先日、telc C1 Hochschule の試験を申込みました。今後試験日当日まで、毎日勉強しまくりな日々が続きます。今回は、筆記試験(作文)対策について書きます。
telc C1 Hochschuleの試験は、他の一般的な語学試験と同様、4科目あります。
- Leseverstehen
- Hörverstehen
- Schriftlicher Ausdruck
- Mündlicher Ausdruck
科目ごとにそれぞれ設問の種類がありますが、筆記(作文)試験については問題は1種類、1問のみです。問題用紙には課題が2つ用意されていますが、自分にとって書きやすそうなテーマを1つ選び、作文します。
この課題では、必ずThese(命題)が2つ用意されてあります。このTheseは、格言であったり、何かに対する主張が書かれてあります。そして、2つは相反する内容であったり、異なる立場の内容であったりします。これらのTheseを用いて、「論述」するのが課題です。
ドイツ語では、このような論述作文はErörterungと呼ばれます。そして、Eröruterungにはいくつか種類があり、課題として多いのが
- Dialektische Erörterung(Kontroverse Erörterung)
- Lineare Erörterung
です。他にも種類はありますが、ここでは割愛致します。上記2種類の大きな違いは、
- Dialektische Erörterung(Kontroverse Erörterung)
では、作文のテーマとなる話題に対して、いくつかの異なる視点からの論点を提示、客観的な事実、自分自身の体験例、科学的証明などを用いて論述し、最終的に自分自身の「はいかいいえか」「肯定か否定か」という立場を明らかにするというものです。設問が「~すべきであるか」というような「はいかいいえか」で答えられる質問文になっています。
一方、
- Lineare Erörterung
は、設問が「なぜ~なのか」「どのように~されるべきか」などというような「はいかいいえか」では答えられない質問文で、一つの立場から論述するものです。
telc C1 Hochschuleの試験で求められているものはDialektische Erörterung(Kontroverse Erörterung)で、書式が決まっているので、その通りに当てはめて文章を作成していきます。
設問例:
- 大学における「グループワーク」について、自身の経験を踏まえて利点、欠点を述べ、自身の立場を述べなさい。
このような問題では、まず自分自身がグループワークに対して肯定的か否定的かの立場なのかを考え、双方の考えられる主張を列挙します。
まず、Erörterungは、日本語の作文と同様
- Einleitung(序論)
- Hauptteil(本論)
- Schluss(結論)
の構成で作成します。
Einleitungは「読者を引き付ける」という意味で重要で、必ず書く必要があります。長く書く必要はなく概ね2~3文、長くても4~5文で十分と言われております。
Hauptteilは、いよいよ論述をしていくのですが、ここでは自分の意見は書きません。なるべくIchから書き出すような主観的な文章は避け、ただただ客観的に論述します。肯定や否定の立場の意見をそれぞれ示し、結論へ導きます。書き方としては、自らが支持する立場ではないものから先に書き始め、その後自らの意見に近い主張や論拠を述べると良いとされています。それは、文章を読む側にとって、後半に行くほど重要な論点(自らが主張したい内容)が示されている方が記憶に残りやすいと言われており、ドイツの日本で言うところの中学校や高校に当たる学校、及び高等教育機関ではErörterungを書く際の形式は「こうあるべき」と教えられているようです。
Schlussでは、Hauptteilの論点を軽く整理し、ようやくここで自らの立場を明かします。文章の結び方は課題の種類によりますが、「~は~であるべきである」や「~は今後~となることが予想される」という感じで締めくくります。
この試験は70分間の試験時間で、概ね350単語程度でまとめる必要があります。350単語程度の文章を書くのは、Erörterungの形式をきちんと意識すればそう難しいものではないかと思われます。逆にこの形式を知らず、ただただ設問にあるように「自身の経験」「利点や欠点」というところだけに注目してしまって、自分の意見・感想文のような文章を書こうとしてしまうと、書くのが割と大変な量です。論理的で、説得力のあるErörterungの「形式」「構造」が求められている試験ですので、文章を書き始める前に、しっかり話の流れの構成を意識することが重要です。
また、この試験はC1レヴェルの試験であるということを忘れてはなりません。C1レヴェルの試験では、ヴォキャブラリー・表現方法の多様性を示す必要があります。単純な言い回し、同じような表現を何度も使用すると点数を稼ぐことが出来ません。なので、参考書などから気に入った表現があれば、ノートに記載したり、反復練習をして試験の際に実際に書けるように訓練しておくと良いかと思われます。
☆☆☆覚えておきたいドイツ語試験Erörterung対策用表現☆☆☆
- Heutzutage wird kontrovers über… diskutiert.
- Laut einer aktuellen Studie…
- In dieser Situation stellt sich die Frage, ob…
- Daraus ergibt sich die Frage…
- Der Vorteil(Nachteil) von… ist…
- Gegen diese Argumentation ist allerdings einzuwenden, dass…
- Dafür lassen sich viele Beispiele nennen, wie…
- Ein anschauliches Beispiel dafür ist…
- Betrachtet man die Argumente, muss man zum Schluss kommen, dass…
- Ich vertrete den Standpunkt, dass…
↓試験対策の内容については、僕のYoutubeチャンネルでも動画で紹介しています。よろしければ併せてご覧ください。