ついにこの日がやって来ました!僕の人生においてずっと待ちわびた日です。今回は、大学への出願について書きます。
夜勤の仕事を終えて朝食、そのまま帰宅せずに大学の窓口の受付時間を目掛けて行きました。「今日こそは絶対!」と気合を入れていたので、仕事中にエナジードリンクも飲み、パワー全開状態で大学に出向きました。
今回僕が窓口に提出をする書類は、下記の通りです。
- 日本の大学の卒業証明書(英訳・日本国総領事館公印押印済みのもの)
- 日本の大学の成績証明書(英訳・日本国総領事館公印押印済みのもの)
- 履歴書(ドイツ語・これまでの経歴を全て記載したもの)
- DSH合格証書
履歴書に関しては、実は割と直前まで要ると思っておらず、転職活動の際に使っているものとは別に急いで作成しました。僕の場合は、日本の大学を卒業してから、日本での職歴、ドイツに渡ってからの職歴をビッシリと記載しました。自分の転職の数の多さに我ながらビックリしながら、現在の勤め先まで書くと、A4用紙3ページ程度になってしまいました。
DSHの試験結果に関しては、別記事にて書きました通り、自分の納得行くスコアではなかったです。一応は大学への出願は可能なスコアですので、ダメ元で応募してみることにしたのです。もしも今年大学生になることが出来なければ、またドイツ語コースに参加する、DSHを再度受けなおすなどで、来年のこのくらいの時期に間に合うよう対応しようと考えております。
ミュンヘン大学(LMU)に関わらずかと思われますが、ドイツの大学には、外国人(主にヨーロッパでの学歴がない人)が訪れるべき特別な窓口があります。実はその窓口には過去にも既に訪れたことがあり、毎度結構冷たい対応をされた「あまり良い思い出がない場所」です(笑)今回は自分の中で完璧!と思って挑んだわけでしたが、またひと悶着ありました。
受付の番号札を取るとすぐに呼ばれ、カウンターのある部屋に入ると、2人の女性スタッフがいました。両方から「どうぞ!」と呼ばれ、どっちに行こうかとあたふたしてしまったところ、1人が譲り、「あ、じゃあ私の方へ来てください!」というような感じになりました。
「LMUに出願したいです!」と言い、用意した書類一式を提出した瞬間に、カウンターのスタッフから「あなた書類が足りないわ!高校の卒業証明書・成績証明書は?」と言われたのでした。
ドイツ語・日本語ともに「Nanu?!」と思ってしまいました。
nanu?!; なぬ?!、あれまぁ!
まさかまさかの、高校の書類まで要るとは?!せっかくここまでやって来て、書類の提出が間に合わず来年…となってしまうのか?!と一瞬思いはしたものの、ただちに反論しました。
「日本にはそのような書類はないですし、僕は日本の大学を卒業しています。日本では、高校を卒業したり特別な試験を受けなければ、そもそも大学に行くことすら出来ません。大学を卒業しているのですから、わざわざその下の学校の書類は要らないですよね?」と詰め寄ってみました。
「Ja, trotzdem!」
と、一言返され困ってしまいましたが、一連のやり取りを聞いていたもう一方のスタッフが、僕らに声を掛けて来ました。
「彼は何国籍?あなた、どこの国出身でどこの学校に通っていたの?」と大声で言われました。
「日本ですよ」と答えたところ「日本人はその書類要らないわ!」と言われ、一件落着となりました。
僕の対応に当たってくださった女性スタッフは、結構自信満々な感じで「その書類がないと受け付けられない!」と突っぱねそうだったので、やり取り中にカットインしてくださりかなり助かりました。これは結構「ドイツあるある」かもしれませんが、担当者によって対応が結構異なることがあります。「分からないので調べます、少々お待ちください」と言われることはあまりなく、知識や経験がない方が割と堂々と自信満々で間違った対応をすることが往々にしてあります。かなり失礼な言い方にはなりますが「ハズレな担当者」に当たってしまうと、上手く行くはずのものも上手く行かなくなってしまうのです。多くの国籍の学生たちが訪れるであろう…そして他にも日本人は来ているだろうこの窓口で、こんな対応をされるとはまさか思いもしませんでした。僕は今回、同室にいた別の女性スタッフの方が知識・経験が十分にある方で助かりました。間違いを指摘された女性スタッフはかなり不愉快な感じの表情に変わり「じゃ、あなたはあっちの窓口に行ってちょうだい!」と、僕を別の窓口へ誘導しました。
もう一方のスタッフの方に書類を渡したところ、「何でこれらの書類のコピーがないの?」と言われてしまったのでした。以前「原本をここに持ってきて、ここでコピー出来る」と案内された気がしたのですが、違ったようでした。提出するのはコピー、その際に原本のチェックがあるとの案内を受けたのでした。
僕はコピーは持ち合わせていなかったので、大学のすぐ近くのコピー屋さんですぐにコピーを取り、再度窓口に出向きました。コピー屋さんを出たとき、さっきまで降っていなかった大粒の雨が降り始めていました。傘を持ってきていなかったので、全力ダッシュで大学に向かいました。
「じゃあ、後日案内メールが来ますので確認してくださいね!」
と言われ、本日の手続きは無事に終了しました。ちょっと不安な要素もありますが、やることはやり切りました。あとは結果を待つのみです。
僕がコピーを持って戻った際に、何だか僕を睨んでいるような視線を感じましたので、対応してくださった女性に向けて、ちょっと大きめの声で質問をしてみました。
「そういえば、高校の卒業書類は日本国籍の人は要らないということで良かったですね?ちなみに知識として知りたいんですが、日本人がその書類を要らないのは何故なんでしょうか?」と。
「日本の高校では専門領域の区分がなく、高校を卒業したあとにどこの大学・学部にも試験さえ受かれば行けるシステムになっているでしょう?そしてあなた自身がさっき説明した通り、あなたは日本の大学を卒業しているから高校の証明は要らないんです。ドイツ語能力の証明と、あとは大学側が認めれば別にどの学部でも勉強出来ますよ!」
とご回答をくださいました。それを聞いて僕は「Alles klar! Dankeschön!」と言い、颯爽と部屋から出て行きました。もう一方の窓口の女性は何だか悔しそうな顔をしていらっしゃるように見えましたが、これを機に日本人学生への対応を学んでくださると嬉しいですね。
さて、僕は無事に今年・2023年冬学期スタートの「ドイツの大学生」になれるのか、後日届くメールが楽しみです。
書類の提出を終えて帰路についた頃、コピーを取り終えた際に降っていた大雨は止み、空は綺麗に晴れていました。