【J】日本のPCR検査事情

Leben

日本に一時帰国し、ヨーロッパに戻ることになりました。今回は、ヨーロッパへの帰国準備・日本でのPCR検査事情、自分自身が実際に経験した点、とりわけ僕自身が感じた疑問点について書きます。

目下、ヨーロッパの多くの国では、一般の旅行客の方は入国制限が行われてしまっている状況ですが、僕はドイツでのVISAを持っているので、入国自体は問題ありません。

現在、僕の知り合いの方々のヨーロッパ在住者の多くも日本への一時帰国中、または近いうちに里帰りをご計画の方々が多いようです。ヨーロッパ在住日本人にとっては、日本に一時帰国後ヨーロッパに再度戻ることは可能な状況ですが、「新型コロナウィルス陰性証明書」の要件については常に注意が必要です。ヨーロッパから日本へ来るのは容易でも、日本からヨーロッパに向けて渡航するにはややハードルが高いと思われます。

まず、僕は2020年12月中旬に日本にやって参りました。その際は、日本への入国もヨーロッパに戻るのも比較的簡単でした。その当時の大きな点は、ヨーロッパから見た日本の評価が「危険度の低い国」と評されており、必ずしも「新型コロナウィルス陰性証明書」を提出する必要がなかったことです。現に僕の友人は、僕とほぼ同じ頃に日本に一時帰国し、2021年1月初旬頃にヨーロッパに戻りましたが、その際には「陰性証明書」が不要でした。僕もそろそろヨーロッパに戻ろうか、と色々と準備をしている間に状況が一変してしまいました。日本国内でのいわゆる「変異種」が相次いで発見されたことを受け、日本は「危険度の低い国」ではもはやなくなってしまったのでした。

僕はドイツに戻るのですが、オランダの航空会社KLMオランダ航空を利用します。なので、オランダとドイツの要件を調べる必要があります。

※ついでに申し上げますと、キプロス在住時に休暇用に購入していたチケットだったため、KLM利用部分はギリシャ発着のチケットとなっており、特に用事がないギリシャにも飛びます。

入国要件はこちらのサイトが非常に調べやすいです。>>URL:https://www.traveldoc.aero/

このサイトのお陰で、最新情報が簡単に調べることが出来て便利です。僕のように乗継便がある場合でも問題ありません。(乗継便検索は3フライトまで)

https://www.traveldoc.aero/ サイトのイメージです。

次に、新型コロナウィルスの検査についてですが、調べると色々な用語が出て来ます。いわゆる「PCR検査」という用語は一般的ですが、実は検査には種類がいくつかあります。自分自身が行きたい国や経由地の要件を満たしているかを注意する必要があります。

僕の場合は、兵庫県内の地元で「PCR検査を受けたいのですが…」と保健所にご紹介を受けたところや、自分でインターネットで調べた様々なクリニックに電話で問い合わせをして確認しました。すると、多くのクリニックからの返答で次のような問題点が見受けられました。

  1. 検査費用がやたら高額(30000円以上)であること。
  2. 「適切な」陰性証明書が発行されないこと。

まず費用については、日本国内の検査は結構高額です。「保険が効かないので自費となります」というご説明を何度も受けましたが、僕が以前住んでいたキプロス島内では僕が生活していた頃で60ユーロ以内が一般的でしたし、今現在は35ユーロ程度と随分値段が下がったようです。

ドイツも日本円に換算して10000円程度のようですから、日本がいかに高額かということが分かります。

ヨーロッパ内での場合は、費用には英文証明書は含まれております。日本の場合、英文の診断書はかなり高額な「別料金」として設定されていることが多く見受けられました。

インターネットで検索をしますと、非常に安価な検査キットの販売サイトやクリニックの案内が出て来ることもありますが、結構落とし穴があります。それは、「海外渡航用」と選択すると金額が一気に跳ね上がったり、陰性証明書についてかなり小さな文字で色々と注意書きがなされていることです。

陰性証明書については、国によっては特定のフォーマットが必要なケースもあるようですが、目下ヨーロッパ行きは「この書式でなければならない」という厳密なフォーマットは必要なさそうです。陰性証明書ですから、「Negative」という表記、名前、パスポート番号等のID番号、検査日時、検査方法が英語で記載されていれば問題ないと思われます。

