて困惑している様子でした。

僕が以前、営業所B(仮名)にてしつこく僕に嫌がらせをしてくるスタッフへ上司を巻き込んで報復した際に、上司が僕のことを全力で守ってくださりました。その際に、いくつか気になったポイントがありました。

上司が僕のことを「貴重な存在」だと言ってくださったのですが、

  • 営業所A・B(仮名)双方で勤務可能
  • 夜勤フルタイムシフトで勤務可能
  • 他のスタッフが嫌がる業務(僕個人的には嫌な仕事だと思っていない)に対応可能

という点でかなと思われました。ある時、営業所A(仮名)のヴェテランスタッフと雑談をした際に、営業所B(仮名)にてあまりにも酷い嫌がらせを受けていて、日常生活(大学生活)に影響が出るくらい疲れるので、営業所A(仮名)のみの勤務にして欲しいとマネージャーに相談しようかなと言ったことがありました。「気持ちは分かるが、その話題をするのはちょっとタイミングを気を付けた方が良い!」と釘を刺されました。僕にとって営業所B(仮名)が嫌な理由は、しつこく嫌がらせを行ってくるスタッフが1名いることだけで、業務上の不満は特になく、他のスタッフが嫌がっている理由とは少々異なります。働き始めた頃に、同じ会社の同じ内容の仕事のはずなのにやり方が全然違い、営業所A(仮名)の方がシンプルで効率的なのに…などと思ったこともありましたが、それぞれの職場での業務のやり方に慣れてしまってからは、不満に感じることは一切なくなったのでした。むしろ営業所B(仮名)のやり方でどんどん仕事の処理が早く行えるようになってからは、心の余裕も出来るようになったのです。上司に悩み相談をした際に「営業所B(仮名)はもう嫌だ!営業所A(仮名)だけで働きたい!」などということは一切言わずに、ただただ嫌がらせをしてくるスタッフがいて困っていることだけを言うと、上述のポイントを挙げて僕を擁護してくださったのでした。

今回契約を切られてしまうことになったスタッフは、僕よりもずっと若く、しかし入社歴は僕よりもちょっと先輩の方です。かつて一度働いたことがあった出戻りの方で、以前の仕事の評判はかなり良く、極度に人不足のタイミングで復帰したので歓迎されたそうです。しかし、復帰後に色々とワガママが多い上、営業所A(仮名)内でのシフトにもあまり協力的ではなく、周囲は結構我慢していたようでした。さらに営業所B(仮名)が困っている状態で、他のスタッフも本当は嫌だと思いながらも協力している中、1人だけ一切の協力を拒否したことが響いたのでは…と、ご本人以外の全スタッフが想像しております。当のご本人は「ここはドイツ!言いたいことハッキリ言えるはずだし、契約書には営業所A(仮名)の勤務のことしか書かれていないから営業所B(仮名)の仕事を断ったことが契約延長を断られた理由にはなり得ないはず!」「どうして私が?!」と思っていらっしゃるようです。僕にも契約が有期契約なのかと聞いて来て、僕の契約書は最初からいきなり無期限契約書だと伝えると、フェアじゃない!と怒り出してしまう場面もありました。

僕の現在の業務・契約内容は、一般的に「ほとんどの人がやりたくないと思う要素」が多く詰まっています。人員確保が難しく、長らく短期バイト~契約社員の派遣会社(Zeitarbeitsfirma)に頼っていたそうでした。しかしZeitarbeitスタッフですら安定的にずっと来てくれて「任せられる」スタッフがおらず、色々と問題があったそうでした。僕にとっては以前の会社で色々不満があってちょうど辞めるには良いタイミングでしたし、多くの人がやりたくないと思うことが僕にとっては特別苦ではないしむしろやってみたいと思う内容で、利害が完全に一致したのでした。他のスタッフは有期雇用契約からスタートのようですが、僕は6ヵ月間の試用期間があるものの、最初から無期限契約のオファーがあり、元々印刷されていた契約書のボーナスのパーセンテージも、契約書を渡されるタイミングにて、手書きでより良い数字に書き換えて頂けました。これは想像なのですが、マネージャーがこの条件で働いてくれるスタッフを逃してたまるか!と言わんばかりに、僕が辞めにくくなるようになさったのかもしれません。そして、僕がとあるスタッフからの嫌がらせで困っていると相談した時には、「こんなことで辞められては困る!」と力を貸してくださったのかもしれません。このように、同じ会社内でも個人個人で条件が色々と異なるのです。

今現在、社内的に人手が足りていない状況ではあります。しかし、条件が合わないと割と容赦なく解雇、契約更新されないということを知り「ここはシヴィアな会社だなぁ!」ということと、自分自身の社内価値、状況、上司との交渉タイミングを見極める重要性を改めて学びました。

一方営業所B(仮名)では、そもそも長く続く人自体がいないので、まだまだ多少のワガママは許されそうです。取り敢えず時間通りに出社・退勤してくれるスタッフというだけで重宝される環境かもしれません(爆)自分自身の価値をこれからも引き続き向上させつつ、ストレスを溜めぬよう良い塩梅でワガママも言いながら、細く長く頑張って行けるようにしたいものです。

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