僕が見たところ、検査費用が安いクリニックや郵送タイプの検査キット販売業者のウェブサイト上で、

  • 「当クリニックで発行する陰性証明書は、海外渡航用としてはご利用いただけません」
  • 「英文やその他言語は対応していません」
  • 「飛行機の搭乗・入国を拒否されても当クリニックでは責任を持ちません」

といった文言を多く見受けました。

僕の地元(兵庫県内某所)では、そもそも近所にはPCR検査をしてくれる病院がなかったり、英文の証明書を発行してくれるクリニックが見つかりませんでした。神戸市内の病院の紹介を受けたのですが、そこでは「うちはPCR検査ではないLAMP検査なのですが、それでも良いですか?国によってはダメなようなので確認してからにしてください」と言われ、結局日々状況も変わりますし、よく分からないまま予約せずにおりました。

ヨーロッパでは概ね、「核酸増幅検査(NAAT/NAT)」つまり、「リアルタイムPCR検査(RT-PCR)検査」や「LAMP検査」が認められています。RT-PCR検査の方が検査精度が高いそうで、「PCR検査」と陰性証明書上にも記載がされるようで間違いないので、僕はRT-PCR検査を受けます。

LAMP検査だと、検査方法が違うので「PCR」という表記は出ませんが、NAAT/NATのNegativeが証明出来れば問題ない、ということであれば、LAMP検査でも問題ありません。PCR検査である必要がなく、LAMP検査でも問題ない場合であれば、そちらの方が検査結果が出るまでの時間も早く、検査費用は安く済みそうです。

「迅速検査(Rapid test)」が単体だと「飛行機の搭乗や入国の要件」としては認められていないようですが、KLMオランダ航空に搭乗する際は、「オランダ入国72時間以内の陰性証明書」と併せて、搭乗前の迅速検査も必要なため、早めに空港に行く必要があるようです。関西空港(KIX)利用者は、検査費用は無料だそうです。

※オランダでの航空便の乗継客は、迅速検査が不要となりました(2021年)

入国前〇時間以内の陰性証明書が必要、という点が国によって様々で、結果が出るまでに必要な時間もクリニックによって異なるかと思われます。実際に、「国外渡航用」と伝えると、「〇時間以内という要件が厳しいかもしれません」と言われることが多かったです。

陰性証明書は、ヨーロッパ行きは書類の原本である必要はないので、PDF形式でメール受取りで問題ありません。それを印刷して携行さえすれば良いですが、どの程度の時間で書類を発行くださるのかはっきりしない回答が多く困りました。

僕の場合は、結局「ヨーロッパ渡航者向けの書類に対応」とウェブサイトに記載のあった、大阪府内のクリニックでPCR検査を受けることと致しました。

クリニックの予約システムで予約をし、指定時間に検査に伺いました。予約は5分刻みで、大体1週間前に予約しても希望日時の予約は問題なく取れました。

目下飛行機の搭乗前24時間以内というルールになっており、フライトの時間は昼前ですので、検査の予約は15時に致しました。

検査料金は22000円+αとあり、僕は実際には28000円支払いました。

αの内訳は、特急料金が3000円の他、鼻咽頭検査の場合は唾液検査よりも3000円高いそうなのでした。

検査結果は24時間以内に発表される、と説明を受けるのですが僕のように「翌日のフライトに搭乗する」という場合は、特急料金3000円は必須です。

鼻咽頭検査と唾液検査のいずれかを選べるようで、唾液検査の方が安価でしたが、僕が鼻咽頭検査にした理由は、検査結果判明までの時間の迅速性でした。

唾液検査は、検査しに行った時間のちょうど24時間後くらいに結果が出るそうで、「その時間を基準にした陰性証明書が発行される」ようなのですが、僕の場合は翌日15時に検査結果が出るようでしたら、フライトに間に合いません。

余裕を持って、さらに前日の遅い時間に唾液検査申し込みをしていれば3000円節約出来たかもしれません。が、もう前日の午後だったということもあり、クリニックの医師の勧めで鼻咽頭検査代金+特急料金を支払い、計28000円を支払いました。

気になる結果は…。

↑英文陰性証明書のサンプルです。

無事陰性でした!これでヨーロッパに向けて飛べそうです。

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